2004年2月25日発売
三善晃:三つのイメージ/武満徹:系図三善晃:三つのイメージ/武満徹:系図
制作・出演
オーケストラ・アンサンブル金沢 / オーケストラ・アンサンブル金沢エンジェル・コーラス / オーケストラ・アンサンブル金沢合唱団 / 三善晃 / 佐々木正利 / 吉行和子 / 岩城宏之 / 木村かをり / 谷川俊太郎谷川俊太郎の詩に触発された2作。ことばの一語一語に濃密に音で交わる三善の重さに対し、映像のための音楽のようにことばの情景を音でリアライズする武満の軽さが想いに柔らかい。室内オケに縮小された響きと少女を演じる吉行の語りが実にインティメイトだ。
山口恭子/一ノ瀬トニカ/猿谷紀郎:作品集山口恭子/一ノ瀬トニカ/猿谷紀郎:作品集
オーケストラ・アンサンブル金沢の2003年の2回の演奏会から現代若手の作品を3作収録(ライヴ)。高木綾子による秀逸なフルート演奏が聴きものの一ノ瀬トニカ作品や、複雑なテクスチャーによるバイオレントな猿谷の難曲など、クオリティの高い演奏で聴かせるのはさすが。
シューベルト:交響曲第8番《未完成》/ブラームス:交響曲第4番シューベルト:交響曲第8番《未完成》/ブラームス:交響曲第4番
半世紀を越す指揮者生活を重ねる岩城がOEKに注ぎこむ情熱のほどが偲ばれる録音。スタンダードな手堅いアプローチで隅々まで行き届いた采配、それに素直に応えるオケ、結果、作品は自然な流れを獲得する。当たり前のようでいてじつは得難い音楽の悦び。
モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番/交響曲第41番《ジュピター》モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番/交響曲第41番《ジュピター》
室内オケらしいクリアな響きは、OEKの機能性の高さを証明する。安永のリーディングに引っ張られ、時折“聴き過ぎ”てしまいながらも、次第に大きな一つの流れに変わってゆく姿は心地よい。K.551にはスケール感があるが、K.453のたおやかな演奏をとりたい。
ヴィヴァルディ:四季/バッハ:G線上のアリア、アルビノーニのアダージョヴィヴァルディ:四季/バッハ:G線上のアリア、アルビノーニのアダージョ
形ばかりに気を取られず、多少いびつになっても、もっと人間の感情を素直に表わした音楽をしようよ、というのがそもそもの“バロック”だったとか。ならば19世紀のロマン派とどう違うのか。最近疑問に思うことしきりである。この「四季」、まさにそんな感じ。