2005年9月発売
尾張名古屋発にして世界標準ラッパーのAK-69の第3ステージが始動。ANARCHY、LA BONO、MACCHOなど、それぞれ個性的なラッパー陣をゲストに迎え、さらにディープでドープなAK-69のハードなスタイルが堪能できる。
1曲目から鳴り渡る玄一徹ストリングスの調べが、聴き手の気分を秋モードへと切り換えてくれる切ない全12曲。実直なイメージが強かろう彼だが、今作での歌詞には内省的な展開も多々あり、「桜」での彼とはまた違った一面が露わに。林立夫ら、バックの演奏が頼もしい。
本来の土臭さが針葉樹林の凛とした空気で置き換えられた風なバルトーク。スコアの見通しは良好、独特のハーモニーの重なりも明瞭、爽快な秀演だ。眼鏡を外して髪型を変えたオラモ、オケもデビュー時からの盟友フィンランド放響に変えての好取り組み。★
先送りになったアルバム『今宵の夜』の代わりに制作された1974年作品。周囲の高まる期待を跳ね除けるようなリラックスした雰囲気の中、深い世界観を展開させたターニング・ポイント的1枚。
前作『今宵の夜』の破滅的なイメージを払拭するかのような、春を感じさせる明るい表情が印象的な1975年作品。アステカ文明をテーマに掲げ、颯爽としたクレイジー・ホースの演奏に支えられたタフなアルバム。
バッファロー・スプリングフィールドのニール・ヤングとスティーヴン・スティルスによるコラボレート作品。リラックスしたムードの中、2人のギターの調べがテンポよく流れる心地よい1枚。
60〜70年代のロック・シーンにシンガー・ソングライターというスタイルを確立させたジャクソン・ブラウン。ディスコ・ブーム全盛を受け、シンセを導入した80年発表の6作目。
前作で復活したトーレ・ヨハンセンらスウェーデン組との相性がよほどよかったようで、パワー・ポップからダンス・ミュージック寄りの曲までこなれた風情で歌っていく。案外スタッフ気質の強い人なのだろう、感情が前面に出てこない反面、完成度は高い。
松村禎三の新曲(OEKの委嘱)「ゲッセマネの夜に」を聴けるのが嬉しい。ユダがイエスを売る場面を、さながら映画の1シーンのごとく、闇に包まれた重苦しい緊迫感で描く。ただ、もう少し演奏に清澄さがあれば。シューベルトはクセのない運びが好印象。