2006年8月23日発売
晩年のクレンペラー特有の遅いテンポではなく、いくぶん速めの揺るぎないテンポによって中低音のサウンドを充実させた、がっちりとした構築性が出色。マーラーの本質に一直線に迫る気概がみなぎっている。シュワルツコップも合唱陣も充実。
名演として高く評価されることも多い「大地の歌」。遅めのテンポによりロマンティシズムとモダニズムが一体となった、クレンペラーならではの演奏。特に、ヴンダーリヒとルートヴィヒの名唱が印象的。
コルトーの弟子で、ピアノの詩人といわれたフランソワの晩年の演奏。インスピレーションの輝きはわずかに失ってきてはいるが、豊かな感興に満ちた独特のフランソワ節は健在で、他に類を見ない詩情が漂う。
若きジョンスコの裏リーダー・アルバムと評されるアルバムだが、聴いてみると確かに納得。とりわけギター1本で奏でる(4)は珠玉。対して『ナウ・ヒア・ディス』は、渡米後のヒノテルによるワン・ホーン・カルテット状態。いずれもあえて脇役に徹するギャルパーの立ち位置がかえって印象的だ。★
ディーゲンは1944年生まれ、60年代から欧州で活躍するアメリカ人ピアニスト。本作はエンヤに残された76年のトリオ盤。1曲を除き全曲オリジナル。一連のユーロ・ジャズ・ピアノ作品に通じるリリシズムが秀逸。2曲の別テイクを追加して世界初CD化。
85年、エンヤに録音したピアノ・トリオ作。デイヴ・ホランド(b)とダニエル・ユメール(ds)とは初顔合わせ。バロンの抒情性がデイヴ・ホランドの持つメロディ感覚と呼応してブルース、ワルツとさまざまな顔を見せ、マジカルな演奏となっている。
LOUDNESSの中心人物であり、日本を代表するギタリストである高崎晃のソロ・アルバム。“世界の高崎晃”が、本格ギター・インストゥルメンタル・アルバムを聴かせてくれる。
グレン・ベントン率いるデス・メタル界のベテランの数えて8作目。これを機に技巧派ギタリスト、ラルフ・サントーラが異色加入で縦横無尽のデス・サウンドにも緻密な楽曲構成がチラっと顔を出す。ピュア・デスの武装強化を印象付ける意味でファン納得の一作だろう。