2008年11月19日発売
日本人の胸にしみるメロディと、美味しいハモリ。ア・カペラとGSの相性の良さはもはやお約束のレベルなのだ。低音ヴォーカルをフィーチャーした「バン・バン・バン」、思わず一緒に“ゴーバン!”しそうになる「シーサイド・バウンド」など、練れたアレンジ・テクニックと歌ぢからで退屈させない。
信時潔はドイツで学んで、ドイツ・ロマン派の書法をしっかりと身につけ、山田耕筰と並ぶ日本作曲界の重鎮とされてきた作曲家だが、多くの音楽ファンにとっては、今や「海ゆかば」くらいしか知らない存在だろう。ここには、合唱曲や唱歌、器楽曲から社歌、校歌、NHKの放送開始の音楽まで入っている。カンタータ「海道東征」の初出録音をはじめ、日本人初のチェンバロ作品など、貴重で興味深い録音、作品が多い。なかでいちばん興味深かったのは戦時下の作品群だ。ディスク5と6にまとめられている。大政翼賛会の標語「此の一戦 何がなんでもやり抜くぞ」にまで作曲しているのだ。それと、上記の「海道東征」をはじめとする紀元二千六百年祭関連作品など、考えさせられる。これは、戦前戦中を中心に録音されたものをほぼ網羅し、SP盤と金属原盤から復刻した画期的なボックスである。
2000年代後半、大きな盛り上がりを見せたチップ・チューン(ファミコンなどのチープな機材を使用したコンピュータ・ミュージック)の国内外アーティストたちによるクリスマス・ソングのコンピ。キュート&レトロな“ピコピコ・サウンド”が聖なる夜をオシャレに彩る。
トーキング・ヘッズを率いたデイヴィッド・バーンとアンビエント界を率いるブライアン・イーノという、ロック界の巨人2人による27年ぶりの共演作。お互いの個性が見事に融合した秀逸な一枚だ。
大阪出身の4人組によるセカンド・シングルは、アニメ『名探偵コナン』のオープニング・テーマ。ハード・ロックと歌謡曲の融合という、日本人が最も得意とする様式の継承者たちだが、下手に最新形を気取らないのがいい。どこか懐かしい香りがする。
徳永暁人、大田紳一郎、吉本大樹によるロック・バンドの4枚目のアルバム。アコースティック・ギターを多用したアメリカン・ロック的サウンドと、等身大の内面を吐露したような歌詞とで、じっくり聴かせる大人のロック・アルバムに仕上がっている。
発売元
株式会社ポニーキャニオンマーク・ヴァン・ローンがピアニストとして加入した95年以降の録音から26曲をピックアップしたコンピレーション盤。1枚目は「ドント・ノウ・ホワイ」「スウェーデンの城」「フラジャイル」などを含むポップ・スタンダード編。2枚目はジャズ・スタンダード編。
プロ・デビュー15年目。二度の試練を乗り越え、今は音楽に全身全霊を捧ぐ川嶋、待望のワン・ホーン・カルテットによるアルバム。男のロマンを感じさせる表題曲をはじめ、幅広いレパートリーで現在の心境を吐露。田中信正以下のリズム隊も力強いサポートで盛り上げる。★