2008年9月24日発売
スウェーデンのスラッシュ・バンド、ザ・ホーンテッドによる6thアルバム。攻撃的なドラム・リフに、ツボを押さえたメロディアスなギター・ソロ、そしてシャウトを交えたヴォーカルが、極上のメロディック・デス・メタルを描いている。
ブラック・メタル・バンド、エンペラーの元フロントマンによる2枚目のソロ・アルバム。エンペラーの再現とも言える、過激なブラスト・ビートの中で、劇的なシンフォニック・サウンドを展開している。
ヴォーカル・MIDORIの美質が旧作以上に炸裂するフォーク・トリビュート。様式美的? ダルな歌い口が、原曲世代(50代か)にもジャストミートしそう。彼らならではのポップ&レトロなムードとの親和性は言わずもがな。お勧めは2曲の拓郎作品。キュートな「人間なんて」に思わず微笑。★
ブラームスは重々しい音楽でも、分厚い響きでもない。小編成だからこそ可能となる、歯切れの良さと推進力を生み出す速度感を最大限に活かした新しいブラームス像を提案しようとしている。それが金聖響&OEKの意図だろう。録音にはもう少し冴えが欲しい。
数多くのジャズ・フェスに出演経験を持つクラシック・ピアノ界の異端児、ファジル・サイ。本作でも、クラシック、ジャズ、自らのルーツであるトルコ音楽を縦横無尽に動き回るオリジナリティは唯一無二。圧巻はモーツァルトの斬新な解釈とも取れる2曲目。
ベルリン・ドイツ響とは2枚目のアルバム。ゆったりとしたテンポ、メリハリとダイナミズム、そしてぬめらないロマンティシズムと、非常に引き締まってバランスがとれた演奏だ。音色の移ろいも繊細で、オーケストラの上手さも光っている。これはいい演奏だ。★
コパチンスカヤの手にかかると、ヴァイオリンは鋭い刃で空気を切り裂くような危険をはらんだ武器に変貌する。聴き手に一瞬の隙も与えない。聴き慣れたはずの「クロイツェル」も初めて聴くような緊迫感。そしてバルトーク。鋭い音でひと突きにされてしまう。
移籍第1弾、オリジナル7作目の心機一転作。歌謡ジャズのようでもありパンク・ブルースのようでもあり、独特の男くさいスタイリッシュ&シネマティックな世界観は健在。キャリアを重ねても決して渋くはならず、トンガッた青くささが消えないところが魅力。
ヒップホップ・グループ“キミドリ”の元メンバーによるミックスCD第2弾。レゲエ「Finger」、スカ「Mambo From Sakkijarvi」、サンバ「CALYPSO 17 THEME」と最初からジャンルを超えた3曲が連なる、そのあまりに自然で無理のない構成に惹きこまれること必至。音楽のジャンルに国境なし、そんな言葉を思い出す。
坂本龍一総合監修による新しい「音楽全集」「音楽百科」、スコラ(音楽の学校)シリーズ。 commmons: scholaは、独自のコンセプトにもとづき、ユニークな選者とともにクラシック+非クラシック、全30巻で構成される、世界中の音楽を次世代へ継承してゆく、CDと豪華執筆陣による本を組み合わせたアーカイブ。 記念すべき第1巻は坂本龍一セレクションによる、J.S.バッハ。全116ページの充実した解説書付き。
大阪出身ドイツ在住の男性アーティストが、坂本龍一のレーベルから発表したアルバム。コンピュータを道具に“アタマの中に響くファンク”をエレクトロ・サウンドで聴かせる。シリアス一辺倒でなく、微妙なギャグが秘かに込められているのがポイントかも。
豪華参加アーティストで話題をさらったAFRA&I.B.B待望のセカンド・アルバム。今回もフィーチャリング・アーティストにCharaやVERBALといった大物が名を連ねた日本最高水準の作り。巡るめくダンス&ビート・サウンドの洪水に酔いしれるのだ。
⇒EXILE特集ページはこちら ラテンの哀愁を漂わせて微妙な女心を歌う……秋の夜長にぴったりのバラードを冠したデビュー8周年記念マキシ。「SUPER SHINE」はm-floのVERBAL、「24karats」はJ Soul Brohtersをフィーチャーしたヒップホップ版、ATSUSHI&TAKAHIROが新編曲で歌うデビュー曲「Your eyes only?曖昧なぼくの輪郭(カタチ)?」の響きも新鮮。
沖縄の名曲をレゲエ・アレンジでカヴァーした『たからもの』シリースのベスト盤。民謡から喜納昌吉、ブーム、モンパチまで新旧の有名曲を、彼女のソウルフルな粘っこいヴォーカルで聴かせている。特にダンスホール・スタイルの「てぃんさぐの花」が新鮮。
2009年で結成15周年を迎える二人組による初のベスト。デビュー曲「戦え!野良犬」からほぼキャリア順に並べられた素直な選曲、曲順には好感が持てる。中島みゆきのカヴァー「ファイト!」は、FM802のイベントに出演した時の音源。素朴だけど力強い歌の軌跡がここに。