2010年10月発売
長年、米国ハリウッドで活躍していたピアノの名手率いるピアノ・トリオ作(78年録音)。アップ・テンポでは軽快にスウィングして演奏したり、スロー・バラードでは歌心たっぷりの演奏で魅了したり、全編、リラックスした空気感が醸し出される中、ジャズの愉楽が満ちている。鮮やかなピアノ・タッチが印象的。
80年代にバップランド・レーベルからリリースされたアルバムで、とりわけ日本人によく知られるスタンダードを多く含む佳作。確かな白人らしさを保ちつつ、バップを十分に消化した演奏は万人向けの味。
NY生まれのピアニスト、ディトスティは隠れた名手のひとり。その彼がお馴染みのスタンダードを中心にソロで実力を遺憾なく発揮する。スタイルはオーソドックスでやや古い。しかしそれだけに、ジャズ・ピアノの面白さや魅力がストレートに伝わってくる。
西海岸の鬼才ホレス・タプスコットが残した未発表ソロ・ピアノ作。同じく83年録音の未発表作で、先行発売された『フェイス』の翌日に録音された。全曲、タプスコットのオリジナル。ポスト・バップとアヴァンギャルドがミックスされたアグレッシヴかつ個性的な演奏集。
今回は久石譲と巨匠スパークの書き下ろし作品が目玉。久石の「4つのバガテル」はリズミックで躍動感に満ちた佳曲であるし、スパークの「リフレクションズ」は穏かな曲想の柔和な作品。これ以上に面白かったのはノレやセロツキで、奏者一人一人の高度な技術と歌心が十全で魅せられる。
菊地のベートーヴェン・シリーズの2枚目。今回は、初期のソナタ集だ。初期とはいえ、その一曲一曲は実験精神に貫かれている。菊地の目指すところもその進取の気象に富んでいることの表出のようで、明瞭なタッチ、明確なリズムやダイナミズムなど、新鮮なベートーヴェン像を打ち立てている。★
サンフランシスコの暴走軍団による特別作。本来はセカンドで本邦デビューする予定だったが、ツアー中の2010年8月にヴォーカリストが他界、ファーストも収録した追悼盤でもある。ハードコアがスラッシュへと発展していった80年代中期を彷彿とする音、怒りを放射する歌。激烈エネルギーが満載。
アニメーション音楽に幅広く楽曲を提供しているユニット、GRANRODEOによる2010年10月発表のシングル。タイトル曲は、TVアニメ『咎犬の血』のオープニング主題歌に起用の、アグレッシヴなロック・ナンバー。