2010年8月25日発売
シュトラウス父子のホルン作品を収める。息子のホルン協奏曲第1番は、作曲者自身によるピアノ伴奏版。バボラークは協奏曲の冒頭から言葉を失うほど素晴らしい。小菅優のピアノも充実。ホルンの名手だった父の作品ともども、ホルンの魅力を満喫する。
はっとするような美しい音色に思わず聴きほれる。近代フランスのピアノ連弾曲でこれほど見事な演奏は今までなかったのではないだろうか。夫婦は一心同体と言うが、まるで4本の手を持った一人のピアニストが弾いているようだ。たゆまぬ研鑽の賜物だろう。★
イギリス人ヴォーカリスト、ネイサン・ジェイ・ビッグスを迎えて初となるアルバム(通算4作目)は、アメリカ人プロデューサー、トビー・ライト(アリス・イン・チェインズ、KORN)と組むことで、メロディック・デスの文脈を超越した、より大きな世界観でメタルを捉えることに成功している。
ドイツ産メロディアス・ハード・ロック・バンドが、2009年のラウドパークと2010年1月に東京で行なったライヴをCD3枚に収録。甘酸っぱく泣けるメロディが全編にわたって炸裂。安定感のある脂の乗った演奏と、それに応える日本のオーディエンスがライヴをクライマックスに導く。
解散したハーレム・スキャーレムのハリー・ヘスが結成したメロディアス・ハード・ロック・バンドのデビュー作。バンド時代の面影を引き継ぎながらも、生き生きとしてパワフルなハリーのヴォーカル、ストレートなわかりやすい演奏など、まるで新人のようなフレッシュさがある。
スウェーデンのプログレ系ロック・バンドの7枚目のアルバム。クイーンを思わせるコーラス・ワークの「ホワット・シー・ミーンズ・トゥ・ミー」に始まり、ブルージィな「ノー・ウェイ」、へヴィなワルツの「シスターズ」……と曲調はヴァリエーション豊かだが、全体を貫くトーンはサバスからNWに至る70年代ロックのダーク・サイドを強調した感じに統一されている。
バリオスを聴くときはいつも心が揺さぶられる。でも、この音色は何だろう。強靱なアタックの中に哀感があって、倍音がすごい。楽器は64年のイグナシオ・フレタだという。この演奏には曖昧な音が一つもない。鈴木大介のテクニックは圧巻だ。名器の響きを完璧に引き出している。
西尾維新のライト・ノベルに基づく時代劇アニメ『刀語』の、後期オープニング主題歌を収録したシングル。ALI PROJECTらしい絢爛豪華な音世界と、アニメに沿った和テイストが見事に融合している。
テレビのCMソングでもその歌声を耳にするシンガー・ソングライターのアルバムは、トッド・ラングレンのカヴァーを含む12曲入り。AOR、ボサ・ノヴァ、ジャズなどを消化し、大人向けの上品なポップス集に仕上げている。リラックスした風情が伝わってくるのが何よりいい。