著者 : シャロン・ケンドリック
私を娼婦扱いした残酷な人── まさか彼の子を身ごもるなんて。 タクシー運転手のケーラは、イタリアのホテル業界の大物、 マッテオ・ヴァレンティの視察旅行に同道した。 途中、天候が急変して車が立ち往生し、やむなく宿を探すが、 見つかったのは唯一、小さなB&Bの屋根裏部屋だけだった。 嘘でしょう……こんな狭い場所にセクシーな富豪と二人きり? 互いの身の上話はやがて熱い囁きに変わり、気づけばケーラは 純潔を差しだしていた。だが翌朝、彼は忽然と姿を消した── 大金と命の芽をケーラに残して。10カ月後、出産と引き替えに 職も住処も失った彼女は、恥を忍んでマッテオに連絡するが……。 身分違いのマッテオの子を一夜で身ごもり、密かに出産したケーラ。身寄りも職もなく、追いつめられた彼女はマッテオを頼りますが、現れた彼の振る舞いはあまりにも冷たくて……。シャロン・ケンドリック得意の傲慢ヒーローの魅力を存分に味わえる一作です。
ウエイトレスのダーシーは、イタリア富豪レンツォに見初められ、誘惑に抗えず純潔を捧げて、彼の愛人になった。太陽の下でデートすることもなく、逢瀬はベッドの上だけ。やがて虚しさに耐えきれなくなったダーシーが別れを申し出ると、レンツォはトスカーナの別荘に彼女を連れ出した。初めて恋人同士のように過ごし、幸せの絶頂を味わった直後、ダーシーはずっと秘密にしてきた出自を彼に咎められ、ひどく侮辱されて、追い出されてしまう。今になって、これほど身分違いを思い知らされるなんて。途方に暮れる彼女は、身ごもっていることさえ気づかず…。
シングルマザーのエメラルドは悩んでいた。幼い息子の父親に、子どもの存在を打ち明けるべきかを。何しろ、彼ーコスタンディンは一国の王なのだから。6年前、仕事先で知り合ったハンサムな王子との一夜限りの関係。妊娠に気づいたときにはコスタンディンは国王に即位し、王妃を迎えていた。けれど今、彼は離婚し、しかもエメラルドの昔の職場でパーティーを開くらしい。息子のことを伝えるなら今しかない!再会したコスタンディンは、さらに魅力的になっていた。冷静でいなければとわかっていても、ときめきを抑えられず…。
家政婦のリジーは、雇い主から屋敷の売却と解雇を告げられ、屋敷の買い手を案内するよう命じられて呆然としていた。そこへ早速現れたのが、イタリア人富豪ニッコロだった。初対面だというのに二人は強く惹かれ合い、誤って狭い納戸に閉じこめられたのを合図に、熱い一夜を共にしてしまう。やがて、妊娠に気づくリジー。すぐにニッコロに知らせるが、彼から、父親や夫になる気はないが“必要経費”は出すと言われ、深く傷ついた。ただの貧しい家政婦に、愛は微塵もないのね?子どものためと自分に言い聞かせ、彼女はマンハッタンへ飛んだ。
わがままな主人に呼びつけられ、家政婦のカーリーは、屋敷内にあるジムへと急いだ。事故で怪我をして以来、在宅療養している富豪ルイスは不機嫌で、今日も案の定、美人の理学療法士にくびを言い渡した。そして驚いたことに、今後はカーリーが代わりをするよう命じたのだー莫大な報酬と引き換えに。実は彼女は医大に進み、医師になるのが夢だった。だが当時は極貧のうえ父の介護もあり、泣く泣く諦めたのだ。引き受ければ、また夢に挑戦できる。ただ、ひとつだけ、気がかりなのは…ルイスがあまりにもセクシーすぎること。指先が彼に触れただけで、なぜこんなに胸が苦しくなるの?
高級なアートギャラリーで働くニコラには秘密があった。夜はふしだらな姿でナイトクラブのウェイトレスをしているのだ。もちろんそれには理由がある。じつは彼女は父親の顔を知らず、母親にも見捨てられ、学校に通う余裕すらなく弟を養っていた。ある日、ニコラはクラブでギャラリーの顧客、富豪アレッシオと偶然でくわした。問われるまま困窮している事情を明かすが、思いがけない提案をされる。“僕の母親の誕生日パーティに同伴してくれたら、高額の報酬を支払おう”と。人生最高のご褒美。でも私にできるの?ニコラの心は揺れた。
気づいたとき、ビアンカはたくましい腕に抱きあげられていた。飛行機が不時着し、同乗していた富豪クサントスに助けられたのだ。雪山の小屋で一夜を明かし、救出されて見知らぬ土地で過ごすうち、恋愛経験の少ないビアンカは冷酷だが魅力的な彼に惹かれていった。そして熱く誘惑されて純潔を捧げたあとも、彼と会いつづけた。都合のいい女になりたくなかったが、一緒にいたい気持ちは強すぎた。妊娠したときは、子供を望まないクサントスに伝えるのが怖かった。案の定、非情な富豪は他の男を夫にしろと告げ、彼女は悲嘆に暮れる。ところが、一人寂しくイブを過ごすビアンカを彼が訪ねてきて…。
夫が突然失踪して1年半、エンジェルは孤独と不安を耐え忍んでいた。そんなある日、彼女がメイドとして働くホテルに、夫の兄で法廷弁護士のローリから電話がかかってくる。弟がーきみの夫が、自動車事故で帰らぬ人となった、と。そればかりか、車には愛人が同乗していたという。打ちのめされたエンジェルのもとに、ローリが訪ねてきた。なんと、まだ生まれて間もない赤ん坊を連れている。「まさか、その子は…」驚くエンジェルに、彼はうなずいた。「そうだ。弟と愛人の子だよ」そして、こう続けたー「エンジェル、この子を僕と一緒に育ててくれないか」
まさか6年もの歳月を経て、 初夜を迎えることになるなんて……。 ミアがメイドとして働くホテルに、突然“夫”が迎えに現れた。 テオ・アエトン。6年前、ギリシア富豪の彼と恋に落ち、 夢のような結婚式を挙げた夜、ミアはどん底に突き落とされた。 結婚の目的は彼女の祖父の財産。愛などなかったと知ったのだ。 すぐに家から飛び出し、そのままテオのもとへは戻らなかった。 だが今、祖父の余命が幾ばくもないと聞かされて、 ミアはギリシアへ戻ることを決めた。病床の祖父の前に進むと、 テオは表情一つ変えず彼女を引き寄せ、驚きのひと言を放った。 「安心してください。ごらんのとおり、僕たちは復縁しました」 18歳で最愛の人の花嫁となったものの、その日の夜に家を出たヒロイン。祖父のため、復縁したかのように振る舞ううち、再び夫に恋をして……。シャロン・ケンドリックらしい、ドラマティックでせつない夫婦愛の物語をお楽しみください。
姉の結婚式で花嫁付添人を務めていたソーチャは、最後列に座る招待客を見て、心臓がとまりそうになった。チェーザレ・ディ・アルカンジェロ!なぜ彼がここに?7年前の夏、18歳のソーチャは彼に夢中だった。想いが叶い、ついに求婚されるが、それは愛の欠片もない冷酷なものだった。傷ついた彼女は拒絶し、泣く泣く姿を消したのだ。チェーザレが不敵な笑みを浮かべて近づき、思いがけない提案を持ちかけた。傾きかけた会社を立て直すため、きみの協力がぜひ必要だという。いったいチェーザレは何を企んでいるの?疑いの目を向けた彼女は次の瞬間、強引に唇を奪われて…。
ルイーズは、突然会社に現れたジャコモを見て驚いた。別居中の夫がなぜここに?離婚の手続きをする気になったとか?イタリア人富豪のジャコモは事故で1年分の記憶を失ってしまい、その時期に自分が結婚していたと知って、妻に会いに来たという。記憶を取り戻す手助けを頼まれ、ルイーズは迷った。二人はたしかに誰よりも惹かれ合い、夫婦の誓いを立てた。でも結婚後、なぜか急に冷たくなった夫を思い出すのは今でもつらい。ずたずたにされた心を守りたくて、彼女は条件を出した。「それなら妻としてでなく、家政婦としてでお願い」と。
7年前、ロージーの初恋は終わりを告げた。父が教育係をしていたコルソは、地中海を望む王国の皇太子。コルソの25歳の誕生日の舞踏会に招かれたとき、ロージーは18歳で、貧しい家から何とか出席した。そして、王宮で部屋が隣り合わせた女性が、電話で話す声を耳にする。コルソを誘惑し、彼の子供を妊娠するつもりだと。大変だわ!意を決してコルソに打ち明けるが、彼は信じない。幼い恋心を打ち砕かれ、ロージーは逃げ帰ったー。7年後、国王となったコルソが、美しく成長した彼女を訪ねてくる。
住みこみでナニーをしているキティは一家の家族旅行に同行した。ある夜、束の間の休暇を楽しもうと高級リゾートのバーへ赴くが、みすぼらしい身なりを咎められ、追いだされてしまう。するとそこへ目も覚めるような美麗な男性、サンティアゴが現れて陶然とする彼女を誘惑し、別世界のスイートへといざなった。真面目に生きてきた私への、神様からのご褒美かしら?キティは純潔を捧げるが、なぜか彼は怒り、苦い別れとなった。帰国後、雇い主から解雇され、直後に妊娠が判明したキティは、ショックで言葉を失った。サンティアゴ…彼を頼ってもいいの?
ザブリナは隣国の王の花嫁となるために育てられてきた。今日は、彼女がいよいよそのローマン王のもとへ嫁ぐ日だ。征服王と呼ばれる恐ろしい男性には、一度も会ったことはない。そのときザブリナの前に、隣国の護衛長が現れた。銀の瞳を持つ整った顔立ちの彼に、ザブリナの胸はときめき、いけないと思いつつも王室専用列車の中で一線を越えてしまう。しかし護衛長の態度は急に変わり、ザブリナは冷たく見下された。彼女は気づいた。この人は征服王だ。私は試されたのだ!ローマン王は言った。「君は王を裏切った。結婚はできない」。
パーティの給仕係として働き、疲れた体で帰途についたホリー。天候が急変して困っていると、傍らに1台の高級車が停まり、乗っていくよう促される。声の主はスペイン富豪マキシモー最近この町の古城を買ったという、世界的な実業家だ。彼の漆黒の瞳に魅入られ、すっかり舞い上がったホリーは、一夜限りの約束で、誘惑されるまま身も心も捧げてしまう。2カ月後、ホリーは愕然とした。まさか妊娠するなんて!報せを聞いたマキシモは、別人のような冷酷さで言い放った。「経済的な援助はする。ただし、その子の父親は手に入らない」
ジェシカは昼間の仕事に加え、毎晩オフィス清掃をしている。唯一の楽しみは、その会社の“美しい彼”を見ること。シチリアの名門カルディーニ一族を率いる大富豪、サルヴァトーレだ。尊大だが魅力あふれる彼に、ロンドン中の女性が熱をあげている。洗練された美貌の独身貴族と、なんの取り柄もない自分…。ふたりの間に愛なんて芽生えるはずがないのは承知の上だった。そんなある日、彼からパーティに誘われ、ジェシカは舞い上がった。さらに思いがけずベッドまでともにし、夢見心地になったのもつかのま、サルヴァトーレは事もなげに傲然と言い放った!「いつかシチリアに戻り、地元の無垢な娘と結婚すると決めているんだ」
夏の間だけギリシアのリゾートホテルで働く美容師のマーニー。ある日ビーチで足を怪我し、痛みでうずくまっていると、バイクで通りかかったレオンという男性に手を差し伸べられた。野性的な風貌と高貴な青い目。瞬時に魅せられたマーニーは、誘われるまま食事を共にし、疑いもせず身も心も捧げてしまう。だが彼は純潔を隠していたと咎め、マーニーを追い払ったのだ。翌日、世界的大富豪レオニダスがホテルに滞在していると聞き、その姿を見たマーニーは仰天した。レオン!信じられない。あの夢のような一夜は、ただの富豪の火遊びだったというの?
男に騙されやすい母のもと、貧しい子ども時代を送ったアシュリンは、仕事ひとすじで必死に生きてきた。だがここ2年ほど、一人の顧客がアシュリンの心を占めている。ジャンルカ・パラディオーローマのホテル王で大富豪だ。あるときついに彼の誘惑に屈しベッドを共にしたアシュリンは、数週間後、身ごもっていることに気づき、愕然とする。結婚どころか恋愛すら無縁だった私が、妊娠してしまうなんて!意外にもジャンルカは結婚しようと言った。子どものために。君を愛してはいないがー彼の心の声が聞こえたような気がした。