著者 : レベッカ・ウインターズ
“ママが死んでしまってそばにいないから手術はこわいけど、手術でぼくの頭痛をなくして、パパをまた幸せにしたい”病の少年の手紙を読んで、慈善財団で働くギャビは胸がつまった。少しでも支えになりたい一心で幼い少年を訪ねると、そこは世界的な富豪一族の当主ルカ・ベレッティーニの家だった。父親のルカは不在だったが、ギャビは少年と祖母に迎えられ、病をしばし忘れられるよう、楽しい時を過ごした。ただ、この子の手紙のことはルカには秘密よと祖母に釘を刺されるーいつも不幸せそうだと子供に思われていると知れば傷つくから、と。だが翌日、少年と同じ黒髪碧眼のルカが、突然ギャビの職場に現れた!
おなかの子は、あの日愛を交わした証。 それを、信じてもらえないなんて……。 “妊娠”を示す検査薬の結果を見て、ステファニーは呆然とした。 相手は、3カ月前に旅先で出逢った、カリスマ性漂う男性ーー たちまち彼の虜になり、生涯忘れられない一夜を経験した。 だが翌日、別れのメッセージを残し、彼は忽然と姿を消したのだった。 父親を知らずに育った彼女は、わが子に同じ思いをさせたくなかった。 あらゆる手を尽くし、ギリシアの地でようやく再会を果たすが、 そこにいた彼は、まるでステファニーの知る彼ではなかった。 彼女が愛した男の正体は、富豪一族の御曹司、ニコス・ヴァサロス。 驚きも冷めやらぬなか、辛辣な言葉がステファニーの胸に突き刺さった。 「金持ちと寝て妊娠するのが狙いだったのか?」 HQイマージュの大御所レベッカ・ウインターズが描いた、絶世の美男とのジェットコースター・ロマンスが《至福の名作選》に登場!別の男の子供ではないかと疑いつつも、強引にステファニーを妻に迎えるニコス。彼が妻と同じ寝室を使おうとしない理由とは……?
結婚半年の記念日の朝、サン・ヴィターノ王国の皇太子妃ルーナは、王家所有の金鉱視察に赴く夫リーニと別れのキスを交わした。昨夜、妊娠が判明し、彼女は幸せの絶頂にあった。夫が帰宅したら、この朗報を伝えて特別な日を祝おう…。だが彼は帰ってこなかった。地震による落盤事故に巻き込まれて。打ちひしがれながらもルーナは夫の死を受け入れ、気丈にもほかの犠牲者の弔問のため隣国まで足を延ばした。そして、奇跡が起きた。病院で治療中のリーニを発見したのだ。「君は誰だ?いったい僕は何者なんだ?」ルーナの喜びは一瞬で消えた。夫はすべての記憶を喪失していた。
ブレアは元婚約者のアリクに会いに、ニューヨークを訪れたー生まれたばかりの、彼に生き写しの息子を連れて。1年前、学生だったブレアは、13歳年上で大富豪一族出身のアリクと恋におちて婚約したものの、やむなく身を引かなくてはならなくなった。ある人物に脅されたから、とは口が裂けても言えなかった。彼と別れたあとに、おなかに赤ちゃんがいるとわかったことも。でも、こうしていま会いに来たのは、彼の黒髪とオリーブ色の肌をみごとに受け継いだ息子の存在を黙っているのは罪だと思ったから。純粋にそれが目的と示すため、婚約者がいることにしたブレアに、アリクは告げた。「これから1カ月、君は僕と一緒にここで暮らすんだ」
ジャネットは仕事で訪れたオフィスで、10年前に突然別れを告げて姿を消した元婚約者のウェイドと偶然再会し、息をのんだ。だが今や大企業の辣腕社長となった彼の冷酷な態度に衝撃を受け、ジャネットはその場から一目散に逃げ出した。すると翌週、ウェイドが彼女の職場に乗り込んできて、吐き捨てるように言った。「聞かせてくれ。いったい何人の子をベビーシッターに預けてきた?」彼は何を言っているの?いわれなき疑いに、ジャネットは呆然とした。「君は僕に愛を誓いながら、平然とほかの男と結婚するような女だ!」ひどいわ…。あれからずっと、結婚はおろか、誰ともつき合わず、彼のことを思い出して涙で枕を濡らす夜もあったというのに…。
「僕は昔、君と宮殿で遊んだアレックス。行方不明のヘレニア王子だ」長身で黒髪の男性がー途方もなく美しい男性が静かに告げた。金髪碧眼の変装を解いた彼の姿に、ジャンニーナは呼吸を忘れた。3年前、出会った瞬間に私の心を奪い、突然去っていったフィリップが、アレックスー少女の頃に憧れていた黒い瞳の王子様だったというの?ある命の危険から身を隠さなければならなかった日々が終わった今、アレックスはヘレニア国に新国王として迎え入れられるらしい。彼は積年の嘘と不義理を謝罪し、ジャンニーナに求婚した。私が愛していたのはフィリップだし、平民の私が王妃だなんて…。あまりの出来事に混乱し、ジャンニーナの意識は遠のいた。
娘と同じ黒髪のギリシア富豪に、 真実を話すときがやってきたーー 「2年間の兵役に就くけど、待っていてくれ。毎日手紙を書くよ」 17歳のアレクサはギリシア海運王の御曹司ニコを信じて待ちわびた。 けれども手紙は1通も届かず、悲嘆にくれるなか、 彼女は親代わりだった祖父の転任先であるカナダへと発った。 わたしは初めて愛を捧げた人に、だまされたということね……。 ほどなく妊娠が判明し、アレクサはニコに知らせずに出産したのだった。 月日は流れ、ある夜、18歳になった娘の恋人の家に招かれた彼女は、 夕食の席に現れたギリシア神さながらの男性を見て、失神しかけた。 ニコ! どうして、あなたがここに? 我が子と知らずに娘と話す彼の姿に、アレクサは残酷な運命を呪った。 HQイマージュの代表作家R・ウインターズの甘酸っぱさと切なさが詰まったドラマティックなシークレットベビー物語をお贈りします。娘の恋人が実の父親のように慕っている“ニコおじさん”が、初恋の相手ニコだとわかり、アレクサは思わず化粧室に逃げ込んで……。
あの笑顔を忘れられるはずがない。 彼は、12歳の私が憧れた王子さま。 清掃員のカミには、今も深く心に残る忘れられない記憶がある。 12歳のとき、父の運転するタクシーから見た、黒髪の美しい若者の姿。 王子さまさながらに紋章付きの黒塗りの車に乗り込むところで、 彼に釘づけのカミに気づいて、ほほ笑みかけてくれたのだ。 その後、父は亡くなり、カミはいま働きながら大学に通っている。 でもまさか清掃作業で訪れた邸宅で、黒髪の彼に会うとは思わなかった。 邸宅の主は、プロヴァンスの大富豪、ラウル・フォンテスキュー。 予想に反して、ラウルもまた彼女のことを覚えていてくれたことで、 カミは彼に強く惹かれていくーーその胸に、大きな秘密を抱えたまま。 クリスマスを迎える頃には、私は余命わずかかもしれない……。 愛する人と過ごすクリスマス。憧れの王子さまから、一緒に過ごしたいと望まれても、深刻な病を抱えるヒロインは、成功するかわからない手術を控えていて……。R・ウインターズらしい愛と優しさのつまった、担当編集が自信をもっておすすめするシンデレラ・ストーリー!
亡き姉の小さな忘れ形見。 せめて父親の名を知りたくて……。 姉を亡くして1年余り、ナタリーは遺された甥を引き取ることにした。 だが姉は未婚のまま産んだ幼子の父親が誰か明かしてくれず、 ナタリーは甥にいつか教えるためにも、まず父親捜しから始める。 わずかな手がかりをもとに、彼女は由緒ある公爵領を訪れた。 ここの葡萄園で働く誰かが、甥の父親の可能性があるのだ。 臨時の仕事に応募したナタリーは、面接官のドミニクを見て息をのんだ! 深みのある黒い瞳と黒髪が、怖いほど甥に似ている。まさか……。 でも、この公爵家出身の大富豪には、風貌のよく似た兄といとこがいて、 姉が恋におちた男性が3人のうちの誰であってもおかしくなかった。 ドミニクでありませんように。ナタリーはいつしか、そう願っていた。 大スター作家R・ウインターズが、情趣豊かな南仏プロヴァンスを舞台に、胸に響くシンデレラ・ロマンスを書き上げました! 真実がわかるまで、甥の父親捜しをしに来たことをドミニクに伝えられないナタリー。秘密を抱えたままなのに、恋心は止められず……。
ギリシアのホテルに休暇で滞在していたフランは、裏庭で傷ついてぐったりした小さな女の赤ん坊を見つけた。親が見当たらず、急いで病院に運びこんだあとも、赤ん坊のはかなげな姿に胸がつまり、涙ながらに励まし続けていた。何時間もたち、やがてさまざまな状況が明らかになるー不幸にも赤ん坊の両親は竜巻に巻きこまれて亡くなったという。そして、この子の伯父と名乗る男性が現れ、フランは目をみはった。世界でも指折りの巨大企業のCEO、ニコロス・アンゲリスだったのだ。さらに驚くことに、彼は姪を親身に看護するフランを見て、世話係としてアンゲリス一族の本拠地へ来てほしいと申し出た!
小児病棟でボランティアとして働くファウスタは、病院の食堂で見かけた美しい医師ニコに胸をときめかせた。やがて、言葉を交わすうち、彼も憎からず思ってくれていることを知る。実はファウスタは王家に生まれたが、密かに一般人との結婚を夢見ていた。ニコは人柄もすてき。知れば知るほど、彼を好きになっていく…。孤児として育ったニコは、ずっと実の親を捜しつづけていた。出自もわからずに、王女であるファウスタと結婚など考えられなかった。だがある日、ニコのとんでもない出生の秘密が明らかになるーなんと彼は、最近亡くなったさる国の王の、落とし胤だった!
1年前、ドミニクは夫のもとを飛び出した。熱烈な恋に落ちて結婚したが、夫とは何もかもが違いすぎたのだ。アンドレアスは10歳も年上で、しかもギリシアの大富豪。彼女はといえば、年若いアメリカ人女性で名家出身でもない。ドミニクという妻がいながら、夫は女性によくもてた。ついにはある女性との浮気疑惑が裁判沙汰にまでなってしまい、ドミニクは彼の妻でいられる自信をなくしたのだった。だが何度離婚届を送っても、夫はサインを拒み続けた。そしてとうとう彼はドミニクを追ってきて、二人はある取り決めをした。もう1カ月だけ二人で暮らし、結婚を修復できるか試してみよう、と。
もう忘れたと強がってみせても、 この胸にいるのは、あなただけ……。 少女の頃、ドネッタは馬術大会でさる王国の皇太子エンリコと出会った。 毎年、顔を合わせるうちに親しくなり、16歳のとき初めてキスをした。 エンリコが大学進学のため大会に出られなくなると、 卒業したら二人で旅に出ようと約束し、文通で心を通わせ合った。 ところが彼は国事に忙殺されるようになり、やがて手紙もとだえると、 彼の薄情さにドネッタは人知れず懊悩したのだった。 5年後、ようやく気持ちに区切りをつけたドネッタのもとに、 エンリコの国で開かれる馬術大会への招待状が届く。 いったいどんな顔をして会えばいいの……? ドネッタは戸惑ったが、 愛しの皇太子とまた会いたくて、彼の待つ、かの国へ飛んだーー ハーレクイン・イマージュ2600号を記念して、代表作家レベッカ・ウインターズの珠玉作をお贈りします! 真綿で首をしめられるような失恋の痛みに耐えてきたドネッタと、そうとは知らないエンリコの再会やいかに? 本作は『終わらない片思い』の関連作です。
24歳のシングルマザー、ステラは1通の手紙を受け取った。 差出人はギリシア人大富豪のテオ・パンテラス。 生涯ただひとりの恋人にして、ステラの最愛の息子の父親だ。 交際を反対されていた二人は、妊娠を機に駆け落ちを決めたが、 当日、彼はいつまでたっても約束の場所に現れなかった。 おなかの子もろとも私を捨てたくせに、今さら会いたいだなんて。 6年間、たったひとりで息子を産み育ててきたステラは、 千々に乱れる心を抱えたまま、テオに会う。 どんなにつらくても、彼を恨むことはできなかったから……。 そして、あの運命の夜の、恐ろしい秘密を知ったのだった。 感動のラブストーリーで多くのファンを魅了している大スター作家、R・ウインターズの再会ロマンスです。あの夜、テオが現れなかった衝撃の理由とは……? ご期待ください。
受話器の向こうから聞こえてきたのは、12年間、 レイチェルがかたときも忘れたことのない声だった。 「トリスという名前に心あたりがありますか?」 トリスーー豪華客船の旅で惹かれ合い、愛を誓ったのに、 消息が知れなくなった大富豪の御曹司。成就しなかった恋。 弄ばれたという現実を受けいれるのにどれほど時間がかかったか。 つきまとう過去の痛みは、いまなお胸の奥でくすぶっている……。 だがトリスは、レイチェルを捨てたくて捨てたわけではなかった。 あのあと事故で彼女の記憶のすべてを失っていたのだ。
21歳のランツァは幼なじみの婚約者を事故で失った。親が決めた結婚から解放され、心の中で密かに安堵していたある日、運命は再び強いられる。亡き許婚の兄ステファノと結婚しろというのだ。しょせん、私は政略結婚の道具。自由に生きる権利はないのね…。病を患う父を喜ばせたい一心で、ランツァはその命令に従った。1年後、結婚式でようやくまともに顔を合わせたステファノは、昔と変わらぬ端整な容貌に大人の魅力をまとい、眩しいくらいだった。そう、ランツァは幼き日から、本当はこの兄のほうが好きだったのだ。だが、人知れず頬を染めるランツァに、ステファノは事務的に告げた。これはあくまでも形だけの結婚で、寝室は別だと。
ケリーは失意を胸に、ギリシアから祖国アメリカに戻った。 2年前、大富豪のレアンドロスに嫁いだ日から、 いつか別れることになるのはわかっていた。 彼の心はずっと、別の女性のものだったのだから……。 赤ちゃんができれば変わるかもしれないと思っていたが、 ケリーの体に問題があるのか、なかなか授からない。 私は彼に愛されることも、ふさわしい妻になることもできないのね……。 ついに離婚の申し立てをしたケリーに、 予想外の展開が訪れる。 彼女のお腹には、レアンドロスとの間にできた双子が宿っていたのだ。 喜びに打ち震えながらも、脳裏には夫が愛する女性のことが浮かび……。 “大きな愛で読む者の心を潤す”と評される大スター作家といえばレベッカ・ウインターズ。妊娠を告げるため、ふたたびギリシアを訪れると、なぜか夫は彼女を帰すまいとして別荘へ連れていき……。
「いいえ! 先生とベッドを共にしたことなど一度もありません」 恩師であるミゲルの離婚調停の証人台に立ったニッキーは、 彼との関係を否定しつつも、いまにも胸が張り裂けそうだった。 本当にミゲルの恋人だったら、どんなに嬉しかっただろう。 いつか彼に抱かれる日を夢見てきたが、妹以上にはなれなかった。 ついに離婚は成立し、ミゲルは独りになったものの、 つきまとう痛みに耐えきれず、ニッキーは彼のもとを去った。 すべてを忘れ、新たな人生を歩むためにーー ところがある日、突然ミゲルが彼女の前に姿を現した。
オフィス清掃のアルバイトをしている苦学生のサマンサは、ある朝、その企業を経営する実業家パーシアスから呼び出しを受けた。昨夜、社長室から大切なメモが紛失した責任を取れという。サマンサが、紙くずと間違えて掃除してしまったと謝ると、パーシアスはまさかの取り引きを持ちかけてきた。彼の名目上の新婦となって故郷のギリシアについてくるなら、処分は見送り、さらに願いを3つ叶えてやろうというのだ!彼はわたしを使って、復縁を望む元婚約者を追い払いたいだけ。でも、死んだ母さんのためにお墓を建ててあげたい。それに、ギリシア神のように美しい彼のそばにいられるなら…。
継父に虐げられ、両親の死後は施設で育ったケイトが、実は大物実業家の隠し子だと判明。以来、後見人である異母兄のもとで暮らしているが、訳あって事実を公表できず、世間には兄の恋人と思われていた。そんななか、妖しい魅力の大富豪ダミアンと出会う。18歳というケイトの若さに目をつけた彼は、獲物を略奪するのを楽しむように、誘惑の魔手を伸ばすー(C.モーティマー『秘密の味』)。未婚の母アンドレアは、雇い主の息子で今や銀行頭取となったマックスへの愛を忘れたことはない。かつて幼子を育てることを優先し、彼の好意に応えられずにいるうち、彼の興味は別の女性に移ってしまった…。今、雇い主を命の危機から救うため、彼女は勇気を出して、マックスに電話をかけたー(R.ウインターズ『眠りから覚めた恋』)。愛の夢がつまった5話収録のアンソロジー!