ジャンル : 外国の小説
1941年、ハワイで起きた白人男性と日本人女性の惨殺事件。容疑者を追う米国人の刑事は、辿り着いた香港で太平洋戦争の勃発に遭遇するーー戦禍の太平洋諸国で真相を追い求める男の彷徨を描くエドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)最優秀長篇賞受賞の大作
新発明『第四のガソリン』を巡る争奪戦。跳梁跋扈する怪盗〈梟〉とは何者なのか? 〈ジェフェリー・ブラックバーン〉シリーズの長編第四作を初邦訳! 暗闇に踊る梟 訳者あとがき 解説 二階堂黎人
寄宿学校を恐怖に陥れる怪事件の数々。散り行く命は〈アバドン〉への供物なのか? 陰鬱な連続怪死事件にロンドン警視庁のダン・パードウ警部が挑む! アバドンの水晶 訳者あとがき 解説 三門優祐
《遠のく女にわたしは訊いてみたかった。 これからわたしはどこへ行くべきか、どこへ向かうべきなのかーー。》 傷つきながらも声をあげられずにいる人、社会から見捨てられた人たちへの、“同感”のまなざしが光る珠玉の短篇集。 米国に養子に出され、十五年ぶりに一時帰国した十九歳の〈きみ〉、結婚移民としてウズベキスタンから渡韓した高麗人三世の〈彼女〉、父の家庭内暴力の跡をからだじゅうに残している〈わたし〉--。 癒えない傷を抱えた人の心を繊細に描き、世代を超えて支持される七篇の中短篇。 「韓国人男性が女性にやさしいのは知ってるわ。韓国ドラマを毎日観てるから。これからはうちの姉も韓国人よね。だから韓国の男の人が韓国人女性に接するように、同じように大事にしてあげてね。お義兄さんに望むのはそれだけ」 「韓国人と結婚したからって韓国人になれるわけではないってことを、わたしもわからなかった。たとえ運良く韓国籍を取得したとしても、わたしは端から何者にもなれない境界線に佇む人間でしかないの。結局、わたしも父も、同じ列車に乗っていたってわけね。つまり……目的地を持たない貨物列車はいまなお走り続けているのよ。わたしは身ひとつで、行き先もわからない列車の中から外を眺めているだけ」 天使たちの都市 そして、一週間 インタビュー 消えた影 背後に 記念写真 女に道を訊く 作家のことば 日本の読者の皆さんへの手紙 訳者あとがき
シリーズ累計・世界数千万部ファンタジー「ドラゴンランス」の待望の前日譚を初邦訳! 陽気で人望ある屈強な双子の兄キャラモンとは対照的に、頭脳明晰だが虚弱で〈陰険男〉と呼ばれた弟レイストリン。 双子は傭兵となり、兄は戦士へ、弟は魔術師へと本格的に歩みだすが、彼らの姉は次第に闇へと接近していくーー 「たった数日で、人生が様変わりしてしまった! 丈夫な体で、自信を持ってここ〈上位魔法の塔〉には立ち入った。出ていく今、弱りきって打ちのめされている。視覚は呪われ、体は虚弱だ。それでも、勝利を収めて出ていくんだ。魔法を手に出ていく。これを手に入れるためなら、魂だって差し出しただろう……」 命がけの試練である〈大審問〉を通過し、赤ローブ(中立)の魔術師として歩み出したレイストリン。肌は金色になり、ちょっとした魔法を使用するだけですぐに咳き込んで倒れ込む脆弱な肉体となり、全ての者が老いさらばえていく姿に見える呪いを目に受けた彼と、陽気で屈強な兄とが、新たなる友であるハーフ・ケンダーの〈寸借屋〉らとともに傭兵として成長、活躍していく姿を描く第3巻。 一方、双子の異父姉であるキティアラは、〈暗黒の女王〉タキシスの降臨をもくろむ邪悪なドラゴン軍へと接近し、その最高司令官であるアリアカスからある重大な試練を受けることになり…… ※本書は、電子書籍で刊行中の下記『【合本版】ドラゴンランス 全25巻』には含まれていない、新規邦訳作品です。
それは過酷な戦場の中で、若き日の純真さが失われていく物語…… 街を包囲する邪悪なドラゴン軍ーーその友軍の傭兵となった双子(魔術師レイストリンと戦士キャラモン)、〈寸借屋〉のとった選択とは? 一方、双子の異父姉キティアラもまた、ある場所で重大な魂の選択を迫られる…… 若き日の双子、その異父姉の得たもの、失ったものを描く、壮大なるドラゴンランス前日譚の完結編! ホープス・エンドの街に、アリアカスの配下であるコロス(ゴブリン族の血を引く将官)が率いる、邪悪なドラゴン軍の厳しい包囲網が迫るーー残酷極まりない略奪と隷属化を受け入れての降伏か、あるいは死かーーそんな中、ドラゴン軍の友軍の傭兵である若き魔術師レイストリンは、自分と兄を救うために理想を捨てなければならない…… こうしてレストリンと双子の兄キャラモンが傭兵として訓練され、成長をしていく一方で、また違う場所では、戦いの熱気の中、また別の魂が鍛えられていたーー双子の異父姉、キティアラ・ウス=マタールの魂が。 その後に勃発する〈竜槍(ドラゴンランス)戦争〉に重大な影響をもたらすある宝を守る「パラダインの神殿」の守護者と出会った彼女が選択した、もう1つの道……こうして今、未来のドラゴン卿が誕生する! 壮大なる冒険譚「レイストリン戦記」を締めくくる完結編。 ※本書は、電子書籍で刊行中の下記『【合本版】ドラゴンランス 全25巻』には含まれていない、新規邦訳作品です。
地球を憂う少年の心を、亡き母の愛が解き放つ。科学と情感が融合する傑作。パパ、この惑星に僕の居場所はないの? 地球外生命の可能性を探る研究者の男、その幼い息子は絶滅に瀕する動物たちの悲惨に寄り添い苦しんでいた。男は彼をある実験に参加させる。MRIの中で亡き母の面影に出会った少年は、驚くほどの聡明さを発揮し始めーー現代科学の最前線から描かれる、21世紀の「アルジャーノン」。
理想と現実に引き裂かれる曖昧なる人間の愚かさを見つめ、キリスト教社会の欺瞞、西欧社会の偽善を炙り出すーー『白鯨』の著者メルヴィルが世界の破滅絵図【ピクチュアレスク】として描いた大長編の問題作。全二十六の書のうち、イザベル登場によりピェールの反逆の人生の火蓋が切られる〈第十二の書〉までを収録。
理想と現実に引き裂かれる曖昧なる人間の愚かさを見つめ、キリスト教社会の欺瞞、西欧社会の偽善を炙り出すーー『白鯨』の著者メルヴィルが世界の破滅絵図【ピクチュアレスク】として描いた大長編の問題作。故郷からの旅立ち、作家への道と破天荒な人生行路が待ち受ける〈第十三の書〉から〈第二十六の書〉までを収録。
舞台はゴールドラッシュに沸く一九世紀ニュージーランド。隠者の死、娼婦の悲劇、金鉱掘りの失踪…。事件の真相を求める一二人の男たちの会合に新参者が闖入し、輝く者たちは運命の天球を廻りはじめる。鏤められた手がかりが加速度的に繋ぎ合わされ、緊張ののち全ての謎が解きほどかれる、超大作ミステリー。二〇一三年ブッカー賞受賞。
いつだって、何度だって、きっと〈情熱〉は取り戻せる! 極度の人嫌いからママ友とも一切関わりをもたず、出不精で、買い物も何もかもぜ〜んぶバーチャル秘書まかせ! そんな破天荒でメチャクチャなママが、ある日、こつ然といなくなっちゃった!? シアトルの高級住宅地に暮らす専業主婦のバーナデットは、世界的IT企業で活躍する夫・エルジンと、学校では常に成績トップクラスの15歳の娘・ビーとともに、一見恵まれた日々を送っていた。かつての夢を諦めたことさえ除けば…… バーナデットのあまりに突飛な行動の数々に笑わされながら最後まで読んだ時、かつて諦めた夢への第一歩を踏み出す勇気をくれる、そんな一冊である。 2019年、ケイト・ブランシェット主演により映画が公開された(制作:アメリカ)。 原書:Where'd you go, Bernadette 1. ママvs.ブヨ軍団 2. バーナデット 過去と現在 3. 社会への脅威 4. 侵入者 5. 危機は過ぎ去った 6. 白い大陸 7. ぼくにげちゃうよ 謝辞 訳者あとがき
「--オレはお前のことを 友達だなんて思ったことない」 大学の映画科で学んでいるサードは、 イケメンでプレイボーイなカイと親友同士。 強引なカイに振り回されることもあるけれど、 何をするにも一緒の大切な存在だった。 しかし、サードには誰にも言えない秘密がある。 それはーー 出会った頃からずっと、カイに恋をしていること。 恋人や遊び相手が途絶えないカイの恋愛相談を聞きながら、 “ 親友”という近いようで遠い距離に一喜一憂する日々。 そんな中、突然カイの態度が恋人に接するかのように甘くなって…!?
本邦初訳のノーベル文学賞受賞記念講演を収録! クッツェーが南アフリカからオーストラリアへ移住して、ノーベル文学賞を受賞した時期に書かれた珠玉の3篇。 「スペインの家」:それまでの暮らしに別れを告げて国外に移り住む心づもりを、皮肉とユーモアを交えて描く。 「ニートフェルローレン」:幼い頃から暮らした土地への〈失われない〉愛と惜別の思いが滲むと同時に、解放後の南アフリカが経済的には理想と異なる方向へ進んでいくことへの失意が、喪失感とともに語られる。 「彼とその従者」:かつてはイギリスの植民地だった土地で生まれ、英語を第一言語として育ち、英語で作品を書くクッツェーが、ロビンソン・クルーソーの物語と自身の体験を寓意に織りこんだノーベル文学賞受賞記念講演。2003年12月、ストックホルムでクッツェーはこの講演を行ない、聴衆を大いなる疑問符のなかへ置き去りにした。その全文を、日本の読者に初めて紹介する。
大ヒット台湾BLドラマ「HIStory」シリーズの脚本家が手掛ける、待望の台湾BL新シリーズ『We Best Love』ノベライズ日本語版。成績1位の天才型英才と、彼のせいでいつも「万年2位」の努力型秀才の胸キュンラブストーリー。ドラマのスチール写真口絵8ページ付き。
薔薇の棘のような彼の心に触れ、 わたしの指に血がにじむ……。 父が急逝し、ルーシーは長年住み慣れた領主館を離れようとしていた。 館を維持する財力はなく、継母と弟妹の面倒も見なければならない。 領主館は、アメリカ人のいとこ、ソールが相続することになっている。 じつはルーシーは12年前に彼に会ったことがあったが、当時、 子供ゆえの幼さで意地悪をしてしまい、それをずっと後悔してきた。 再会したソールは今や、いくつもの企業を切り回す大富豪となっていた。 ルーシーは美しい黒髪の彼に魅了され、大いに心を揺さぶられた。 しかし、二人のあいだのしこりは消えてはいなかったーー ソールは彼女に領主館から一秒も早く出ていけと言わんばかりに、 軽蔑のまなざしと辛辣な言葉以外、微笑み一つ向けてはくれなくて……。 イギリスを代表するロマンスの巨匠ペニー・ジョーダンが描くのは、素直になれず冷たい仮面をかぶりながら、その下では熱いハートを燃やす男女の物語。本作でも、過去のわだかまりを抱えた主人公たちの、はらはらするようなロマンスが繰り広げられます!
クリスマスに私の愛する子爵が帰ってきた! でも頼まれたのは、彼のための花嫁選び。 アンナ・リーゼははっきり言って、幸せではなかった。 初めは母、続いて父も亡くし、継母と継妹にうとまれながらの日々。 話し相手になってくれるのは、仲良しのがちょうだけ。 そこへ、20年近く離れ離れだった幼なじみ、ピーターが帰ってきた。 片想いの相手は、ハンサムで魅力的なクリバートン子爵へと成長していた。 アンナ・リーゼはうれしかったけれど、自分の服を見て涙をこらえた。 こんなみすぼらしい格好とあかぎれの手で、ピーターには会えない。 子爵はクリスマスに舞踏会を開き、そこで花嫁選びをするのだという。 継母と継妹は興奮するが、アンナ・リーゼは愛する人の選択が悲しかった。 私はピーターにとって永遠に幼なじみ。彼の花嫁にはなれないのね……。 また一人、才能あふれる作家が日本デビューを飾りました! ヒロインは20年ぶりに再会した子爵ヒーローと旧交を温め、彼に深く恋するようになります。問題は、子爵が彼女に恋をしていないこと。友情がいつ真実の愛へ変わるのか、その瞬間をお見逃しなく!
貧しくも心やさしい娘アンジェラのもとへある日、隣の伯爵家の跡継ぎダヴェントリ卿が訪ねてきた。かつて英国一の美男子と謳われたこともある彼は、戦場で醜い傷を負ってからというもの、仮面で顔を覆い隠していた。そうやって隠遁生活を送る彼を、村人は“悪魔卿”と呼んで恐れた。そのダヴェントリ卿が、私にいったいなんの用かしら?アンジェラが恐る恐る尋ねると、彼は重い口を開いた。「妻になってくれとは言わない。わたしの婚約者になってほしい」彼の余命幾ばくもない祖父を喜ばせるための、偽りの婚約。アンジェラは承諾したー心を閉ざした彼に恋してしまうとも知らず。
愛なき情熱と知ったあとに、 小さな命を身ごもった……。 二十歳のタリーはパーティで出会った美しきギリシア人男性に惹かれた。 海運王を父に持つ将来有望な投資家のプレイボーイ、サンダー。 タリーはといえば、古風な乳母に育てられ、恋愛経験は皆無だった。 このパーティには妹のつき添いとしてやってきたけれど、 妹に使用人扱いされているような私を、サンダーはどう思うかしら? 彼の目はしかし、タリーを明らかに女性として賞賛しているようだ。 本当の相手が見つかるまでは独りでいいと考えていたけれど、 胸が痛いほどのこの情熱を、今こそ解き放ってもいいのでは? タリーは誘惑されるまま、サンダーに純潔を捧げたーーまさにその瞬間、 彼がはたと気づき、吐き捨てた。「初めてなのか? 何を企んでいる!」 純真なヒロインが初めて恋した相手は、刹那的な関係しか求めない世慣れたヒーローでした。誘惑は情熱的、それでいて心は冷淡な彼。サンダーの思わぬ怒りの反応に傷ついたタリーが家に帰ると、彼から薔薇の花束とディナーの誘いのカードが届いて再び翻弄され……。