ジャンル : 外国の小説
1933年ベルリン、ナチスに招かれた米国人作家。1936年パリ、焚書された本の図書館員。1943年ニューヨーク、兵隊文庫の図書審議会員。時と国を超え、迫害された本を救うためにつながる三人の女性。本を愛するすべての人に贈るシスターフッド&ビブリオ歴史小説。
姉妹はいつだって手を握りあっていたーあの事件が起こるまでは。アメリカ、アラバマ州の小さな町グレイス。嵐が近づきつつあるこの町でかつて起こった連続少女誘拐事件は、未だ真犯人が捕まらず、捜査は暗礁に乗り上げていた。そして1995年5月26日の夜、また一人の少女が失踪した。彼女の名前はサマー・ライアン。町の誰からも愛される彼女が、“ごめんなさい”と一言だけ書いた紙を残していなくなってしまったのだ。警察は単なる家出だと判断したが、サマーの双子の妹レインはそうは思わなかった。レインはサマーとは対照的な不良少女だが、誰よりもサマーのことを愛していた。サマーがレインを置いていなくなるはずがない。レインは捜索を始めるが、その中で彼女は、自分の知らない姉の姿を知ることになるー。
「若い男」-30歳近く年下の男との恋愛にのめり込む「私」。彼の若さがもたらす快楽を味わい、その激しい嫉妬を悦ぶ。二人の欲望は高まり、やがて…。「もうひとりの娘」-親の愛を独占できる一人っ子だと思い込んでいた幼い頃の「私」。だが、自分が生まれる前に亡くなった姉がいたことを盗み聞きしてしまう。姉の影は「私」の人生につきまとい…。個人的な記憶を掘り起こしながら、社会的な抑圧と不平等を明らかにし、2022年にノーベル文学賞を受賞したアニー・エルノー。その半世紀にわたる作家活動の精華を示す作品集。
おのれを「正常」だと信じ続ける強制収容所の司令官、司令官の妻と不倫する将校、死体処理班として生き延びるユダヤ人。おぞましい殺戮を前に露わになる人間の本質を、英国を代表する作家が皮肉とともに描いた傑作。2024年アカデミー賞国際長編映画賞受賞原作
ライカを手に変わりゆく台湾を写し続けたひとりの写真家がいた。日本統治時代の台湾に生まれ、法政大学カメラ部でライカと出会った南光ことトウ騰輝。モダン都市・東京と戦争と戦後の動乱、台湾写真史を鮮やかに描きだす。巻末に南光による写真12点を掲載。歴史小説の名手・朱和之が南光の残した写真をもとに、たぐいまれな想像力で写真家の人生と台湾写真史を描き出す。羅曼・羅蘭百萬小説賞受賞作。
20世紀ドイツ文学の記念碑的小説復刊!古代ローマの大詩人ウェルギリウスの死の直前の18時間を描いたヘルマン・ブロッホの畢生の大作。 詩人ウェルギリウスは、アテナイからローマへの帰国の途中ブルンディシウムの港で熱病に侵され、死の思いに耽り詩人としての自分に思い及び、やがて未完の大作『アエネーイス』についてある決断をすることに。現実と非現実、過去と現在と未来、意識と超意識が内的独白で融解していく。 1977年発行集英社版『世界の文学』に収録の同書名の復刊し、解説(原田義人)を追加。 第一部 水ー到着 第二部 火ー下降 解説 ヘルマン・ブロッホの『ヴェルギールの死』
20世紀ドイツ文学の記念碑的小説復刊!古代ローマの大詩人ウェルギリウスの死の直前18時間を描いたヘルマン・ブロッホの畢生の作。 詩人ウェルギリウスは自らの決断を友人たちに伝え、やがてそれを知った皇帝アウグストゥスが現れる。詩人と皇帝は芸術、詩、生と死について激しく語り合っていく。そしてついに肉体の死を迎える。オーストリア出身でユダヤ系の著者がナチスに拘禁された際の個人的な死の覚悟から、抒情的作品にまで発展させた大作。 1977年発行集英社版『世界の文学』に収録の同書名の復刊。 第3部 地ー期待 第4部 灝気ー帰郷 出典 訳者解説
王国の騎士による殺戮が繰り返されていたカマヴォール王国。カリスタはそんな悲劇の国を変えようとしていた。若い叔父のヴィエゴが王になったとき、彼女は忠実な軍司令官として、彼の破壊的な野心を抑えこむことを誓う。しかし、ヴィエゴの妻イゾルデが暗殺者の毒刃により不治の病に冒されてしまう。妻の病状が悪化するにつれ、狂気と悲しみに堕ちていくヴィエゴ。カリスタは王国を救うため、女王の救済が得られると噂される、失われた祝福の島を探すのだが、島は腐敗が進み、復讐に燃える管理人がカリスタを残酷な策略に陥れようとしていたー。カリスタ、ヴィエゴ、スレッシュ、ヘカリムを中心に、シャドウアイル誕生のきっかけとなった事件を描く前日譚。
「きみとの結婚はうまくいくと思う。 ぼくを愛するという間違いを犯さない限り」 シングルマザーのエメラルドは悩んでいた。 幼い息子の父親に、子どもの存在を打ち明けるべきかを。 何しろ、彼──コスタンディンは一国の王なのだから。 6年前、仕事先で知り合ったハンサムな王子との一夜限りの関係。 妊娠に気づいたときにはコスタンディンは国王に即位し、 王妃を迎えていた。けれど今、彼は離婚し、 しかもエメラルドの昔の職場でパーティーを開くらしい。 息子のことを伝えるなら今しかない! 再会したコスタンディンは、さらに魅力的になっていた。 冷静でいなければとわかっていても、ときめきを抑えられず……。 幼子を一目見た瞬間、自分にそっくりだと実感しつつも、罠にかけられたように感じたヒーロー。ヒロインははたして息子を父親に会わせることができるのかをハラハラしながら見守ってください! 大スター作家S・ケンドリックのシークレットベビー物語決定版。
王妃になっても幸せにはなれない。 彼が私の愛を拒み続けている限りは。 シドニーは30歳の誕生日に突然現れたハリールから求婚され、 動転した。学生時代、彼とは固い友情で結ばれていた。 引っ込み思案の彼女を異国の王子ハリールはいつも励まし、 勇気づけてくれた。やがて感謝の想いは恋心へと変わり、 5年前、王位継承のため帰国するハリールについに愛を告げた。 だがなぜか彼は冷たく拒絶し、絶縁を言い渡して去ったのだ。 まだあのときの傷さえ癒えていないのに……。 シドニーは求婚を一蹴するが、2週間だけ滞在してはと誘われ、 思わず心が揺れる──ハリールの密かな企みにも気づかずに。 大スター作家ダニー・コリンズ推しの方におすすめのスター作家、ジャッキー・アシェンデンが描く、ドキドキが止まらない熱いロイヤル・ロマンス! お互いが30歳になって独身なら結婚する──食卓のナプキンに走り書きした“誓約書”が本物になるなんて。
たとえどんなに傷つけられても、 この子だけは守ってみせる。 「きみは10万ドルで、バージンを売ったんだ」 最愛の人から刃のような言葉と小切手を投げつけられ、 レティは凍りついた。やはり彼は私を許してはいなかった……。 10年前、彼女はギリシア富豪ダレイオスと駆け落ちを誓ったが、 直前に反故にしたのだった。ずっと音信不通だった彼が突然現れ、 夢にまで見た情熱の一夜を過ごしたというのに、こんな手ひどい 仕打ちを受けるなんて。みじめに捨てられた貧しいレティは、 数週間後、ダレイオスの子を身ごもったことに気づいた。 この子を守りたい。あの日、彼を守ったように── レティは真実を伝えるため、ダレイオスのもとへ向かった。 ドラマティックな展開と健気なヒロインを描いて人気のジェニー・ルーカス。彼女の魅力が詰まった珠玉のロマンスをお届けします。父を養うため、ウエイトレスとして働くヒロイン。妊娠を知ったヒーローから、父との絶縁が条件の便宜結婚を申し込まれて……。
どんなに大金を積まれても、息子は渡せない! 断れば、愛なき結婚に甘んじるほかなく……。 誕生日の夜、コルテスと名乗る黒髪の男性にひと目で惹かれ、 純潔を捧げたエリン。だが翌朝、彼は消えていた。 1年後、養父が亡くなり無一文になったエリンのもとに、 コルテスが現れ、裕福なスペインの銀行家だと明かす。 黒髪に黒い目、そして瞳には金色の斑点ーー 彼が消えたあと、必死に産み育ててきた息子ハリーと同じ。 「あなたの子よ」溢れる想いとともに告げたエリンの言葉を、 コルテスは信じないばかりか、彼女を金目当てと決めつけた。 だが後日、DNA鑑定でハリーが我が子だと知るや彼は言った。 「1000万ポンドで、息子の監護権を買いたい」 大人気のシークレットベビー物語をお贈りします。USAトゥデイのベストセラー作家シャンテル・ショーが描く、無垢なヒロインの恋心を翻弄する傲慢なスペイン富豪ヒーローが登場する今作は、大スター作家ダイアナ・パーマー好きなあなたに特におすすめです!
天使になった愛する彼のために、 この子に彼の名前をつけよう……。 ブリストルはウェイトレスのアルバイトをしていたとき、 精悍でセクシーな男性客クープことララミー・クーパーと恋に落ちた。 たった3夜でも、彼と過ごした時間は一生忘れられない思い出となったが、 赤ちゃんができたとわかって彼に送った手紙は戻ってきてしまった。 彼女が衝撃の事実を耳にしたのは、それからしばらくしてからのこと。 クープが任務中に死んだという悲しすぎる知らせだった……。 3年後、ブリストルは天国の父にちなんでララミー・クーパーと名づけた 幼い息子を育て、母である彼女自身も改姓してクーパーとなっていた。 それで問題ないはずだったーー死んだはずのクープが現れるまでは。 彼は生きていた! そして言った。「きみはなぜ俺の姓を名乗っている?」 ニューヨークタイムズのベストセラー作家ブレンダ・ジャクソンがHQイマージュに登場! 読者から圧倒的な支持を得ているドラマティックで読み応え充分なシークレットベビー物語です。
それはローナが新たな人生に踏み出した矢先の交通事故だった。子宮外妊娠で第一子を失い、すれ違いから夫ジェイムズとも別れて以来、いつか大切な命を産みたいと、おなかの痛みにも耐えてきた。10年が過ぎた今、ようやく子供をあきらめて手術を受ける決心をし、故郷を離れてロンドンで暮らそうとしていたところだったのだ。病院に運ばれ、病室で意識を取り戻した彼女の耳に懐かしい声が届く。「ローナ…」ああ、なんてこと。ここはジェイムズの病院!思わぬ再会後、やがて快復したローナは、彼と一緒に働くことになる。その前に過去のわだかまりを解くように、二人は一夜を共にした。ローナは彼の腕の中で、じきに手術で子を望めなくなる切なさに震えた。
運河の町で恋をした。 思っていたのとまったく違う人に。 派遣看護師のコンスタンシアは仕事先のオランダで、 イエルン・ファン・デル・ヒーセンという医師と出会った。 年上のドクターは優しく穏やかで、笑顔がすてきな男性だ。 一緒にいると心が安らぎ、いつしか彼女は恋に落ちていた。 人づてに聞いた話では、彼は決して裕福ではないようだけれど、 コンスタンシアはむしろそのほうがいいと思っていた。 これまでに会ったお金持ちは皆、心が貧しく不幸な人ばかりだった。 お金なんてなくていい。ささやかな幸せのほうが大切なのだから、と。 しかし、コンスタンシアはまだ知らなかった。 まさかドクターが本当は、お金持ちの男爵だったとは……。 オランダの雇い主にくびにされたコンスタンシアが荷物を持って街を歩いていると、気づかない間にパスポートや所持金の入ったバッグを盗まれてしまいます。途方に暮れているところへ現れたのは、彼女が密かに心を寄せるドクター・ファン・デル・ヒーセンで……。