小説むすび | ジャンル : 外国の小説

ジャンル : 外国の小説

一〇の国旗の下で 満洲に生きたラトヴィア人一〇の国旗の下で 満洲に生きたラトヴィア人

満洲に生まれ育ったラトヴィア人が描く グローバルな満洲史 ハルビンは十九世紀末の建都以来、およそ半世紀の間に、目まぐるしく支配者を替え、それとともに様々な民族が出入りし、多民族のるつぼが描き出す町の絵柄も変わっていった。そのすべてをハルビンに生きて自ら経験したからこそ、カッタイスは自分の上に「一〇の国旗」がはためくのを目撃するという歴史の稀有の証人になったのだった。(沼野充義) 満洲と呼ばれた、二度と繰り返されることのない地球のすばらしい一郭に運命に引き寄せられた中国人、ロシア人、日本人、朝鮮人、ユダヤ人、タタール人、ポーランド人、そしてラトヴィア人とが、寄り添うように生きた日々を書いたにすぎない。……下世話な話ばかりで真面目さに欠けると言われるなら、それも仕方があるまい、フランス語ならケセラセラと言うところだ。世界の波に揺られる人間の営みは、万事ろくでもない勘違いかもしれないのだから。(カッタイス「あとがきにかえて」より) ******** 【目次】 第一の旗 ブヘドゥ ハルビンへ 第二の旗の下 第三の旗 第四と第五の旗 第六と第七の旗 いざ進学 働きだす 清水学長の追放 日本の降伏 早くも第八の旗、ソ連軍にて 東洋経済学部 人生九番目の旗 あとがきにかえて ハルビンという民族のるつぼでーー二度と繰り返されることのない地球のすばらしい一郭 沼野充義 訳者あとがき 第一の旗 ブヘドゥ ハルビンへ 第二の旗の下 第三の旗 第四と第五の旗 第六と第七の旗 いざ進学 働きだす 清水学長の追放 日本の降伏 早くも第八の旗、ソ連軍にて 東洋経済学部 人生九番目の旗 あとがきにかえて ハルビンという民族のるつぼでーー二度と繰り返されることのない地球のすばらしい一郭 沼野充義 訳者あとがき

物語ることの反撃物語ることの反撃

2023年12月、イスラエル軍の空爆によって命を落としたパレスチナの詩人、リフアト・アルアライール。忘却に抗うため、そして想像力によってあたらしい現実を立ち上げるため、彼が私たちに届けた、23の反撃の物語。 【目次】 わたしが死なねばならないとしても  リフアト・アルアライール アリー・アブーニァマによる序文    編者による序文    用語解説    Lは生命(ライフ)のL  ハナーン・ハバシー 戦争のある一日  ムハンマド・スリーマーン 助かって  ラワーン・ヤーギー カナリア  ヌール・アル= スースィ 土地の物語  サーラ・アリー ガザで歯が痛い サミーハ・エルワーン 僕は果たして出られるのか? ヌール・アル=スースィ ある壁  ラワーン・ヤーギー  不眠症への願い  ヌール・エル・ボルノ    包み  ムハンマド・スリーマーン    ひと粒の雨のこと  リフアト・アルアライール    撃つときはちゃんと殺して  ジーハーン・アルファッラ オマル・X  ユーセフ・アルジャマール  我々は帰還する  ムハンマド・スリーマーン 下から  ラワーン・ヤーギー    十五分だけ  ワファー・アブー・アル= コンボズ    家  リフアト・アルアライール ネバーランド  タスニーム・ハンムーダ  あっというまに失って  イルハーム・ヒッリース    ぼくのパンなんだ  タスニーム・ハンムーダ    かつて、夜明けに  シャフド・アワダッラー  老人と石  リフアト・アルアライール  傷痕  アーヤ・ラバフ    作者たち    謝辞  訳者あとがき    解説  岡真理

【POD】灯台へ【POD】灯台へ

■注意事項 本書は、1930年代に翻訳されたヴァージニア・ウルフ『灯台へ』日本初訳の復刊書です。 全訳ではなく第2部・第3部のみの抄訳で、本文には異体字・旧仮名遣いが多く含まれます。 復刊にあたり、編者の判断でルビや注を附しています。 ■推薦コメント 100年前『灯台へ』と、ひとり船出した早逝の詩人がいた! 忘れられた翻訳が海神のように甦る。 テンポ、リズム、緻密で洗練された語彙。 輝ける訳業に心揺さぶられます。 日本にウルフ文学をもたらした葛川訳の発掘! *森山恵(詩人・翻訳家) もっと長くここにいたい、この翻訳に終わってほしくない。一行ごとに扉がひらき、百年前の日本語が燈台の光を点滅させる。 「あ ここにゐたのだつけ」 ーー私の意識の波打ち際に、誰のものかわからない記憶が押し寄せてくる。 *斎藤真理子(韓国文学翻訳家) ■内容紹介 20世紀モダニズム、そしてフェミニズムを象徴する作家であるヴァージニア・ウルフ。1927年にその代表作『灯台へ』が刊行されてからわずか4年後に、日本で初めて翻訳されたテキストを復刊しました。 訳者は葛川篤(くずかわ・あつし)。銀行員として働きながら、伊藤整や春山行夫といった昭和モダニズム文学の牽引者とともに翻訳に取り組み、32歳で病死しました。  舞台は20世紀前半のスコットランドの、とある海辺の別荘。哲学者のラムジー夫妻と8人の子どもたちのもとへ、賑やかな来客が訪ねてきます。語りの視点が目まぐるしく移り変わり、かれらの動きや考え、思い出を次々と描く手法は、文章芸術史においては「意識の流れ」と呼ばれ、高く評価されてきました。  葛川篤が訳したのは、第二部「時は過ぎ行く」と第三部「燈台」です。第一部から10年という歳月が経ち、ラムジー夫人が亡くなったあと、残された父ラムジー氏と子供たちが「灯台」へたどり着くまでの顛末が語られます。奇抜なエピソードや驚くべき事件はほとんど起きないにも関わらず、まるで私たち読者に過ぎ去る時間の豊かさを追体験させてくれるかのような作品です。  葛川篤は、伊藤整や春山行夫らとともに、『詩と詩論』『新文学』などの雑誌を自主制作し、数多くの小説・詩歌・戯曲・評論を翻訳していました。かれらは、インターネットや機械翻訳どころか、テレビや電話、飛行機さえ広まっていなかった時代に、海外の先端的なクリエイターを日本へ熱心に紹介しようとした「ベンチャー精神」の持ち主だったのかもしれません。そんな葛川の手がけた訳文(第2部、第3部)に加え、英文学者・小川公代さんによる解説文、文献調査にもとづく編者解説・年譜を収録しました。 ■目次 編者まえがき……小澤みゆき 第二部 時は流れゆく 第三部 燈台 解説……小川公代 編者解説……小澤みゆき 葛川篤年譜 ■書誌 著者:ヴァージニア・ウルフ 訳者:葛川篤 編者:小澤みゆき 企画・編集協力:笠井康平 解説:小川公代 推薦:森山恵、斎藤真理子 装幀・組版:太田知也 校正(「解説」「葛川篤年譜」):サワラギ校正部 ページ数:190ページ 判型:四六判並製 ■著者・訳者・編者紹介 ヴァージニア・ウルフ(1882-1941) イギリス・ロンドン生まれ。20世紀の世界文学を代表する作家。文芸批評や伝記で知られる知識人レズリー・スティーヴンを父に持ち、幼い頃から文学や音楽に親しむ。両親の死後、のちに「ブルームズベリー・グループ」と呼ばれる文化集団を兄弟姉妹やその友人たちとともに結成する。1912年にグループの仲間であるレナード・ウルフと結婚後、33歳で作家デビューし、「意識の流れ」を駆使したモダニズム作家として注目される。主著に『ダロウェイ夫人』(1925)、『灯台へ』(1927)、『波』(1931)などがある。小説のほかに『自分ひとりの部屋』(1929)『三ギニー』(1938)をはじめとする評論・エッセイでも知られる。1917年にはレナードとともに出版社「ホガース・プレス」を立ち上げた。心の病に生涯苦しみ、第2次世界大戦中に入水自殺で亡くなった。 葛川篤(1906-1938) 秋田県出身。東京商科大学(現:一橋大学)の本科在籍中に文芸同人誌「一橋文藝」の立ち上げに参加。ヴェルレーヌやエドガー・アラン・ポー、スタンダールなどを精力的に訳した。卒業後は、川崎貯蓄銀行に勤めながら、「詩と詩論」「新文學研究」などで、英語・フランス語圏の小説、評論を翻訳した。日本初訳となるヴァージニア・ウルフ『灯台へ』抄訳(1930-1931)のほか、プルースト『失われた時を求めて』(部分訳、1930-1931)や、アンドレ・ジッド『贋金づくり』(伊藤整との共訳、1935)なども手がけた。20代後半より結核を患い、秋田市内で療養中に32歳の生涯を閉じた。

ブリクセン/ディネセンについての小さな本ブリクセン/ディネセンについての小さな本

Karen Blixenカレン・ブリクセン/Isak Dinesenイサク・ディネセンという主に二つの作家名で知られ、デンマーク語と英語の二言語で書いた女性作家についてのブック・ガイド。  『アフリカの日々』や『冬の物語』、『七つのゴシック物語』をはじめとする作品には何が描かれていたのか? ヘミングウェイに、自分よりもノーベル文学賞を受賞するのにふさわしいと言わしめたデンマークが誇るストーリーテラーは、どんな人生を送ったのか?  男性のようにズボンを穿き、自動車を運転し、ライオン狩りに行き、離婚し、自立し、外国で初めて真に成功したデンマーク人女性作家として強い女性のロールモデルとされながら、実は『バベットの晩餐会』の世界観に見られる敬虔なキリスト教家庭で培われた古い北欧的な人生観の持ち主だった彼女は、女性運動やフェミニズムに対し、どんな立ち位置にあったのか?   元ブリクセン博物館ガイドで、現在デンマークを代表する出版社で編集長を務める著者による、文学への情熱ほとばしる熱い解説で、難解といわれるブリクセン/ディネセン文学がたちまち親しみやすく、身近になる!  ギーオウ・ブランデス賞受賞作。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 本文より 「『七つのゴシック物語』を読むのは、万華鏡をのぞくのに少し似ています。万華鏡を回したり、ひっくり返したりするたび、新たな模様が目に飛び込んでくるように、『七つのゴシック物語』を読むたび、様々な要素を持った新たな物語が生まれるのです」 「私はいまだに『七つのゴシック物語』のテキストが実際に何を意味しているのかを説明できる人物に出会ったことが一度もありません。それはこの作品が互いに矛盾する意味同士が連なる万華鏡のようだからです」 「(ブリクセン/ディネセンの作品の)登場人物は、何らかの形で罪を犯すことで初めて完全な人間になれるのです。彼らは人生の光と影の両方を知らなくてはなりません。(中略)愛の二つの側面ーー甘美な面と残忍で猛々しく暴力的な面をも体験しなくては、愛が何であるかを完全に理解することはできません。愛は時に危険で破壊的である一方で、美しく生きる力を与えてくれることもあります。ストーリーテラーは彼の行いに審判を下すことなく、その行動がどこに導かれるかをただ見守るのです」

星の王子さま88星座巡礼星の王子さま88星座巡礼

『星の王子さま』ファン必見! サン=テグジュペリが仕掛けた謎かけやトリック、そしてミステリーを、ハレー彗星と星座の旅を舞台に解き明かしていきませんか?物語の奥深くに隠された秘密を、忠実な翻訳とともに探求し、道徳の本として読むだけでは気付けなかった宇宙の謎に迫ります。驚きの星座の冒険と共に、新しい視点で『星の王子さま』を再発見!読者を**「えぇっ!?」**と驚かせる、未知の楽しみ方を提案します。   本書は、サン=テグジュペリの『星の王子さま』に隠された謎を解いていく、もう一つの星の王子さまの物語。「小さな王子」を案内役に、この王子自身が1986年4月11日に地球に最接近したハレー彗星であることを示していく。サン=テグジュペリは子どもの頃からハレー彗星に魅了された作家で、『星の王子さま』によって、惑星や月や星座などの天体を案内役に利用して、さらにキリスト教の暦を利用して、1986年に回帰したハレー彗星の軌道を詳細に予告していたことを説明する。また同時に、『星の王子さま』の各章には、彗星の移動に合わせて隠された星座が配置されていることを解明していく。ハレー彗星は約76年かけて全天の88星座の方角を通りながら太陽に近づいていく。ハレー彗星の88星座の巡礼の旅を浮かび上がらせる。  著者はフランス語で書かれた原著の文章のニュアンスをていねいに読みとることで、より詳細に謎の読み解きを試みた。2点の前著の続編として、本書ではさらに星座、キリスト教との関連を示した。

光っていません光っていません

クラゲになることを選ぶ人。 木に変身した男。 冬眠する依頼人……。 ままならない日々を過ごす 私たちに起こる不思議な出来事。 読んだ瞬間から、自由になれる。 日常に解放感をもたらす、韓国発、8つの奇妙な物語! 事故で2年間植物状態になっている恋人を見舞い続ける“私”の前に、分身を名乗る幽霊が現れる。自分そっくりな幽霊が一向に姿を消さないため、“私”は仕方なく一緒に暮らし始めるが……(「幽霊の心で」)。人間をクラゲにしてしまう、変種のクラゲが大量発生する。社会に動揺が走るなか、音楽活動をやめた“私”は、自らクラゲになりたがる人をサポートする仕事につき……(「光っていません」)。所属している劇団が行き詰まり、仕方なく役割代行サービスをしている駆け出し俳優の“あたし”。誰かに代わって別れを告げたりニセの恋人になったりしているうち、ある男から、「冬眠の準備を手伝ってほしい」という依頼があり……(「冬眠する男」)。 閉塞感に満ちた日常に解放をもたらす、韓国発、8つの奇妙な物語!作家の言葉=イム・ソヌ/解説=倉本さおり ■収録作品 「幽霊の心で」 「光っていません」 「夏は水の光みたいに」 「見知らぬ夜に、私たちは」 「家に帰って寝なくちゃ」 「冬眠する男」 「アラスカではないけれど」 「カーテンコール、延長戦、ファイナルステージ」

牡猫ムルの人生観牡猫ムルの人生観

漱石の『吾輩は猫である』の原点と言われる 教養ある天才猫ムルが自らの人生を綴った奇書! 幻想文学の鬼才・ホフマン最大の問題作を 名手の翻訳で贈ります。 猫のムルは生まれたての子猫の時、稀代の知識人にして奇術師アブラハム氏によって、橋の下から拾いあげられ、大切に育てられた。アブラハム氏の家にいるあいだにムルは、氏が書き物をするそば近くに陣取って、読み書きを習得したのだった。そして、自らの人生を回想する原稿を書き始めたが、羽根ペンで書いては、近くにあった一冊の本、『楽長ヨハネス・クライスラーの伝記』のページをちぎり、吸取紙や下敷きとして原稿にはさんだのだった。いざ、原稿を出版する運びとなった折、印刷所が、はさまれた『クライスラー伝』をうっかりそのまま組み込んで印刷してしまったというのが、本書である。つまり、牡猫ムルが自らの人生を語っている文章のそこここに、音楽家クライスラーの伝記が、はさみ込まれているという二重構造の物語(二重小説)なのである。 猫が主人公の動物小説であり、怪奇小説であり、犯罪小説であり恋愛小説でもあるという贅沢なこの物語は、当初は全三巻を予定していたのだが、著者ホフマンの死によって、第二巻で未完のまま終わっている。訳者あとがき=酒寄進一

ジェリコの製本職人ジェリコの製本職人

吉田恵里香氏推薦!豪州発あの傑作の姉妹篇 「社会や環境、時に家族や出生時の性別が、ペギーの壁となり牙をむく。 弱き者にこそ味方となるべきものが敵となる社会で、どうしようもなく知識や学問に惹かれてしまうのは、これらが決して自分を裏切らないから。 それが、この物語が今の時代に必要である理由だと思う。」 ーー脚本家・吉田恵里香氏(連続テレビ小説『虎に翼』、アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』) 第一次世界大戦下の英国。オックスフォード大学出版局製本所で双子の妹とともに働く女工ペギーは、夜になると工場から密かに持ち帰った不良(ヤレ)本をむさぼるように読み、大学で学ぶことを夢見ていた。だが、労働階級の彼女にとって学問は決して手の届かない高嶺の花だ。 戦争は日に日に激化し、街にベルギー難民が押し寄せ、疫病が流行し、社会は変わっていく。ペギーは、障害のある妹への責任やベルギー負傷兵との恋に悩みながら、大学を目指すーー。 世界が恋した豪州発の傑作歴史小説『小さなことばたちの辞書』の姉妹篇が登場。前作同様オックスフォード大学出版局を舞台に、若く貧しい女工の挑戦、戦争と銃後のリアル、そして当時の製本工場を活写した紙の本への愛あふれる珠玉の物語。 【編集担当からのおすすめ情報】 本作はオーストラリア発のベストセラー小説『小さなことばたちの辞書』の姉妹篇です。前作では大辞典からこぼれ落ちた名も無き女性たちのことばを集めることに生涯を捧げた女性エズメが描かれましたが、本作では同じ時代のオックスフォード大学出版局を舞台に、製本所で働く女工ペギーの青春が描かれます。 幼い頃から父の勤める辞書編纂室に出入りしていたエズメとは異なり、両親はなく、運河に係留されたボートハウスに暮らし、製本所でも作業をしながらつい本を読んでしまい「あんたの仕事は製本することで、読むことじゃない」と叱られる労働階級のペギーは、そもそも学問へのアプローチすら許されない境遇にあります。 前作のキャラクターや同じエピソードも登場しますが、視点人物が異なることでこうも見え方が変わるのかと気づかされることもあります。そういう意味では、本作は『小さなことばたちの辞書』のサイドBの形を取りながら、「持たざる者」側を描いた作品とも言えます。他方でフェミニズム、シスターフッド、戦争といったテーマは前作からも引き継がれ、同様の感動を味わえる傑作小説となっています。 そして本作のもうひとつの大きな魅力は、何と言っても100年以上前の、ほぼすべてが手作業で行われていた製本工場の描写です。紙を折る、重ねる、縫い合わせるーー当時の製本工程が、著者の入念な取材によってリアルに再現され、製本に関わる全ての人々へのリスペクトと、紙の本への愛があふれています。 様々な魅力を持つ小説です。前作と合わせてぜひお楽しみください。

祭壇に捨てられた花嫁祭壇に捨てられた花嫁

私を祭壇に置き去りにした憎い人。 なのに愛さずにはいられなくて……。 結婚式当日、花婿のイタリア富豪ヴィトは現れなかった── 伯父に強いられた政略結婚で、彼のことはよく知らないけれど、 いくらなんでも酷すぎるわ! フローラはドレス姿のまま、 彼のオフィスに押しかけた。だがヴィトから伯父が彼の両親を 破滅させたこと、そしてこの結婚は伯父への報復だったことを 聞いて呆然とする。伯父は8歳で両親を亡くした彼女を引き取った 恩人だが、一方で彼女の両親の遺産を強奪した悪人でもあったから。 帰る家もお金も頼れる人もなく、フローラはどん底に落ちた。 半年後、ヴィトは出先でウエイトレスとして働くフローラを見つけ 驚愕する。「ここで何をしている? いったい何があったんだ?」 支配的で強欲な伯父の操り人形として生きるしかなかったヒロインと、両親を死に追いやったヒロインの伯父を追いつめることに人生を費やしてきたヒーロー。二人の間に思いがけず芽生えた純愛を、大スター作家アビー・グリーンが情感豊かに描きます!

子を抱く灰かぶりは日陰の妻子を抱く灰かぶりは日陰の妻

臨月で、男性経験なし。 ギリシア富豪の妻はまだキスも知らない。 アメリカの田舎町に住む天涯孤独のコンスタンスは家族が欲しかった。 だから精子提供を受けて赤ん坊を産む決意をし、妊娠した。 イブの夜、臨月の彼女を、ギリシア富豪アナクスが訪ねてきた。 高価そうなコートを身にまとった彼は魅力的だが冷たい表情で、 自分がコンスタンスのおなかの子の父親だと告げた。 精子提供は本意ではなかったが、赤ん坊のために結婚したいと。 コンスタンスは陣痛の中、アナクスの妻となり、子供を産んだ。 孤独だった私に今は子供だけでなく夫までいる。クリスマスの奇跡だ。 生まれて初めての幸せを噛みしめる彼女はまだ知らなかった。 彼が妻子を世間から隠すための計画を立てていることを……。 スター作家C・クルーズよりクリスマスベビー・ロマンスが届きました! 初めて会った日にヒーローに求婚され、彼の妻となったヒロイン。夫を運命の男性と信じますが、彼は妻子をギリシアの島へ閉じこめて……。大スター作家D・コリンズファンは必読です!

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