出版社 : ぷねうま舎
民族の誇りと自立のために、英雄的な戦いに立ち上がった女戦士カリパとその恋人マサリキンがつむぎだす、東北の大地を舞台とした、エミシの物語。列島に統一政権が生まれ、権力が制度として確立する以前の、人間くさい壮大なドラマー
国家が形を整える以前、人が体制に組み込まれることで生かされる前、生と死の狭間に育まれた、喜びと絶望の壮大な振幅の物語を結晶させる。「日本史」として、これまで紡がれてきた歴史の大きな盲点を、人間の匂いの篭もる語りとして紡ぐ。小説『ナツェラットの男』(ぷねうま舎、二〇一四年)で、イエスの生きざまを描いた著者が、渾身の力で語る「北の古代史秘話」。
身を削って、人を励まそうとする作家、咲セリと学校への講演活動などで、懸命に語りかけるマニィ大橋、二人の実話を元にしたギリギリに優しいフィクション。NHK「ハートネットTV」でつながった生きづらい作家二人が綴る、往復書簡小説。
文明のあけぼのに、東の空に向かって朗誦された英雄叙事詩、紀元前一千年紀、ギルガメシュ叙事詩と並ぶ、創世のうた!祈る太古の人びとの陶酔と脱魂…
救われないから救いたい、そんな誰かと誰かが交われば、何かが始まる。死の淵で、なお「希望」を育むサークル、そこで起きた謎の殺傷事件を追って。愛ゆえの暴力と生き抜くことの不条理…そのあまりに人間的なヒダを描く。生きづらさのむこうへと招待する二つの物語、蜂蜜と遠吠え、ただしいクローバー。
一人の画家が、海で遺体となって発見された。死体遺棄の疑いで逮捕された男女は「魚に食べさせたかった」と猟奇的な供述を。ミジンコを描く書字障害の征司。トランスジェンダーのベリー。カルト教団で育ち、かなわぬ恋に焦がれる女性キリコー。三匹のミジンコが紡ぎ出す名づけようもない関係性。深い愛を求める、はみ出し者たちの生。そこには、互いを肯定しようとする限りないやさしさが…。
「私たち…死ぬために、つながってるんだよね」「…せやな」「だったら、生きてる間だけでもさ、家族でいない?」かけがえのない大切な誰かのしあわせを祈る、せつなくも優しい命の捧げもの。
巌流七十九歳、武蔵二十九歳、巌流島、決闘の真相。強き者を倒す、この一念に賭けた武芸者、巌流の生き心地とは。明智光秀、丸目長恵、そして宮本武蔵…戦国から近世へ、中世から近代へ、大きくうねる時代を背景に一筋引かれた剣の道の輝き。まったく新しい剣豪小説!
50点の絵とともに、この世界の謎に挑戦する哲学ファンタジー。 日常は生きづらい。もつれている出来事と関係の網目、その底を掘ってみよう。この世界を成り立たせて原理って、いったい何なのか。 日常と非日常、光と闇、真と偽、1と2,そして多次元……2項的対立を疑い、身近な謎へとまっすぐに迫る。 そこにあらわれるのは、次元のねじれ、言葉の起源、そして宇宙大の神秘……ヴィジョンの大冒険。 それでもやっぱり、日常はつらいもの、それは変わらないのだろうなあ。なぜだ ろう? 世界は謎だらけ、疑問だらけ。それは、世界が一つの疑問から生まれた からだった。 数も、言葉も、物も、すべては〈はじまりの疑問〉から生まれたのだった。人間 もそうやって生まれた。だから、一人一人の人間には、謎の切れ端が宿ってい る。そして、僕にだけ、〈はじまりの疑問〉が宿った。でも、なぜ僕に?
一揆の首謀者として、父親を磔台に送った又八とお雅兄妹、難波の大店を廃嫡された空翔、親殺しの汚名を負った嘉六、お家騒動から、無実の朋輩を切り捨てた定之介…。痛恨の過去とともに、災厄の巷をはいずる「ふつうの人々」。彼らに、浄土を目指す渡海がもたらしたもの、それは観音との出会いか、それとも無意味な死を死んだ者たちへの鎮魂か。時は、元禄・宝永年間、富士山噴火、度重なる大地震の巷から船出した、みたびの渡海顛末。