出版社 : ぷねうま舎
「フオーッ、ホイッ!」、北の大地にいのちの雄叫びが ──列島の古代史を書き換える、愛の物語 民族の誇りと自立のために、英雄的な戦いに立ち上がった、 女戦士カリパとその恋人マサリキンがつむぎだす、東北の大地を 舞台とした、エミシの物語、完結篇。 国家が形を整える以前、人として飼い慣らされる前、生と死の狭間で生きられた、喜びと断念の壮大な振幅の物語を結晶させる。「日本史」として、これまで紡がれてきた歴史の大きな盲点を、人間の匂いの籠もる語りとして……。 小説『ナツェラットの男』(2014年、第24回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞)でイエスの生きざまを語った、著者渾身の「北の古代史秘話」。 巻四 氷雪の檻 巻五 寒椿 巻六 白龍の舞い
「フォーッ、ホイッ!」、北の大地にいのちの雄叫びが ──列島に古代国家の狼煙が上がる頃、エミシの地に生まれた英雄譚 北のエミシの大地、これまでまったく光の届かなかった愛とひかりの物語を、ここに再生する。 国家が形を整える以前、人として飼い慣らされる前、生と死の狭間で生きられた、喜びと断念の壮大な振幅の物語を結晶させる。「日本史」として、これまで紡がれてきた歴史の大きな盲点を、人間の匂いの籠もる語りとして……。 小説『ナツェラットの男』(2014年、第24回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞)でイエスの生きざまを語った、著者渾身の「北の古代史秘話」。 上の巻 目 次 下の巻 巻一 悪霊の呪い 巻四 氷雪の檻 巻二 迫る暗雲 巻五 寒椿 巻三 劫火 巻六 白龍の舞い 「下の巻」は6月下旬刊行予定。
ノミとりするみたいに お互いの涙をぬぐいあった 発達障害のマニィ大橋。精神疾患の咲セリ。福祉番組「ハートネットTV」でつながった2人が、実話を元にして紡いだ往復書簡小説。 夜の街で呼ばれたデリヘル嬢は若干16歳。親からの愛を知らずいじめの傷に心を苛まれていた。呼んだ新聞記者もまた、家庭の問題で心因性勃起不全を抱え、かつて壮絶ないじめを体験し、後遺症に苦しんでいる。 愛と性を混乱し、ただ「しあわせ」を渇望する2人の人生は悲しいほどに救いから遠く、自分を愛せない答えへとたどり着くが……。 実際にいじめや家族、性の問題と直面した、各方面で講演活動を行うマニィ大橋と、精神科医岡田尊司氏との対談で病をオープンにした咲セリだから生まれた、ギリギリに優しいフィクション。
海の女神ティアマトに対する、バビロンの守護神マルドゥク、原初の混沌に対する闘いを描く創世神話。ここに登場するメソポタミア・パンテオンの神々は、世界と人間の起源を語る上で、一つとして欠かすことのできない役を振られている。 メソポタミアの神殿で、ともに朗誦されたと思われる創造譚。太古の人びとの祈りと陶酔と脱魂を伝える。
人の生の奥底を照らす光を求めて。障がいを抱える者たちが、身を寄せ合って「希望」を育むサークル、そこで起きた謎の事件を追って。手をつなぐこと願い、共感を手にしたことから生まれた殺傷事件、愛ゆえの暴力と生き抜くことの不条理……そのあまりに人間的なヒダを描く。生きづらさのむこうへ、二つの物語への招待、「蜂蜜と遠吠え」「ただしいクローバー」。 蜂蜜と遠吠え ただしいクローバー こころを演じる 熟れてない愛 裸足の捨て猫 自分のもの、ひとのもの 生き抜いた、いじめ 「しあわせな家族」へ 死にたい病 白い夢 遠くに見える愛 ちぎれていく四葉に 贖罪を歌って やわらかい声のうえ 笑いと障がい リアルのゆきつく先 生きづらさの同窓会 羽ばたく
遺体となって発見された。死体遺棄の疑いで逮捕された男女は……。ミジンコ画家で、書字障害の征司、オネエバーで働くトランスジェンダー、ベリー、カルト教団で育ち、かなわぬ恋に焦がれる女性、キリコ──三匹のミジンコが紡ぎ出す名づけようもない関係性。強く、濃いそのつながりこそ、誰しもが求めるものではなかったか。抽象的な関係の支配にあえぎ、深い愛を求める、はみ出し者たちの生、そこには限りないやさしさが。姉妹篇三部作『臆病な僕らは幸福を病んで』『永遠をひろって』。 プロローグ 食べられないミジンコ 卵を産めないミジンコ 絶滅危惧種のミジンコ
もうすべては終わるのに、きみの体はあたたかい……小さな小さなミジンコほどの劇団で、体を売りながら芝居に打ち込む少女。孤独を抱え、壊れていく仲間たちに打ちのめされながら。私たちは、どうすればよかったのだろう。壊れ、崩れていく関係を、それでも、必死で、繋ぎとめようとしていた──歯ぎしりしをながら。たよりなくも、いじらしい、儚い祈りの青春群像。 自伝的小説処女作『臆病な僕らは幸福を病んで』姉妹編。 ガラクタの居場所 生きたくて デラシネ 遠い日の花火 それぞれの痛み 終わりのはじまりの幕が開くとき 救いの歯ぎしり ガラクタたちは、今日も震えながら
「私たち…死ぬために、つながってるんだよね」「…せやな」「だったら、生きてる間だけでもさ、家族でいない?」かけがえのない大切な誰かのしあわせを祈る、せつなくも優しい命の捧げもの。
巌流七十九歳、武蔵二十九歳、巌流島、決闘の真相。強き者を倒す、この一念に賭けた武芸者、巌流の生き心地とは。明智光秀、丸目長恵、そして宮本武蔵…戦国から近世へ、中世から近代へ、大きくうねる時代を背景に一筋引かれた剣の道の輝き。まったく新しい剣豪小説!
50点の絵とともに、この世界の謎に挑戦する哲学ファンタジー。 日常は生きづらい。もつれている出来事と関係の網目、その底を掘ってみよう。この世界を成り立たせて原理って、いったい何なのか。 日常と非日常、光と闇、真と偽、1と2,そして多次元……2項的対立を疑い、身近な謎へとまっすぐに迫る。 そこにあらわれるのは、次元のねじれ、言葉の起源、そして宇宙大の神秘……ヴィジョンの大冒険。 それでもやっぱり、日常はつらいもの、それは変わらないのだろうなあ。なぜだ ろう? 世界は謎だらけ、疑問だらけ。それは、世界が一つの疑問から生まれた からだった。 数も、言葉も、物も、すべては〈はじまりの疑問〉から生まれたのだった。人間 もそうやって生まれた。だから、一人一人の人間には、謎の切れ端が宿ってい る。そして、僕にだけ、〈はじまりの疑問〉が宿った。でも、なぜ僕に?
一揆の首謀者として、父親を磔台に送った又八とお雅兄妹、難波の大店を廃嫡された空翔、親殺しの汚名を負った嘉六、お家騒動から、無実の朋輩を切り捨てた定之介…。痛恨の過去とともに、災厄の巷をはいずる「ふつうの人々」。彼らに、浄土を目指す渡海がもたらしたもの、それは観音との出会いか、それとも無意味な死を死んだ者たちへの鎮魂か。時は、元禄・宝永年間、富士山噴火、度重なる大地震の巷から船出した、みたびの渡海顛末。
説経節から浪曲まで、〈声〉に担われた語り物の流れを現代へとつなぐ、創作「水の物語」。 一引き引けば千僧供養、二引き引けば万僧供養……説経「小栗判官」「さんせう太夫」「愛護の若」、八百比丘尼伝説、そして近代の浪曲とパンソリへ。 声は命を乗せて、死者たちへ、そして未来へと流れる。水は自他の境も、国境も越える。 私は水のアナーキスト、虐げられ、虐殺された無数の死者たちの魂をカタル者、言語と制度の檻を破って、命の流れを明日へと解き放つ巫女。 【挿画・坂本大三郎】 はじまりはじまり 狂っちまえよ、と影が言う なもあみだんぶーさんせうだゆう こよなく愛する 「説経 愛護の若」異聞 恨九百九十九年 旅するカタリ 八百比丘尼の話 かもめ組創成記 千年の語りの道をゆく ─┼放浪かもめと澤村豊子── かもめ組資料 上演台本
海からの光と生きるための反抗が育んだ、言葉の花束。 美しいものを見た魂が、戦争と革命とイデオロギーの世紀を走り抜けた。 その軌跡は、寄る辺なく、迷走する21世紀にこそ、光を放つ。 第二次世界大戦の戦後処理からアルジェリア戦争、そしてノーベル賞受賞ヘ、『異邦人』から『ペスト』、そして『最初の人間』へ、 折々の断章を編むことで、その生の全体像を立ち上げる。 どこに立ち、何を感じ、いかに考えたか。いま、時代がカミュの生と思考に追いついた。 第1章 太陽と貧困 第2章 反抗と暴力 第3章 歴史とテロ