出版社 : クオン
休戦直後の混乱の最中 あの深い中庭のある家で 避難民も夢を追っていた 朝鮮戦争休戦の翌年、小学校を卒業したばかりの〈僕〉は、各地からの避難民で溢れる大邱で暮らすことになった。混乱した社会で生きる人々の哀歓が〈僕〉の周囲で起きるさまざまな事件とともに生き生きと描かれている。 発表から三十余年を経て、今なお読み継がれるロングセラー。 .............................................. 「CUON韓国文学の名作」はその時代の社会の姿や 人間の根源的な欲望、絶望、希望を描いた 20世紀の名作を紹介するシリーズです 主な登場人物 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 第七章 第八章 第九章 第十章 作家の言葉 訳者解説
済州島四・三事件をテーマに書き続ける在日の老作家K。若き日に北朝鮮関係の地下組織に参加したものの離脱、その後の精神的危機とさまよいを回想する「消された孤独」。韓国語と日本語のはざまで二つに割れた存在に苦しみつつ韓国舞踊を学び、島を想う在日女性との対話を描いた「満月の下の赤い海」。四十二年ぶりとなる自らの故国・韓国訪問と済州での取材を通じて、語りえない記憶の真実に耳を澄ませる「地の疼き」。三編の小説と対談を収録。
韓国における女性作家の草分け 朴景利による大河小説『土地』第五部始動! 韓国の国民的大河小説であり、たびたびドラマ化もされている朴景利作『土地』は、朝鮮半島・日本・旧満州の近代史を経糸に、その時代に翻弄される様々な人々の日常から生まれる愛と恋・葛藤・悲しみ・喜び・苦難を横糸に織り成す、全五部・20巻の壮大なタペストリーです。 今回の16巻から始まる第五部では、1940年から1945年まで、朝鮮が日本の敗戦により植民地支配から解放されるまでの日々が描かれていきます。 16巻 あらすじ 同郷の友であり同志であった寛洙が牡丹江で病死したことで、吉祥は自分の生き方を見つめ直す。 主治医だった朴医師の死に衝撃を受けた西姫は、心の奥底に秘めていた思いに気づく。二人は互いの存在が束縛であったことを初めて認め合う。寛洙の死は家族を再会させ、新たな絆をもたらした。 還国は家庭を持ち新進気鋭の画家となり、李家に戸籍を移した良絃は女医専に学んでいる。西姫は允国と良絃について意外なことを言い出す。 日本は日中戦争の泥沼から抜け出せず、物資が不足して生活は不便になるばかりだ。朝鮮語の言論は弾圧され、志願兵、創氏改名など新たな制度で朝鮮の人々はますます生きづらくなっている。 第五部 第一篇 魂魄の帰郷 一章 新京の月 二章 踊るコウモリたち 三章 蟾津江の岸辺で 四章 モンチの夢 五章 観音菩薩像 訳注 訳者解説
回復に導く詩の言葉 ハン・ガンによる詩60篇を、著者の小説を手掛けてきた翻訳家きむ ふなと斎藤真理子の共訳により刊行。 巻末に収録した翻訳家対談では、韓国における詩の受容や詩人としてのハン・ガンなど、広く深みのある話が繰り広げられており読者を韓国の詩の世界へ誘う格好のガイドとなっている。 ........................................... ハン・ガンの小説は美しく、同時に力がある。 繊細さだけではなく強さがある。 その元にあるものがこの詩にあらわれている。 ーー斎藤真理子 ハン・ガンにとって詩は 内密な自分自身の声に正直なもの。 詩を書くことで、心身のバランスや 問いを直視し続ける力を回復していく。 ーーきむ ふな ........................................... 一部 明け方に聞いた歌 二部 解剖劇場 三部 夜の葉 四部 鏡のむこうの冬 五部 真っ暗なともしびの家 対談 回復の過程に導く詩の言葉──訳者あとがきにかえて
歴史に翻弄された同胞たちが発する祖国のことばが、私を揺るがす 飢餓や植民地化した故国の圧迫から逃れるように、ロシア領へ流入した数多くの朝鮮人たち。民族と歴史、強制移住と苦難・・・・・・。 著者ユン・フミョンが1990年代にカザフスタンをたびたび訪れて現地の同胞(高麗人)に会い、彼らの話に深く揺さぶられた経験をもとに執筆した李箱文学賞受賞作(1995年)を、原文と訳文両方で味わうことができる一冊。 (原題「하얀 배」) 「かつて韓半島では日本語、中央アジアではロシア語が強制された。故国は母国語を取り戻したけれど、中央アジアの高麗語は今や消え去ろうとしている。民族と言語の葛藤は続く。少年は、ヒナゲシの咲く野原で「アンニョンハシムニカ!」と叫ぶ。「アンニョン」の漢字表記は「安寧」。もとは「安寧ですか、ご無事ですか」という意味だ。あなたは、民族は、言語は、ご無事ですか(アンニョンハシムニカ)、と少年は問う。 世界で民族と言語、アイデンティティの関係がますます複雑化している今、少年の故国、さらに東方の島国に生きる者たちにも、その問いは投げかけられているのではないだろうか」 ーー訳者解説より 【韓国文学ショートショート きむ ふなセレクション】 翻訳家きむ ふなが今お勧めする作家の深い余韻と新たな発見を感じさせる短編を、日本語と韓国語の2言語で紹介するシリーズ。 韓国語の朗読をYouTubeで配信中。 CUON YouTube チャンネル https://www.youtube.com/user/cuonbooks ー「白い船」邦訳 ー 訳者解説 ー 原文「하얀 배」
韓国SF 注目の作家ファン・モガ 第4回韓国科学文学賞(中短編部門)大賞受賞作 待望の邦訳。 映画化も進行中! 仮想現実空間内で他人の記憶データが売買される「モーメント・アーケード」。自分の惨めな人生と向き合いたくなかった「私」は、アーケードで他人の記憶に夢中になり、かつて誰かが感じた瞬間(モーメント)を手当り次第に疑似体験していた。 ある日「オススメ」に上がってきて何かに引き寄せられるように購入した「あなた」のモーメント。 その記憶と感覚が、次第に「私」を目覚めさせていくーー。 2021年に第8回韓国SFアワード優秀賞を受賞するなど今注目の作家ファン・モガの短編を、原文と邦訳で楽しむことができる一冊。 【韓国文学ショートショート きむ ふなセレクション】 翻訳家きむ ふなが今お勧めする作家の深い余韻と新たな発見を感じさせる短編を、日本語と韓国語の2言語で紹介するシリーズ。 韓国語の朗読をYouTubeで配信中。 CUON YouTube チャンネル https://www.youtube.com/user/cuonbooks ー「モーメント・アーケード」邦訳 ー 訳者解説 ー 原文「모멘트 아케이드」
韓国における女性作家の草分け 朴景利による大河小説『土地』第四部完結! 全五部・20巻のうち第四部の完結編にあたる15巻では、満州事変、上海事変、盧溝橋事件そして日中戦争へと争いが拡大していく時期(1931年〜1938年)の中国、韓国、日本を舞台に物語が進みます。 15巻 あらすじ 独立運動の資金を得るために寛洙が中心となって計画した晋州での強盗事件には、吉祥も陰で協力していた。平沙里の村人の間では、社会の変容から世代間に齟齬が生じ、家族が揺らいでいる。学校を追われて家出した寛洙の長男・栄光は、東京で進む道を模索していた。日本の傀儡政権・満州国が建国され、間島の独立運動に対する圧力も強まり、活動家たちは活路を探っている。 そんな中、一時は東京に滞在していた仁実がハルビンに姿を現した。彼女を捜し続けていた緒方次郎も、新京で職を得ていた。新京で自動車修理工場を経営する弘の元には、異父姉の任や密偵だった金頭洙が訪ねてきて、不気味な影のようにつきまとう。 第四部 第四篇 仁実の居場所 三章 強盗事件 四章 葬式の日の夜 五章 東京の仁実 六章 栄光の負傷 七章 永鎬の母の頼み 八章 牛耳里で 九章 満州事変 十章 趙容夏の自殺 十一章 養子の話 十二章 姉と弟の再会 十三章 良絃と李府使家 第四部 第五篇 悪霊 一章 自動車修理工場 二章 東盛飯店で 三章 仁実の変身 四章 老婆になった任 五章 南京虐殺 六章 日本人の時局観 七章 旅立つ馬車 訳注 訳者解説
「私はこの小説だけは鉛筆で書くことにした。 どうしてそうしたのかはわからない。 ただそうしなければならないように思えた」 韓国金泉市のパン屋「ニューヨーク製菓店」の末っ子として生まれ育った、キム・ヨンスの自伝的小説。 お店を切り盛りする母、作家を目指す息子を見守る父、グローバル化の波が押し寄せる中で何度となく転機を迎えるニューヨーク製菓店…… この世から姿を消しても心の中を照らし続ける“灯り”に思いを馳せる、静かで温かな余韻の残る短編を、韓国語原文と邦訳を一冊にしてお届けします。 『ニューヨーク製菓店』特設サイト 作品を深く楽しむことができる関連情報を随時更新しています。 作家ご本人による韓国語朗読音声も! キム・ヨンス作家による韓国語の朗読音声をYouTubeで配信しています。 CUON YouTube チャンネル 読者モニターの方々の声 ◎この小説は、韓国の現代史を背景に成長し、今はこの世から消えてしまった「ニューヨーク製菓店」という作家の「灯り」を通じて、読者の「灯り」を召喚する物語でもある。 自分という存在は、自分が消え去ったあとも、もしかして誰かの「灯り」になれるのかも知れない、作家が与えてくれたそんな希望のためだろうか、読後感は、オレンジ色の街灯にように優しい。 ーーshirotoraさん ◎キム・ヨンスさんは過去を見つめながら、未来を語る。 ーープレスさん ◎初めて読んだ作家の最初の一編に、こんなに入り込んで同化できるなんて。「感情移入」とか「共感」というのとはちょっと違う、いつの間にか自分のことのように追体験している気持ち。(…)著者の「誠実さ」と「潔さ」、それから「強さ」みたいなものが体温みたいにじわーっと伝わってくる作品です。ここから入ることができてよかった。 ーー寒天さん ◎あなたがもし今、暗闇の中で道に迷い途方に暮れていたら、この小説『ニューヨーク製菓店』をそっと手渡したい。暗闇をかすかに照らす道標(みちしるべ)として。 ーーyukiさん 【韓国文学ショートショート きむ ふなセレクション】 翻訳家きむ ふなが今お勧めする作家の深い余韻と新たな発見を感じさせる短編を 日本語と韓国語の2言語で読むことができるシリーズです。 韓国語の朗読をYouTubeで聴くことも可能です。
悲しみではなく美しさを、拘束ではなく自由であることを 冷笑ではなく憐れみであることを、倒れることではなく起き上がることを 恋人との逃避行を前に故郷の村に帰った「私」が、幼い頃家族に起きた出来事や揺れる思いを彼に綴った書簡形式の表題作をはじめ、百編余りの短編からシン・ギョンスク自身が「胸の内をすべて見せるように」選んだ七編を収録。 ここに登場するのは、さまざまな傷を負い、あるいは困難な状況に直面する人たちだ。 彼らの悲しみ、苦しみに寄り添い、人を愛することの切なさを情感豊かに描く美しい物語が静かに、熱く、胸を打つ。 庭に関する短い話 草原の空き家 鳥よ、鳥よ オルガンのあった場所 彼がいま草むらの中で ジャガイモを食べる人たち 暗くなったあとに 作家のことば 訳者あとがき
<b>「1935年に『鄭芝溶詩集』が出版された時、 朝鮮の詩は大きな転機を迎えた。 近代と現代を敢えて分けるなら、 ここから現代詩の時代に入ったと言っていいだろう」</b> (訳者解説より) 同志社大学在学中、北原白秋にその才能を称賛された鄭芝溶は、やがて母国の言葉で近代人の感情を繊細に描いた『鄭芝溶詩集』(1935年)で韓国詩壇を熱狂させ、尹東柱など多くの人々に影響を与えた。 代表作以外に、留学時代の思い出を綴ったエッセイも収録した詩選集。 『鄭芝溶詩集』( 詩文学社、1935)より 『白鹿潭』( 文章社、1941)より 未収録詩篇 韓国語エッセイ 日本語作品 散文詩 エッセイ 訳者解説 鄭芝溶年譜
【2022年 第八回日本翻訳大賞受賞作】 人は誰も自分だけの人生という言葉の辞典を持つ 詩人キム・ソヨンがハングル一文字の言葉を通して 人生のさまざまな時間、情景、感情を描いた 私的で詩的な一文字の辞典 「読んだ人がニヤッと笑ってくれたら嬉しいなと思っていた。うなずきながらページの余白に自分なりのまた別のニュアンスを書き込んでくれたらいいなとも思っていた。そうして私が書き記した定義と︑読者の手書きの定義が同じページに一緒に並んでいたら素敵だなと思っていた。 つまり、私の『一文字辞典』は読者が参加することによってはじめて完全な辞典となる。私と未知のあなた、私たち二人でこの本を完成させるのだ」 ーー「はじめにー日本の読者に向けて」より はじめにー日本の読者に向けて ㄱ 犬になりたい ㄴ 「おまえ」の集合体 ㄷ ほんの一瞬たりとも ㄹ 丸を意味する言葉 ㅁ 遠くにあるから ㅂ 半分だけ考えて、半分だけ話す ㅅ 新年最初の日 ㅇ 意外なところ ㅈ さよなら ㅊ 私の窓たち ㅋ 鼻の奥がつんとする ㅌ 押す時ではなく引く時 ㅍ 腕を広げると ㅎ 回復できるので 監訳者あとがきー私の一文字は「 」。
<b>迷路のようなベネチアの街を歩き ハナコの影を追う彼は 彼女の何を知っていたのか</b> 出張先ベネチアで、かつて親しかった女友達の記憶を辿る二日間。 突如姿を消した「ハナコ」は、「彼」が作り出した幻想の女性像なのか、「彼」は果たして彼女自身を見ようとしていたのかーー。 李箱文学賞受賞者作。 【韓国文学ショートショート きむ ふなセレクション】 翻訳家きむ ふなが今お勧めする作家の深い余韻と新たな発見を感じさせる短編を 日本語と韓国語の2言語で読むことができるシリーズです。 韓国語の朗読をYouTubeで聴くことも可能です。 CUON YouTube チャンネル https://www.youtube.com/user/cuonbooks
<b>夜ごと「私」はキックボードで走る 不意の転倒で路上に身を横たえ 古希近い人生を想う</b> 不慮の事故に遭った「ある夜」の出来事と、道端に横たわり助けを待ちながら回想した彼女の半生のエピソードを重ね合わせつつ、一人の女性の人生と心の機微を描き、金承ギョク文学賞に輝いた短編。 【韓国文学ショートショート きむ ふなセレクション】 翻訳家きむ ふなが今お勧めする作家の深い余韻と新たな発見を感じさせる短編を 日本語と韓国語の2言語で読むことができるシリーズです。 韓国語の朗読をYouTubeで聴くことも可能です。 CUON YouTube チャンネル https://www.youtube.com/user/cuonbooks
智異山周辺で独立運動が新たな局面に入ろうとしている 吉祥の帰還で物語はどう動くのか 14巻 あらすじ 吉祥が出獄する直前、西姫は東学の流れを汲む運動の資金として新たな土地を提供した。智異山周辺での活動を再開した寛洙は官憲に居場所を知られる危険が生じ、釜山を離れる前に娘を連れてカンセの家に行く。 緒方次郎、柳仁実、趙燦夏の三人は晋州の崔参判家に吉祥を訪ねた足で、統営郊外の学校に行き、教師となった明姫に会う。悲惨な結婚生活からは逃れたものの、明姫は心の平穏を得られずもがいていた。 仁実と緒方は愛し合っていることを確信しながら、その関係に混乱するばかりだ。金持ちになったが親や本妻を粗末に扱う斗万に、父は意外な通告をする。日本で働いていたヤムはやつれきって平沙里に帰ってきた。 第四部 第二篇 帰去来 六章 誕生祝い 七章 寂寥 八章 母と子 九章 二人の女 十章 縁のない衆生 十一章 洗濯場 十二章 生き残るには 第四部 第三篇 明姫の砂漠 一章 姉妹 二章 ヤムの帰郷 三章 対面 四章 興味深い人物 五章 愛 六章 汚れなき愛国者 七章 父と娘 八章 晋州への旅 九章 儒者と農民、武士と商人 十章 明姫の砂漠 第四部 第四篇 仁実の居場所 一章 輝の葛藤 二章 初夜 訳注 訳者解説
<b>「わたしたちはいったい何を間違えてしまったのでしょう」 取り返しのつかない過去を思いつつ、さまよう人々の叫びと祈りの物語</b> 1960年代以降、大学進学によって貧しさから脱け出し、軍事政権による開発経済の恩恵を受け、建築家として成功した初老の男性。 急速な発展の結果として拡大した現在の格差の中で、多くをあきらめながら苦しい生活を送る劇作家の若き女性。 持てる者が失わなければならなかったものは何か。 持たざる者がなお手放さないものは何かーー。 韓国文学を代表する作家が、現代社会に生きる人間の魂の痛みを静かに描き出す。 <b>ブッカー国際賞の候補作にも選ばれた、 韓国文学を代表する作家 黄晰暎による中編小説</b> たそがれ 作家の言葉 訳者あとがき 静かにまたたく星たちの物語(姜信子) 黄昏と暁とーー「めぐる因果」を越えて(趙倫子)
江華島で出会った素性の知れない女は、 渇きを充たすようにカニの醬油漬けを貪るーー。 クォン・ジエによる表題作のほかクォン・ヨソン「桃色のリボンの季節」、ハ・ソンナン「隣の家の女」など、季刊誌『Koreana』日本語版の掲載作品から厳選した、韓国現代文学のアンソロジー。 「この12編は特定のテーマを元に書かれたわけではないが、どこか共通したものがある。それは、食や住処、性といった暮らしの生々しい側面と、そこに亀裂を入れる妄執や思い出の存在だ。人の営みを緻密に活写することで、かえってその暗部をのぞき込んでしまうような、そんな不穏なトーンが全作に共通しているように思える」あとがきより <b>季刊誌『Koreana』とは</b> 韓国の芸術と文化を世界に広めるため、韓国国際交流財団により1987年に英語雑誌として創刊された季刊誌。翌年には日本語版、1993年には中国語版が創刊され、現在では9ヵ国語で発行されている。 旧石器時代の遺物からインスタレーション・アートまで、あるいは朝鮮王朝の宮廷文化から現代のカルチャーまで、韓国の芸術文化を幅広く扱う。日本語版には現代文学の邦訳も掲載されており、本書に収録された作品はその一部となる。 ワタリガニの墓/クォン・ジエ 隣の家の女/ハ・ソンナン マテ茶の香り/チョン・ハナ プラザホテル/キム・ミウォル 桃色のリボンの季節/クォン・ヨソン からたちの実/ユン・デニョン 旅人は道でも休まない/イ・ジェハ 鎌が吠えるとき/キム・ドッキ 塩かます/ク・ヒョソ バラの木の食器棚/イ・ヒョンス てんとう虫は天辺から飛び出す/パク・チャンスン 初恋/チョン・ギョンニン あとがき
トッポッキにまつわる思い出やいっしょにトッポッキを食べた友人たち、通いつづけた懐かしいお店のことをユーモアいっぱいにつづった。韓国の人気シンガーソングライター、作家、書店店主のヨジョによる日本初エッセイ集。
学生たちの抗日運動は、西姫と平沙里の人々の心も揺らす 閉塞感の中で始まる第四部の行方はーー。 【13巻あらすじ】 晋州で起きた同盟休校という形の抗日運動が弾圧され、西姫の次男・允国、漢福の長男・永鎬らが拘束された。 永鎬が同盟休校を主導したことで、漢福一家と平沙里の人々の関係は一転する。 そんな中、村で殺人事件が起き、満州行きの準備をしていた弘が巻き込まれた。 一方で、恵まれた境遇に育ったことに嫌悪感を抱いていた允国は、釈放後に自分の行くべき道を探そうと、新たな一歩を踏み出した。それは西姫に苦痛を与える行動でもあった。 ソウルでは任明姫が夫・趙容夏から逃れようともがき、身も心もずたずたにされながらも、ついに自分の殻を破る行動に出た。東京の緒方次郎は柳仁実への思いに苦しんでいた。 第四部 第一篇 生の形 第四部 第二編 帰去来 訳注 訳者解説
<b>韓国小説のつむぎ手たちによる 濃密な文学談義と彼らの素朴な日常の話。</b> 作家が作家に聞く、ロングインタビュー集第2弾。 作家本人の声を通して知るもっと深い韓国文学の魅力ーー。 「(セウォル号事故の起きた)2014年になると、部屋を出てもう一度社会的責任というものについて考えをめぐらさざるを得なくなりました。 もうこれまでどおり斜に構えてはいられなくなった」(キム・グミ) 「私の小説の目的が見えるはずだ。ほかでもない、人間だ。それも、運命の暴力性に踊らされる人間」(チョン・ユジョン) 「時に真実は我々の心に突き刺さり、正直に伝えることが相手に痛みを与えるため、隠しておいた方がいい、と思えたりもする。でも、やはりそうじゃない。それでも真実だけが心の痛みを和らげてくれるんです」(コン・ジヨン) 「フェミニズムも同じで、私が20年前に書いた小説の中の問題意識をいまも人々は同じように感じている。だからこそ胸が痛みました」(ウン・ヒギョン) 「文学は宗教ではない。崇高な信念ではなく、技術を必要とする仕事だ」(チョン・ミョングァン) <b>インタビュー掲載作家</b> キム・グミ『あまりにも真昼の恋愛』 チョン・ユジョン『七年の夜』『種の起源』 コン・ジヨン『トガニ』『私たちの幸せな時間』『サイの角のようにひとりで行け』 ウン・ヒギョン『美しさが僕をさげすむ』『鳥のおくりもの』 チョン・ミョングァン『鯨』 ................................................................................. 「クオン インタビューシリーズ」は、さまざまな芸術の表現者とその作品について、広く深く聞き出した密度の高い対話録です。 あまりにも小説の未来、キム・グミの心 キム・グミ/ペク・カフム/すんみ訳 ストーリーテラーの起源 チョン・ユジョン/チョン・ヨンジュン/カン・バンファ訳 それでも真実だけが心の痛みを和らげてくれる コン・ジヨン/ペク・カフム/蓮池薫訳 それでも書き続ける ウン・ヒギョン/チョン・ヨンジュン/呉永雅訳 肉体小説家の9 ラウンド チョン・ミョングァン/チョン・ヨンジュン/斎藤真理子訳