出版社 : コスミック出版
南町奉行矢部駿河守が罷免となり、配下の大川忠介は一切の行きがかりを捨てて自ら浪人となった。ふらりと町に出た忠介は、やくざ者に追われるお美也を助けるが、寝床のあてがなく、うどん屋で出会った善助の家に招かれる。しかしそこは、悪党浪人たちの巣窟「はだか長屋」の一軒だった。新参者の忠介たちから金を騙しとろうとする住人たち。欲にまみれた長屋ではあったが、彼らに人間としての生きる術を教え、仕事や役目を与えていくうちに、ごろつきたちは心を入れ替え、忠介とともに命がけで面倒ごとを解決していく。
南町奉行矢部駿河守が罷免となり、自ら浪人となった大川忠介。悪党浪人たちの巣窟「はだか長屋」に世話になることになったのだが、彼らに人間としての生きる術を教え、仕事や役目を与えていくうちに、浪人たちは忠介のために命がけで働くようになっていった。ところが、ある事件をきっかけに、新奉行の鳥居甲斐守一味から追われる立場になった忠介は、長屋仲間たちの前からも姿を消してしまう。しかし、いっこうに治まらない卑劣な魔の手。忠介は鬼となることを決め、権力を握る者どもに立ち向かうのだが…。
生真面目で杓子定規な荒巻と、女たらしで破天荒な鷲津。幼馴染みの二人に共通するのは、現場捜査を好むエリート官僚という点だけ。この正反対の彼らに、超法規・越権行為もお構いなしの特捜指令が下った。警察庁警務担当局長撲殺事件の裏を探ってほしいという。反目しつつも抜群の捜査力で、二人が立ち向かう悪とは!?
日米両国に最新鋭空母が就役した。日本は『あさま』、アメリカは『ジョージ・ブッシュ』。グアム島沖で対抗演習をすることになった両空母だが、異変はそこで起こった。濃霧に包まれ通信が途絶し、コンピュータの日付は1944年6月18日を表示。日米の空母は太平洋戦争の最中に飛ばされてしまったのだ。『ブッシュ』司令のキンバリー長官は、あくまで米海軍は米国のためにあると、スプルーアンスの第5艦隊に味方することを決断する。一方、『あさま』は史実で大敗を喫した帝国海軍第一機動艦隊を援護すべく行動を開始した。決戦の火蓋を切ったのは『ブッシュ』だった。日本艦隊に襲いかかるF/A-18ホーネット。それを迎え撃つ『あさま』のF-35J。太平洋戦争の天王山マリアナ沖海戦を舞台に、日米の新旧艦隊が機略を尽くす熾烈な戦闘の行方は?才能を惜しまれつつ急逝した著者の最後の書下ろし。
「空の要塞・B17」の出現に衝撃を受けた帝国陸軍が、苦難の末に完成させた四発高速重爆があった。「火龍」である。機体の頑強さを利用し、対地対艦攻撃用に重火器を搭載した「空挺砲艦」は、改良型「三式重襲撃機」に至り脅威の進化を遂げた。この「超・空挺砲艦」は緊急出力1万馬力超のパワーが生む高速性と、戦闘機の火力では撃墜困難な重装甲で、敵重巡をも撃ち抜く火力を備えていた。「超・空挺砲艦」は、海軍の「特型陸攻」、反跳爆撃で対艦戦闘に猛威を振るう「火龍改」と並び、米空母機動部隊を攻撃し、多大な戦果を挙げる日本軍の航空戦力の要となった。米軍はこの「火龍一族」を殲滅すべく、急遽“火龍殺し”の「ガン・スリンガー」を開発した。B17の出力を強化し、大口径機関砲を多数搭載した空挺砲艦である。究極の進化を遂げた日米の「空の要塞」が激突、マリアナ沖で殲滅戦を繰り広げるが、最後に勝ち残るのは果たして…。
平成の日本列島が、太平洋戦争の真っ只中にそっくり時空漂流してしまうという、前代未聞の超常現象に直面して、日本は大混乱に陥った。現代日本の軍事システムは、少数の高性能破壊兵器を前提に構成されており、一時に数百機のB29に攻撃される可能性など全く考慮されていなかった。そのため最新鋭兵器を装備しているはずの自衛隊が、旧米軍を相手に大苦戦することになった。航空自衛隊は、日本本土攻撃を中止させるために、マリアナ諸島の米軍基地を完膚なきまでに破壊した。大戦を早期に終結させるため官房副長官の滝川治は、連合艦隊の伊藤長官に同行して戦艦大和に乗りこみ、中国との休戦に成功する。いよいよ本腰で日米講和にとりくむことになった日本政府だったが、アメリカは態度を硬化させるばかりだった。頼みの綱であるはずのアレン・ダレスの行方はいっこうにつかめない。日々刻々とアメリカが日本に原爆を落とす日が、近づいてくる…。鬼才・砧大蔵が豊富なデータをもとにシミュレートする架空戦記の傑作、第3弾。
連戦連勝の油断から、ミッドウェー海戦で大惨敗を喫した日本海軍だったが、それを契機に大改造計画を断行していた。新編成の第三艦隊は、旗艦翔鶴、瑞鶴、小型空母龍驤、そしてジェット空母大和の空母四隻を基幹とする世界最強の機動部隊となった。ジェット空母大和とは、戦艦大和の後部46センチ三連装砲塔を撤去して、そこにV字型の飛行甲板を増設した航空戦艦で、当時の超科学大国ドイツから購入した世界初の実用ジェット機W20を搭載していた。ジェット空母大和から勢いよく飛びたったW20の機首と両翼の20ミリ機銃4挺が激しく火を噴き、押しよせてくるアメリカ戦闘機の大群を片っ端から撃ち落としていく。この連合艦隊大改造の仕掛け人は、海軍の至宝といわれた樋端久利雄。彼の天才的な頭脳から生みだされる火花のようなアイデアが次々と実現化されていく。超ベテラン馬場祥弘が新境地に挑む、痛快無比のハイパー・シミュレーション戦記の大傑作、第一弾。
日本連邦連合艦隊は枢軸国艦隊を撃破すべく一大艦隊を編成しサイゴンへと移動した。満州では龍、虎部隊がソ連機械化騎兵軍を相手にゲリラ戦を展開していた。そして、南支那海を舞台に雌雄を決する「天一号作戦」が発令された。1948年、核の力を背景に合衆国大統領マッカーサーは単冠の日本連邦海軍基地に奇襲攻撃をかけてきた。乱れ飛ぶファントム、サンダーバード!太平洋の覇権をめぐり、日米の壮絶な戦闘の火ぶたがきっておとされた。果たして日本連邦に勝機はあるのか?壮大な発想で描く長編戦略シミュレーションノベルス第二弾。
連合艦隊司令官・山本五十六海軍大将に課せられた使命は、必敗を運命づけられている対米戦争を如何に闘い抜くかの一点に集約されていた。勝てないまでも負けない戦法はないかー山本長官の脳裏に白皙の青年将校の貌が浮かんだ。彼こそは日露戦争を勝利に導いた天才参謀・秋山真之の再来といわれる矢垣風彦少佐であった。矢垣の秘策に自身を深めた連合艦隊は、北太平洋を東進、一路、真珠湾を目指して旭日旗をはためかす!気鋭の描破する長編太平洋戦記シミュレーション。
友子は、奥深くまで指をねじ込まれ、柔肉をくじられながら、一気に昇りつめていた。ほおずりをされ、肉厚の舌で舐められると友子は、全身にむずがゆいしびれを感じていた。動物のように2人は、お互いの体をむさぼりあう。男から男へ渡り歩く女、友子の淫乱な性を描いた長編官能小説。
クラスを二分する人気者の二人。演劇部の秀才・北山英治と水泳部のエース・南城健介。会話を交わすこともない二人だったが、ある日英治は、自分を見つめる健介の視線を感じる。そして、お互いに自分と同質のものを感じ合った二人は、次第に引きよせられていく。誰も知らない二人の秘密。彼しか知らない自分-。
今はまだ群小プロダクションだが、いずれは芸能界の帝王にのし上がろうという野望に燃える槇真吾。密会した槇プロの売れっ子女優・絵島夏子が、高輪エンペレスから行方不明になった。西洋の古城を模したそのラブホテルに秘密の匂いを嗅ぎつけ、探索を開始する真吾。だが、ホテルの経営者で宗倉コンツェルンの総裁・宗倉頼三の陰謀と敵対することに…。都会の真中で起きた“神隠し”の裏に潜む驚愕の事実とは。
上条悦子はテレビ大東京の花のニュース・キャスターを夢見るハリキリ・レディ。今回の仕事は、秋たけなわの紅葉を染まった京都の旅情をビデオ撮影する、はずだった。ところが、永観堂を取材中、紅葉狩りの宴席で踊っていた舞妓が簪を突き刺されて殺される場面に遭遇し…。憎たらしいけど頼もしいフリーライター北見吾郎との二人三脚で、憧れのトップ・キャスター川名玲子に追いつき追い越せる日は来るのか。
三日池潤矢。十五歳の、とびっきりの美貌だった。彼には秘められた力があった。それを目覚めさせた、上級生の男女の痴態。彼は二人に、指先で触れるだけで苦痛と快感を与えてしまった。そして、その夜、母親の玲香からは「じゃこうの血が流れている…」との謎の言葉を聞かされた。舞台を軽井沢に移し、潤矢は女体を相手に自らの力を確信していた。「淫導師」を名乗る老人の出現により、今、潤矢の力が全開する。
円四郎は脇指を抜いた。女はハッとなって脇指を見る。一度見たらおしまいだ。女の目が光を失ってトロンとなった。そして、「抱いてください」と言った。体から芯が抜けたようだ。この世に三口あるといわれる淫刀痣丸。女を悶え狂わす脇指を狙って襲い来る敵たちを、無住心剣流の達人・真里谷円四郎の凄まじいまでの豪剣が縦横無尽に斬り倒す。
新宿交番所に勤務する5人の美人婦警のところに連れて来られた2組の男女。一方は街中で喧嘩をしていた男女、もう一方は宝石を置き引きした加害者と被害者だった。偶然の2組が意外なところで殺人事件に交差する。闇稼業を武器に事件を追う婦警たちは、そこに売買春の世界をみる。そして、その奥にはレコード会社のディレクターや作詞家、宝石商が組んで歌手希望の若い女性を食いものにする悪が蠢いていた。歌謡界の恥部を抉る書き下ろし長編サスペンス。
大手都市銀行の新宿西口支店預金課に六年間勤務する沢口由美は、入行当時から机上での横領計画を練っていた。そして、この計画は外資系会社名義の13億円にものぼる「残置預金」を見つけたときから、現実のものとして動き始めた。由美は天性の美貌と預金課という立場を利用して、緻密な計算の上に構築された横領のトリックを次々と実行していく…。内からの犯罪に対しての無防備さを鋭く指摘した犯罪小説。