出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
最愛の父を亡くし、途方に暮れていた18歳のクロエ。頼れる人は富豪のラオしかおらず、居城のあるシチリアに飛ぶと、彼は書類上の結婚という形でクロエを守ると約束してくれた。ラオの庇護の下、彼女はロンドンで自立の道を探す猶予を得たが、5年後、突然ラオから呼び出され、再びシチリアへと赴いた。ついに名ばかりの結婚の解消を言い渡されるんだわ…。怯えるクロエはカリスマ的オーラを放つ富豪の言葉に耳を疑った。「僕たちの結婚を本物にする時が来た。毎晩僕のベッドに入れ!」彼女は承諾するしかなかったー跡継ぎ作りのためだけと知りつつ。
3年前、イザベルは秘書の代理として派遣された先で、イタリア人侯爵で実業家のコンスタンティンに見初められた。貧しい炭鉱の村で育ったイザベルとでは身分が違いすぎたが、二人の情熱は激しく燃え上がり、彼女はやがて妊娠。コンスタンティンは責任を取って結婚を申し込んだ。だが、ほどなくして不幸にもイザベルは流産してしまう。急によそよそしく冷淡になった夫に、彼女は言葉を失った。大切な我が子が亡くなったというのに、なぜ平気でいられるの?結局、あなたが愛情深く振る舞うのはベッドの上だけー傷心のイザベルは家を出るが、彼から復縁を打診されて…。
イヴの母は妊娠と同時に恋人に捨てられ、未婚のまま出産した。そんな生い立ちのせいでイヴは強い男性不信の念を植えつけられ、ひどく地味で生真面目な暮らしを送っている。だがある日、イヴの乾いた人生を一瞬にして覆す男性が現れる。ひったくりに遭ったところを助けてくれたイタリア富豪ドラコー出会ったその日のうちに、イヴは彼から甘美な悦びを教えられた。翌朝ドラコは、これからも大人の関係を楽しもうと巧妙に説き、恋愛に関するすべてに無知なイヴは彼の手管に絡めとられていく。ドラコが“地味で無害な女性”を求めていた事情など露も知らず。
生後すぐに捨てられて施設で育った看護師のエマにとって、クリスマスは独りで自宅で過ごすのが常だった。ある日、町へ買い物に出かけた彼女は、容姿端麗な新任ドクターのダニエルに出くわした。親を亡くした幼い姪を引き取って育てている彼は、エマの身の上を知り、クリスマスを一緒に過ごそうと提案してきた。看護師たちがこぞって憧れる彼と特別な時間を過ごせるなんて!人生で初の幸せなクリスマス。そのまま自然と二人は結ばれた。ところが翌朝出勤すると、入院患者の指輪がないと大騒ぎになっていて、エマが犯人扱いされてしまうーそして、ダニエルからも疑われ…。
身代が傾いたシャーロットの一族の屋敷を買い取ったのが、かつて愛を捧げた恋人ローハンと知り、彼女は打ちのめされた。シャーロットの兄が川で溺れて亡くなったあと、兄と一緒にいたローハンは責めを負って、追われるように町を出ていった。その彼が、幾年もの年月を経て今、大富豪となって再び彼女の前に現れた。「これはわたしへの仕返しなの、ローハン?」あまりの衝撃に気が遠くなり、その場に倒れ込んだシャーロットは、彼の強くたくましい腕に抱え上げられたことにも気づかなかった。ただ、ローハンに知られることが怖かったー7歳になる息子が、彼と同じブルーダイヤモンドのような瞳をしていることを…。
うぶなベスは恋人と信じていた男性の手酷い裏切りに傷つき、傷心を癒やそうと、世界でいちばん美しい街プラハへ旅立った。自身の店に並べるクリスタルを買いつける旅でもあるため、現地で出逢ったギリシア神のごとき美男子アレックスに通訳を頼むことに。「ベス、ぼくはどうやらきみに恋をしてしまったらしい」あるとき彼から言われて、ベスは極度の男性不信に陥っていながらも、優しくて知的な彼に急速に惹かれ、とうとう枕を交わしてしまう。でも、アレックスに本気で恋をしたって、どうせまた傷つくだけ…。臆病になるあまり、ベスは彼に愛の存在をきっぱりと否定し、帰国した。数週間後に、後悔の嵐に襲われることになるとも知らずー
ロージーは早くに両親を亡くして貧するしかない身だったところを、資産家の娘で親友のアラベラに救われ、居候させてもらっていた。今、アラベラが意に反して結婚させられそうになっていると知り、恩返しをしようと、ロージーは身代わりになることを決意する。“アラベラ”に扮した彼女が花婿候補の公爵アレグザンダーに会い、奇行を演じて嫌われることで、縁談を台なしにする計画だ。だが、強欲で鼻持ちならないはずの公爵は実際、ハンサムで高潔だった。心ならずも惹かれ、彼につい唇を許してしまったロージーはしかし、自分が本当はアラベラではないことを言い出せなかった。しかも、元婚約者に騙された経験のある公爵は、嘘が何より嫌いで…。
マリアンはある日、好色な輩に絡まれていたところを助けられ、見知らぬ救世主の魅力的な瞳が脳裏から離れなくなった。でも、私は“ロバートソンの淫売”と呼ばれ、一族から追放された身。誰かに恋するなんてありえない…。一方、美しい娘を助けたダンカンは彼女のことが気になりつつ、同盟を結ぶためにロバートソン氏族長のもとを訪れた。友好の印に酒がふるまわれ、不覚にも酩酊したダンカンは、マリアンの家に行くと、彼女を胸に抱いて唇を奪い、地面に倒れ込んだ。それを氏族長に見咎められ、二人は結婚を余儀なくされる。だが初夜の床でダンカンは驚いたー悪名高き妻はなんと、純潔だった!
サンドリンは10歳年上の実業家ミシェルと電撃結婚した。知的で官能的な夫を愛していたが、新婚半年で早くも暗雲が垂れ込める。彼女が4週間海外の仕事をすることに、彼が強硬に反対したのだ。妻を鳥かごに閉じ込めようとするなんて、と若いサンドリンは抗い、書き置きを残してNYを飛び立った。だが仕事でトラブルが発生し、滞在が延びて資金が底をついたとき、長身で黒髪の男性が救世主さながら現れ、援助を申し出たーミシェル!彼は怒りを込めたキスで妻を罰し、投資の対象はきみだと告げる。サンドリンが断れないことを承知で、彼は激しく妻を求めた!
魅了の呪いで男爵令嬢を寵愛し、婚約者である公爵令嬢を冷遇する王子殿下・アルバート。そんな彼の呪いを解いたのはー伯爵令嬢・イヴの口付け!?この奇跡に、誰もが「イヴの愛が王子の呪いを解いた」と信じるが…王子のことを意識したことも、愛している自覚が1ミリもないイヴの戸惑いをよそに、なぜか王子はイヴを溺愛し始めて…!?
有名一族の8人姉妹のうち、不器量なのは私だけ…。優雅さと機知に富んだ美人姉妹の中、醜いあひるの子のようなソフィーは、自分だけ生まれた病院で取り違えられたのではと思わされてきた。そんな彼女はインテリアデザイナーとして雇われた先でも、裏方しか任せられないと言われるが、ある日急遽、上司の代理で、大富豪マルコ・スペランサの屋敷を改装する仕事の売り込みを任される。ハンサムと噂の彼に直接会って、契約を結ばなければならないなんて!不安を覚えつつ、急ぎシチリアにあるマルコのオフィスへ向かったが、何時間も待たされ、ソフィーは疲れから眠り込んでしまった。そして目覚めたとき、マルコから冷たく告げられる。「無駄足だったね」
サリー・ジェロームはみぞおちを蹴られたような気分だった。来週から新しいボスが来るーライ・ベインズ、7年前に私を捨てた男。18歳で両親を失ったサリーにとって兄のような存在で、ライにプロポーズされて結婚したのに、そばにいてほしいと願った彼女を振りきって、彼は出ていったのだった…。私の存在を知れば、ライは解雇を言い渡すに違いない。どうか見つかりませんように!だが非情にも再会の時は訪れた。グレーの瞳に怒りをたぎらせ、彼は残忍に囁いた。「どうして名前を変えたんだ?君は今でも僕の妻だ」(『もう一度愛して』)。1年かかって、ついにジョナは花嫁を見つけだしたースペインで燃えるような恋におちて結婚したのに、翌朝、忽然と姿を消した美しき花嫁エロイーサを。世界を股にかける権力者一族のジョナは、サングラスを外すと、彼女ににっこりと笑いかけた。エロイーサは驚きに言葉も出ないらしい。あれほど情熱的な恋人だった彼女が、なぜあんなふうに逃げだしたのか?その理由をどうしても知りたくて、ジョナはやってきた。そして、最後にもう一度ベッドをともにしてから彼女を無慈悲に捨てるという究極の目的を果たすために。(『秘密の電撃結婚』)。
小さな宿を独りで切り盛りするアマベルが突然の嵐に心細い思いをしていた夜、オリヴァーという医師が部屋を求めてやってきた。彼の気さくで温かい人柄に安心感を覚えた彼女は、人生で初めて男性に憧れを抱いた。ある日、孤独に苛まれたアマベルが将来への不安に人知れず涙していると、そこへ偶然オリヴァーがやってきて…。(『聖夜に祈りを』)。薄暗い地下の使用人部屋で暮らす執事の娘アンジーは、屋敷の主の跡継ぎレオが妻子を亡くしたとき、慰めたい一心で彼に寄り添い、情熱を交わした。だが妊娠がわかると、出自不詳の子を孕んだ女呼ばわりされて追い出されてしまう。レオも、実の父も、かばってはくれず…。2年後、幼子を育てる彼女の前に、レオが現れた!(『永遠のイブ』)。イアンだわ!クリスマスの集まりで、ジュリアはずっと想いつづけてきた美しい貴公子を見つけて思わず声をあげた。4年ぶりの再会。彼は事故で瀕死の傷を負って以来、社交界から姿を消していた。ジュリアは喜び勇んで駆け寄ったが、彼の手には杖が握られ、顔も堅苦しいまま。まぶしかったあの笑顔はどこへ行ってしまったの?(『秘めつづけた初恋』)。
ロンドンで多忙な日々を送る看護師メアリー・ジェーンは、余命幾ばくもない祖父の看病をするため帰郷した。すると、彼女の唯一の肉親である祖父は、オランダから呼び寄せた外科医ファビアンを紹介して言った。「私が死んだら、ファビアンがおまえの後見人を務めてくれる」もう22歳なのになぜ後見人が必要なの?メアリー・ジェーンは思った。かなり年上のファビアンは、見た目は満点の男性だけれど、ひどく傲慢で、まるでばかにしたように私を見てくる。だがほどなくして祖父が亡くなると、彼女はファビアンに連れられてオランダへ行くことになるのだった…。
ずっと音信不通だった元婚約者ジョードンが突然現れ、ミアは思わず息をのんだー彼が幼い双子の娘を連れていたから。10年前、彼女を捨ててNYへ行き、成功して大富豪となっただけでなく、どうやら運命の人を見つけて、父親にまでなっていたようだ。私にとっては、彼だけが心から愛した人だったのに…。だが、涙をこらえるミアに、ジョードンが信じられないことを告げる。「この子たちは君の娘でもあるんだ」なんですって?どういうこと?聞けば、かつて彼とミアが提供した受精卵を使って双子をもうけた不妊の夫妻が先日亡くなり、ジョードンが後見人に指名されたという。ジョードンと私の子!しかも、彼は結婚していなかった!内心喜ぶミアだったが、ジョードンは養子に出すつもりで…。
大病を患ってあらゆる治療を受けた天涯孤独のエマは、クリスマス後に検査を控え、落ち着かない気分だった。もし結果が悪ければ、余命を数えながら生きるしかない運命…。せめて、体調がいいのでまだ働ける今だけでも誰かと過ごしたいと、エマはクリスマス期間だけのナニー職に応募することにした。「ここで子供たちのお世話をするのが本当に楽しみです」青白い顔のエマがほほえむと、医師のアダムは冷ややかにうなずいた。住み込みのナニーを募集したが、応募者はたったの1人きり。前任者が突然辞めて困っていた彼はやむなくエマを雇うことにした。彼女が、人生最後で最高のクリスマスを望んでいるとも知らずに。
旅先で負傷したギリシアの裕福な老人に気に入られ、看護師のエミリーは彼の屋敷に住みこんで世話をすることになった。老人の息子ニコは罪深いほど魅力にあふれた男性だが、父親とはいつも角突き合わせていて、優しさが感じられない。エミリーに対しても、父の財産を狙う悪女だと疑っている様子で、あまりにもひどい邪推に彼女は怒りを抑えきれなかった。ところが落雷による停電で屋敷が真っ暗になったとき、ふと触れ合った二人はいつしか唇を重ねていた。エミリーはニコのとりこになり、身を捧げて妊娠してしまった。彼の父から、息子は女性をおもちゃにする男だと言われていたのに。
疎遠になっていた家族とクリスマス休暇を過ごすため、メグはまだ幼い息子を乗せ、吹雪のなか車を走らせていた。あっと思った瞬間、誤って傍らの屋敷の壁に突っ込んでしまい、車は故障。やむなく一晩、屋敷の主ジェドの世話になることに。無愛想で気難しい彼になぜかメグは惹かれ、いけないと知りつつ熱いキスを交わしてしまう。翌朝、実家まで送ってくれた彼は、超人気作家だと正体を明かした上、メグとは親密な間柄のように振る舞った。急にどうしたの?母と姉の刺すような視線が息子に向けられていることに気づいて、何かを察したのかしら。でも、ごめんなさい。息子の出生の秘密は言えないの…絶対に。
クリスマス間近のその日、ヴァイオレットは新天地へ向かった。一夜限りの恋人との思い出を、大切に心にしまって。勤務場所は、世界一豪華な特急列車。彼女は乗客係だ。だが清掃に訪れたプレジデンシャル・スイートで、抱えていたクリスマス飾りを落としそうになった。ゴージャスで少し陰のある表情…。ローマン?忘れえぬ夜の男性は、世界的大企業のCEOで、新しい雇い主だったのだ!同じ日、まさかの妊娠が判明する。長い闘病生活に苦しみ、恋も結婚も諦めていた私に赤ちゃんが?「僕の子供を妊娠しているんだね。結婚しよう」
気づいたとき、ビアンカはたくましい腕に抱きあげられていた。飛行機が不時着し、同乗していた富豪クサントスに助けられたのだ。雪山の小屋で一夜を明かし、救出されて見知らぬ土地で過ごすうち、恋愛経験の少ないビアンカは冷酷だが魅力的な彼に惹かれていった。そして熱く誘惑されて純潔を捧げたあとも、彼と会いつづけた。都合のいい女になりたくなかったが、一緒にいたい気持ちは強すぎた。妊娠したときは、子供を望まないクサントスに伝えるのが怖かった。案の定、非情な富豪は他の男を夫にしろと告げ、彼女は悲嘆に暮れる。ところが、一人寂しくイブを過ごすビアンカを彼が訪ねてきて…。