出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
失読症を抱えるルーシーは定職につくこともままならず、これまで恋愛もうまくいったためしがなかった。愛する人は誰もが私から去っていくー母の眠る霊園の管理人をしながら、そんな思いに囚われていた。だがある日、ルーシーは姉の職場で社長のマイケルと出会い、ひと目で激しく惹かれた彼女は、誘われるまま夜をともにした。ハンサムでセクシーな彼の情熱はルーシーをとりこにしたが、永遠の愛や約束を、彼に求めるつもりはなかった。思いがけず、マイケルの子を宿したと知ったあとでさえ…。
母の死後、継父から家を売ると言われて、タンジーは驚いた。さらに、あるギリシア富豪の形だけの妻になれと言われて戸惑う。富豪のジュードは目の覚めるようなハンサムな男性だったが、タンジーを日用品か何かみたいに品定めし、結婚の話を進めた。しかしベッドをともにすると聞いて、タンジーは仰天する。まだ男性を知らなかった彼女は、怖くなって家に逃げ帰った。だが継父は激怒し、それなら今すぐ出ていけと継娘に迫った。生後10カ月の、愛する妹の幸せを考えるのよ。泣く泣くタンジーは富豪に電話し、結婚を承諾するのだった…。
生まれてから今までの22年間、ハリナは自由を知らない。キスの経験もないのは、野心家の父が娘を政略結婚に利用するためだ。富豪リコに惹かれたとき、彼女は朝がくれば終わりと知りつつ、初めて目のあたりにした完璧な魅力には逆らえず、彼に純潔を捧げた。結果、父の逆鱗に触れ、誰も来ない辺鄙な場所で暮らせと命じられる。だが、彼女が恋い焦がれた男性は王族よりも力がある富豪だった。こんな遠い僻地まで、リコが私を助けに来てくれるなんて。でも待って、なにかおかしい。なぜなら彼はものすごく怒っている。理由は、父によって決められた許婚がいると、私が言わなかったから?それとも…私があの夜、リコの子を妊娠したことを黙っていたから?
4年前、ミッシーは夫に捨てられ、幼い三つ子を抱えて途方にくれた。母はすでに亡く、酔いどれの父に頼ることもできないなか、ほそぼそとウエディングケーキ作りの仕事をして暮らす毎日だ。そんなある日、隣家にたくましくセクシーな男性がやってきた。ハイスクール時代、親切に勉強を教えてくれたワイアット。魅力的な大富豪となった彼の変貌ぶりに、ミッシーは密かに息をのんだ。と同時に、ワイアットから卒業式後のデートに誘われていたのに、父にドレスを汚されて行けなかった哀しい思い出もよみがえる。今や男性不信になってしまったミッシーは恋など求めていなかったが、子供たちに優しく接するワイアットを前に、胸がときめいて…。
社交界デビューの夜、バイオレットの夢は砕け散った。幼なじみのセスと最初のダンスを約束していたのに、彼女のドレス姿を見たとたん、彼は何も言わずに背を向け、そのまま別れの言葉もなく戦地へ行ってしまったのだ。わたしが美しくないから、きっとセスは幻滅したんだわ…。それからの月日は絶望のうちに過ぎ、6年が経った。夫を見つけられないなら出て行けと父に叱られたバイオレットの前に、戦地から帰還したセスが現れる。罪深いほどすてきな男性になって。兄亡き後ダルトン伯爵の称号を継いだ彼は、近く妻を迎えるという。そして、彼はバイオレットにきいたのだ。「なぜ君はまだ独身なんだ?」。
病でもう長くない母を安心させるため、社交界にデビューしたボニー。田舎育ちで持参金もない彼女に、夫を選ぶという贅沢はできないので、最初に申し込んできた人と結婚するしかないことは覚悟していた。そんなある夜、ラドクリフ公爵とワルツを踊り、恋におちてしまう。公爵ほどの人が、地位も何もない娘に興味を持つはずがないのに…。恋心を戒めるものの、翌日の夜会でも気づけば彼の姿を捜していた。しかし、ラドクリフ公爵を見つけて胸を弾ませたのもつかのま、母の容体が危ういとの報せがもたらされ、ボニーは激しく動揺した。すると驚いたことに、公爵が馬車でボニーを実家まで送り届けると、病床の母にこう告げた!「お嬢さんとの結婚を認めてください」。
メラニーは、近ごろ亡くなった見知らぬ老人から、チェシャーに立つ広大な屋敷を遺されたという報せを受けた。謎めいた遺産など受け取れない。慈善事業に寄付しようと決め、屋敷を訪れると、ルークという魅力的な男性と出会った。近所に滞在しているから、内装の修復を手伝ってくれるという。優しく、気品をたたえる裕福そうな彼に強く惹かれていき、あるときついに情熱を分かちあったメラニーは舞いあがった。ところが直後、ルークの婚約者を名乗る女性が訪ねてきて、「彼の目的は、この屋敷を取り戻すことだけよ」と言ったのだ。
“48時間以内に結婚し、最低1年は夫と一緒に暮らすこと”亡き祖父がケイシーに課した、遺産相続の条件。その狙いは、一家の顧問弁護士と彼女を結婚させることだった。だが鼻持ちならない弁護士を忌み嫌うケイシーは、屋敷を飛び出すと、男性客でごった返す街のバーに飛び込み、声を張り上げた。「夫が必要なの。独身で、最初に立候補した人と結婚するわ!」静まり返る店内に、たったひとり名乗りを上げた男がいた。奥の暗闇から現れた美しい顔と世にも冷たい瞳を見た瞬間、ケイシーは心を奪われたーその男、ライダー・ジャスティスに。こうして、昨日まで他人だった夫との、奇妙な結婚生活が始まった…。
地味とバカにされ傷付いた文香は、ウィッグとコンタクトで変身して合コンに参加。目立たない眼鏡男子・秀人と出会い、お付き合いすることに「君だから、ここに連れてきたかった」休みの日にコテージに連れ出され、身も心もとろとろに愛されて幸せな日々。ところが自分と同じ世界に居ると思っていた彼は、実はイケメンで有名なIT会社の社長で…!?
イタリアの二大ファッションブランドの合併を強固にするため、オリヴィアは相手企業の御曹司カルロとの結婚を受け入れた。だが、結婚式直前、カルロが別の女性と駆け落ちしてしまった。それを伝えに来たのはカルロの兄、アレッサンドロだ。ブランドを率いる冷徹な経営者で知られる彼は無造作に告げた。「式は予定どおり挙げる。ただし、花婿はカルロではなく僕だ」オリヴィアは静かにうなずいたー本当はひそかにアレッサンドロに惹かれていたから、恋心を悟られないように。彼にならって愛のない結婚に殉じようーそう心に決めて。
大企業のCEOであるダンテは闘病中の父の訃報に茫然とした。父は離婚後、個人秘書に採用した若い女性と結婚した。どう見ても金目当てに違いない、魔性を秘めたミアと。2年前、初めて会ったとき彼女に抱いた欲望が今も身を苛む。ミアは夫の死後も結婚の秘密を守ろうと固く心に決めていた。私は雇われて妻を演じただけで、この先もバージンのままなのだ。だが、初対面のときからダンテに惹かれていたミアは葬儀後の夜、思いがけない彼のやさしさに触れ、不覚にも身を重ねて…。
ベルは大富豪ギャランティ家の家政婦の娘だった。一家の次男レミーは親友で、長男アレクシーは初恋の人だ。ある夜、深い苦悩に沈んでいたアレクシーを放っておけず、ベルは彼を慰めたい一心で、心からの愛と無垢な体を捧げた。ところが、君は弟の恋人なのに兄も誘惑するのかと誤解され、不慮の事故でレミーが亡くなると、君のせいだと責められ、ベルは屋敷を追い出されてしまったー彼の子を宿したまま。5年後、ベルと幼い息子の前に、不意にアレクシーが現れる。息子を見た彼は言った。「君は…弟の子を産んでいたのか!」
小さな村の学校で事務員を務めるマーシーは、親友の結婚式で誤ってお酒の入ったジュースを飲み、気絶する。気づいたときには自分の部屋にいて、隣には男性が寝ていた。彼は…結婚式で会った、会社経営をしているというクロフト!そこへ間の悪いことに、心配した知人が訪ねてきた。二人の噂は小さな村であっという間に広まってしまい、マーシーは貞操観念の強い家主から部屋を追われてしまう。行き場をなくした彼女に、クロフトは僕の別荘に来いと言った。あの夜二人に何があったかきけないまま、マーシーは頷き…。
「きみの息子は無事だ」夫のモーガンの声に、カトリーナは身を震わせた。いくら夫に会いたいとは思っても、病室での再会は望んでいなかった。モーガンから一方的に別れを切り出され、家を飛び出したのは4年前。カトリーナは南アメリカで看護師として支援活動中に、病死した少女の忘れ形見を引き取って独りで育ててきた。今回の帰国は、夫の手を借りて正式に養子縁組をするためだった。なのに、モーガンのもとへ向かう途中で事故に巻き込まれ、運び込まれて手術を受けた先が、なんと彼の働く病院だったのだ!病床から、あの子の父親になってほしいと懇願すると、夫は言った。「きみの厚かましさには驚くよ。ぼくを苦しめて楽しいのか?」
きらめく海、白い波ー美しい砂浜に一機のヘリコプターが着陸した。降り立ったのは、ロンドンの冷徹な実業家ダリウス・ファルコン。彼は新しくこの地の所有者となり、視察に訪れたのだ。そこに暮らすハリエットは、浜辺に佇む彼を偶然見かけ、声をかけた。高級スーツをぱりっと着こなした都会的なダリウスに惹かれるが、ほどなく彼女の飼い犬のマナーを巡って口論になり、最悪の雰囲気に。はじめは魅力的だと思ったけれど、なんて傲慢な人なの!ところが後日、元妻の結婚式に同伴してほしいとダリウスに求められ、ハリエットは驚いた。しかも、恋人のふりをしてだなんて。戸惑いながらも、彼女は華麗なるロンドン社交界に身を投じたー
母の介護をして過労で倒れたグレースは、大学時代の友人ジュリアに誘われ、イタリアで休養することに。侯爵のマッテオと出逢い、魅了された直後、ジュリアから彼の子を身ごもっていると自慢げに打ち明けられる。数日後、マッテオはグレースに誘いをかけてきた。即座に断るグレースだったが、彼は外出先でも近づいてきて…(『侯爵家からの招待』)。社長のラングは高慢で移り気なプレイボーイ。恋人を次々に替え、別れの印の赤い薔薇を手配するのは、秘書のニコラの役目だ。それだけでもうんざりなのに、よりによって今度は、私の妹に目をつけるなんて!妹は夫ある身。なんとか引き離そうと奮闘するも、二人のキスを目撃してしまい、ついにニコラは退職を決意したが…(『別れの薔薇でなく』)。昼はカフェ、夜はホテルで働くケイシーが仕事を終えて帰宅すると、億万長者ザンダーが待っていた。彼は元夫の浮気相手の夫。以前にも会ったことがあるけれど、自信に満ちたハンサムな彼が私になんの用かしら?いぶかる彼女に告げられたのは、なんと便宜結婚の申し出。「結婚してほしい」と聞くや、ケイシーは気を失ったー(『富豪のプロポーズ』)。
有能で心やさしい看護師エスメラルダは、男性に対して奥手。というのも、幼いころポニーに踏まれて足が不自由になり、自分に自信が持てなくなってしまったことが原因だった。そんなある日、オランダから形成外科医のバムストラ医師がやってきた。一分の隙もない服装のハンサムな彼は、エスメラルダの足を診るなり、自分なら治せると断言した。これまであきらめていたけれど、本当はみんなみたいに踊りたいし、優雅に歩けるようになりたい。バムストラ医師を信じて、オランダで受けた手術は無事成功する。その後も親切にされ、エスメラルダは彼に好意を抱くようになるが、私生活のことになると、彼はなぜか話をはぐらかし…。
実業家マーコスの秘書である双子の妹の頼みに、ベスは驚愕した。社内不倫をして妊娠したので、極秘に出産するまでの間、ベスが妹になりすましてマーコスの秘書を務めてほしいというのだ。話を聞く限り、マーコスは社内恋愛すら許さないワンマン社長らしい。妊娠が知れたら仕事を辞めなくてはならないと悩む妹を放っておけず、ばかげた計画と思いつつも、ベスはやむなく協力することにした。緊張の初出勤。初めてマーコスと対面し、息が止まりそうになった。傲慢さをにじませながらも、荒削りでセクシーなボス。ぼうっと立ちつくすベスは、想像すらしていなかったーまさか彼と恋に落ち、皮肉な運命を思い知ることになるとは。
9歳から進行性の病と生きてきたバーニーには杖が欠かせなかった。仕事を終えて下宿先に帰る途中、不意につまずいて車道に倒れてしまい、バーニーの目の前で黒塗りのリムジンが急ブレーキで止まった。「見事なタイミングで飛び出してきたな」リムジンから降り立った男は、彼女がわざと転んだと思っているらしい。その男、大富豪マイキー・フィオーレはそういう女に飽き飽きしていた。スター顔負けのルックスと莫大な富を狙う女性が後を絶たないのだ。だが、転倒した拍子に飛んでいった杖を捜してほしいと彼女が言うので、マイキーは自分の過ちに気づき、家まで送ると申し出た。そして、断るバーニーを軽々と抱き上げ、問答無用で車内に押し込んだ!