出版社 : 中央公論新社
名手によるあの快作が復刊! 今こそ読みたい【泣いて笑ってお江戸体感小説】 神田で小間物屋を営むお葛(かつ)は、 お気楽亭主とわんぱく盛りの子らと、季節に添った長屋暮らし。 珍妙な若返り薬を売り出したり、 ひとの恋路に首を突っ込んだりのある日、 頼みの綱の奉公人・清さんに移籍話が持ち上がり……!? \乗り越えるんじゃない、やり過ごすんだよ/
日韓特殊部隊の協力により、シアトル空港は反乱軍から奪還された。一方、全米を揺るがす連続殺人事件の容疑で逮捕されたのは、次期大統領候補として名高い有力議員だった。混迷を極めるアメリカの行方はーー。
全米図書賞受賞作家、最新作! 台湾グルメ×レトロ建築×女子共同生活 「あんたと一緒にいない日々は、とても寂しかった」 ワケあり住人たちが味わう未知の痛みと、百年前の台湾料理。 古い日式建築の女性専用シェアハウス・四維街一号。 一階は、BL作家の知衣と聡明でモテる小鳳、 二階は、苦学生の家家とシャイな乃云が住む。 酒呑み大家に見守られ、賑やかだった共同生活は、 百年前の台湾料理レシピの出現とともに、 ある家族の歴史と五人の孤独を溶け合わせていくーー いま最も注目される台湾人作家が贈る、忘れがたい台中ローカル食卓物語。 池澤春菜さん満腹! 「なんでこんなに懐かしいの? 四維街一号に、きっとわたしも住んでいた」
先生は、わたしの秘密の〈魔法使い〉だったーー。 長谷川はんなが通う寒々しい保育園に、突如担任としてやってきた黒原ローズ先生。それから15歳まで、はんなを支えた先生の〈魔法〉とは? 名作『氷の海のガレオン』、話題作『ぼくらは、まだ少し期待している』の著者による、待望の書き下ろし長編。 【目次】 ローズ先生 トム・ティット・トット こどものとも サミール パンチング・ギル 穴 光る本 旅 客 魔法の夜 Hannah 蝶々の渡り
2027年大河ドラマ『逆賊の幕臣』の主人公に決定! 幕末を生きた天才的能吏の壮絶な生涯を描く傑作。 黒船の来航により、あらゆる価値観が変化していく幕末動乱期。 日本に「関税」という概念すら存在しないこの時期に、ひとりその重要性に気付き、諸外国を驚嘆せしめた男がいた。 旗本・小栗忠順。 武士でありながら、政治・経済の才覚を持つこの男は、外国奉行や勘定奉行を歴任。 幕臣たちに忌み嫌われる「上野介」を名乗り、勝海舟や十五代慶喜と対立しながらも、 幕府財政を再建のために、国内外を奔走する。 やがて訪れる戦乱。誰もが保身に奔る中、それでも忠順は、後の世のことを諦めない。 彼を突き動かすのは旗本としての矜恃、そして何より、大切な妻との約束であった。
『クラスメイトの女子、全員好きでした』 『死にたい夜にかぎって』の著者、初の小説。 僕が住む町の外れに、変わり者の太ったおじさんが住んでいる。 学校では不審者扱いされていて、 僕もふざけて「ゴブリン」なんてあだ名をつけてしまった。 悪いことをしたと思ってる。 だってゴブリンだけなんだ。僕の頭を撫でてくれるのは。 お母さんは家を出て行っちゃったし、 お父さんは毎日僕を殴るからーー。 少年と中年のくだらない日常が、心の傷の在処を教えてくれる。 自らの過去を投影して描いた、悲しくも笑顔になれる、 自分だけの愛を探す物語。
米国は恐るべき底力を発揮し、ついに連合艦隊を圧倒する大艦隊を繰り出してマリアナを陥落させた。占領されたサイパン島にB29爆撃機が進出すれば、首都東京を含む日本本土が攻撃可能になってしまう。 硫黄島基地から間断なく空爆を仕掛け飛行場建設を妨害するも、わずかな時間稼ぎにしかならないことはわかりきっていた。 多数の主力艦を失った連合艦隊に対し米艦隊はさらなる増強を続け、もはや彼我の戦力差は絶望的に開いてしまっている。 さらに、米軍が硫黄島攻略を狙っているという情報が。 追い詰められた連合艦隊は、旧式戦艦をも含む残存艦艇をかき集め悲壮な覚悟の元に出撃する。 果たして米軍の進撃を止めることができるのか。 「硫黄島は断固死守しなければならない。万一硫黄島が陥落したら、本土空襲は確実なものとなる」
此の世に不可思議なことなどないと洲齋は言った。 「ないかの」 「ありません。起きた以上は必ずそうなるだけの理由があるのです。乾坤の間に理が通じぬものなど、ただの一つもありませんよ。 理が通じないのは、このーー 人の心だけ。 狐猟師の稲荷藤兵衛の裏の仕事は人の嘘を見抜く洞観屋。ある日、老中首座水野越前守の改革を邪魔する者をあぶり出せとの命を受ける。その者たちは奇手奇策を用いて衆生を惑わし、人心を恣にする化け物遣いというが……。 江戸の巷に暗躍する御行の又市一味の物語、堂々完結!
アラスカ・アンカレッジに上陸を果たした中国とロシア。 司馬率いる自衛隊水機団は警戒を強めていた。 一方、中国の新型機に民航機を撃墜された報復として、米軍は中国の戦闘艦を撃沈。 エアフォース・ワンに乗る大統領もターゲットに……。 ますます混迷を深める第5巻!
もう誰に向けて話しているのでもない。梦(くらがり)はいっそうに深くなり、闇と影とのただ中には、最早誰がいるものやら、いっこう判りはしないのだ。目を凝らしても淡朦朧(うすぼんやり)と、幽かに人形が浮かぶだけ。誰とも知れず、顔も罔(な)いならそれは、正に幽霊である。 幽霊と話しているようなものだ。(本文より) 幽霊役のみ天下一品の役者・小平次。家では押入に引きこもったまま、彼を疎んじる妻と暮らす。ある日、囃子方の多九郎が高額の旅興行の話を持ってきたが、その裏には小悪党の又市がいるという。山本周五郎賞受賞作。 〈解説〉斎藤環 京極夏彦「第一六回山本周五郎賞受賞のことば」 縄田一男「甦る幽霊たち 「京極怪談」の意義」 を増補した決定版
豪州を連合国から脱落させる日本の戦略は頓挫する。 連合艦隊司令長官近藤信竹大将はソロモン諸島とニューギニアの兵力を引き上げラバウルの防備を固めて迎え撃たんとするが、米海軍は手薄となっていたカビエンを奇襲。 トラックとの連絡を絶たれたラバウルは敵中に孤立し、トラック諸島も空襲にさらされ艦隊泊地としての機能を喪失してしまう。 豪州を守り切った米軍が次に狙ってくるのは、マリアナ諸島である。 ここに基地が構築された場合、日本本土が重爆撃機B29の攻撃圏内に入ってしまう。 新鋭エセックス級空母10隻を押し立てて迫りくる米海軍に対し、連合艦隊も空海の総力を挙げて立ち向かうがーー。 「米軍は十中の十までマリアナに来る。GF司令部は、そのように判断している」
私たちの声はよく似ているのでどれも混ざる、来年も私たちは五人でいるだろうーー。 母の再婚で「姉」になったハルア、 恋愛に打ち込みたいスポーツ少女ナノパ、 鼻の低さがコンプレックスのダユカ、 「空気の読めなさ」を自覚するシイシイ、 家計のためバイトに明け暮れるウガトワ。 高校二年生の仲良し五人組。 同じ時を過ごしていても、 見据える景色が同じとは限らない。 芥川賞作家が描く、澄みわたる青春群像劇!
秘すれば、花なりーー。 そう微笑んだ彼女は、美しかった。 この世のものではあり得ぬほどに。 「パパの死体を捨てるの、手伝ってくれない?」 2021年、コロナ禍の新宿トーヨコ。 茨城を飛び出したジローは、キャイコと名乗る少女と出会い死体遺棄に協力する。 キャイコはなぜ父親を殺したのか、そしてジローはなぜ彼女を救ったのか? その答えは、遠い昔に失われたはずの能曲「金色姫」に秘められていた。 足利、豊臣、徳川。時代を超えて権力者を魅了したその舞が令和の新宿に顕現するとき、約500年にわたる祈りの物語が収束する。 気鋭のSF作家による、能楽×サスペンス×百合クロニクル、開幕!
匣(はこ)に刻まれた一字は己の運命。 その字に従うか、刃向かうかーー。 これは少女が国を「盗」み、世界を変える物語。 大陸一の港町・顎港の路地裏に、赤子が打ち棄てられていた。 僑燐(きょうりん)と名付けられたその少女の持ち物は、首に提げられた小さな匣のみ。 それもまるで開く気配がなく、ただ「盗」の字が刻まれているだけ。 この一字に導かれるように、長じた僑燐は盗賊団を乗っ取り、義賊として民たちに慕われていく。 そして顎港の支配者と対立し、歴史がうねりを上げて動き始める。 構想10年、編み上げた物語年表は1000年分。 新時代の中華ファンタジーシリーズ、ここに開幕!
大冒険小説の傑作を新装刊 海賊が跋扈する17世紀末。 海賊討伐の命を受けて出帆するも自ら海賊船へと姿を変えた「アドヴェンチャー・ギャレー」号。 航海士としてこの船に乗り組み、やがて海賊船の船長となったジェームズ・モアは、ユニークで頼りになる仲間たちとともに大海原をゆく。 海賊としての輝かしい成果と数々の危機。痛快な大冒険。そして因縁の対決へーー。 1998年初版、傑作海賊冒険小説を新装版として刊行
田中小実昌 生誕100年記念刊行 『ポロポロ』から『アメン父』へーー。 幼少期、従軍、復員ののち東大哲学科入学。 米軍基地のアルバイトで暮らし、翻訳家、小説家となって後も、コミさんは哲学に関心を持ち続けた。 映画館への途中で、バスの旅で。カバンに忍ばせた文庫本に、文句と注釈をつけながらも読み続ける。 そんな日々が、いつしか「小説」となる……。 「哲学」「宗教」「小説」の三位一体のかんけいの謎を追究し、著者晩年の代表的シリーズとなった「哲学小説」を初集成(全三巻)。 第3巻は「カント通りまで百メートル」(1982)から「LAにいるのかな」(1997)まで、単行本未収録作品14篇をまとめる。 〈解説〉佐々木敦 [全巻構成] 第1巻 『カント節』『モナドは窓がない』(全11篇所収)/巻末対談:柄谷行人/平岡篤頼/井上忠 第2巻 『なやまない』『ないものの存在』(全10篇所収)/巻末対談:池内紀+堀江敏幸/保坂和志+石川忠司 第3巻 単行本未収録作品集(全14篇所収)/解説:佐々木敦
「可能だから殺すワケじゃない。 必要があるから殺さねばならないだけだ」 超人かつ魔人として覚醒した悩める高校二年生・黒江徹17歳。 彼の赴く学園に巻き起こる、各国特殊部隊との銃撃戦、異形の生命体との死闘……。 ライトノベルの皮を被ったハード・バイオレンス・アクション、復刊第二弾!