1987年発売
20世紀も終わりを告げるころ。凄まじい超能力を秘めた竜堂家の4兄弟に魔の手が迫っていた。彼らの力をわがものにして、地球支配を企らむどす黒い巨悪。だが、彼ら4兄弟には屈伏という言葉はない。そして、最大の潜在パワーを秘めた末弟・余が覚醒したー。想像をはるかに超えるスケール!待望の書下ろし巨篇!
ときめく心を持ち続ければ、年とることなど怖くない!若き日に苦労した分思いきり楽しまなけりゃ、いったい何の人生か。年寄りは年寄りらしくの声にもめげず、思う存分老後をエンジョイする77歳歌子サン。1人マンションで優雅に暮す歌子サンの周りには、今日も様々な出来事が持ち上る…。いつまでもときめきを忘れずに生きる歌子サンの大活躍を描いた連作短編シリーズ第2弾!
罪を問われて故郷の〈拷問者組合〉から追放されたセヴェリンは、幾多の冒険をかさねたのち、スラックスの街にたどりついて、警士としての日々を送っていた。だがふとした偶然で昔なじみのアギアと再会したことから、彼はスラックスを出て、再び荒野を目ざすことになった。セヴェリアンの前には、謎を秘めた人間や異形のものが次々と現われ、いつしか彼は、さしもの名剣テルミヌス・エストにも断ち切れぬ運命の糸にからめとられていくのだった!黄昏に沈む惑星ウールスを舞台に、言葉の魔術師と謳われるウルフが織りあげる傑作サイエンス・ファンタジイ第三部ついに登場!ローカス賞受賞。
猿沢ら4人のジャズ・プレーヤーが、ハリウッド・ジャズ・フェスティバルに招かれた。だが彼らが宿泊したモーテルでアメリカ人の女性が殺され、猿沢が容疑者とされてしまう。事件の鍵を握る被害者の夫の過去に隠された恐るべき秘密!やがて4人の超能力者は壮絶な死闘に巻きこまれる。読切りシリーズ第4弾!
紅孔雀をさがす無明行人は、生まれ変わって、苛酷で荒廃した修羅世界に踏みだす。そこは暴力の支配する闇の領域だったが、また超人類を生誕させる女が棲む魔界でもあった。女陰胎道に分け入った自我を神秘にいざなうという美麗しき紅い小蛇とは何?官能と魂が激しく交錯する魔界バイオレンス決定版!
どんなことでもツー、カーでわかってしまう“特殊な関係”の“あたし”こと真美と祥子。けれど、そんなあたしたちの間にも、誰も知らない“悩み”がいっぱい!ふたりをからめている不思議な糸の正体って、一体なんだろう?-現代のファンタジストが描く、若い女性の奇妙な愛と夢の長編青春物語。
若き釣人ワスビルは、ケシモの海に舟を漕ぎ出し、ワシスを餌に釣をした。ケシモの海の最深部の闇の中には、とてつもない大魚怪魚異魚がいるという。その名をヨネチ。すべての魚の先祖、原魚だと言われている。ワスビルが「今日こそは」と伸ばした道糸の先に確かな魚信があった…。「かんべSF」の快作11編を結集!
アル中気味の私立探偵・布施稔47歳。生まれたばかりの子供がすりかえられた、妻の浮気相手を捜して欲しいと、ある日妙な依頼人が現われた。調査を進めるうちに人間関係は意外な方向へ展開し、やがて殺人事件が起こる…。はぐれ者の探偵が見た人生の一断面を、ミステリー・タッチで描く長編ロマン。
俺は私立探偵だ。名前を早乙女ボンド之介という。なにをかくそう旗本退屈男、早乙女主水之介の子孫なのだ。さらにイギリス情報局ジェームズ・ボンドの血も流れているのだ。ドジな真暮警部が助けを求めてきた難事件珍事件を(それも11件もだ!)名推理で、見事にジツに見事に解決した事件簿を公開しよう。
これは酒飲みのための童話である。単純で、新鮮で、意表をつき、みずみずしくて、手厚い物語である。酒ぎらいのネコが昼も夜も眼を光らせてスコッチの樽を守るというこの物語には鋭い観察眼とほのぼのしたユーモアがある。スコットランドの酒蔵を守る、愛すべき番猫たちへ捧げるレクイエム。カラー写真多数収録。
伊豆に流されて21年、ようやく決起の時は来た。石橋山の旗揚げに敗れて安房へ逃れた頼朝だが、たちまち大軍を呼集して鎌倉に入った。源平の雌雄を決する富士川の合戦は、水鳥の羽音に怯えて平家敗走。やがて清盛も死に、木曽義仲が京を占領。義経の軍は義仲、平家を滅ぼし、鎌倉時代の幕があける。
立正安国は法華経にあり!南無妙法蓮華経!捧げるは男の情熱。信ずるはその一念ー安房国の小湊の漁家に生を享けた善日丸は幼くして清澄山に入った。以来、救国の道を求めて懸命に切磋琢磨、勉学に励む。だが時の政権も民衆もいっかな眼を開こうとしない…迫害を超えて、信念を貫く炎の聖者の半生。
陸前花山村の於莵(周作)は腕は立つが短気者。誤まって近くの荒尾道場に押しかけた末、兄春太郎を谷に落とし妹奈々江を犯してしまった。故郷を出奔した周作は、江戸の一刀流道場浅利又七郎の門をくぐったが、美少女・綾の剣に己が未熟さを思い知らされる。恋の恨みの狂気にもまきこまれ、剣難女難の毎日。
1990年、中南米にデフォルトの波が起こり、世界経済は恐慌へと突入。サバイバリスト鈴原冬二をカリスマとする政治結社「狩猟社」には、官僚、企業家、思想家、法律家、学者、テロリストが集結し、社会的ダーウィニズムを実行していく。良識派は彼らをファシストと呼んだが、「狩猟社」は過激派をつぶし、労組のストを破壊し、要人にテロを加え、反対派を廃人にしながら、一気に日本の中枢を獲ろうとする。そんな彼らの前に、恐慌後秘密結成された多国籍企業集団「ザ・セブン」が徐々にその恐るべき姿を現わす。危険な予兆をはらんだ衝撃の近未来政治小説。
財テク狂乱、地価暴騰、恐慌不安、モラル崩壊、虚構都市東京…。繁栄の終幕を予言する1通の極秘経済レポートを受け取った情報の伏魔殿・内閣情報調査室は、秘密機関セクション7を使い、不安定化工作に乗り出す。続発する凶悪テロ事件。果たしてその目的はなにか?警察庁警備局長が謎の死を遂げた翌日、ひとりの男が首相官邸に呼び入れられた。矢野健一。東大法学部卒。警察庁警視正、内閣情報調査室経済部門調査官。極秘捜査を命じられた男は、“我々が得たもの”を追って動き出す。かつて青春を共有した友を失い、失われた過去と、未来を奪い返すために。