1994年発売
「お尻の穴に、入れるぞ、陽子ちゃん」陽子が、観念したように、まるまるした白磁のようなヒップを掲げたまま、その動きを止めた。自分の分身に、たっぷり唾を塗りたくり、河野は陽子の排泄器官のくちばしに熱く屹立するものを押しつける。陽子のヒップを両手で固定し、ぐいと、分身を突く。河野は、そのまま、ミリミリと音がたつほどに、じわじわと灼熱の肉棒を陽子の裏門に埋め込んでいく。十分に揉まれていたせいか、陽子のアヌスは柔軟であり、かつ、きゅっと河野の男を締めつけてくる。
「死にそうだ」-魔法使いクロサハンプは猛烈な頭痛に悩まされていた。この頭痛を治せる薬は海のかなたの薬屋でしか手に入らない。なんとかしてくれと泣きつかれ、ジョン・トムは薬を買いに旅立った。お供は海千山千のカワウソと2本の大剣をふりまわす雌トラ戦士。行く手をはばむ海賊、山賊、悪徳魔法使いを向こうにまわし、スペルシンガーのジョン・トムがまたもや大活躍。必笑の痛快ユーモア冒険シリーズ第3弾。
医学生ショーン・マーフィーは、特殊な脳腫瘍の治療にめざましい成果をあげているマイアミのフォーブズ癌センターに研修に来た。だが、研究心に燃えるショーンに対して、センターはなぜか秘密主義を押し通す。業をにやしたショーンは、追ってきたナースの恋人ジャネットとともに治療成功の鍵を探りだそうとする。やがて二人の前に、奇跡の癌治療の陰に隠された、恐ろしい事実が浮かびあがってくる!興奮の医学スリラー。
F-4ファントム戦闘機を駆るバニスター少佐は、ミグ四機を撃墜した名パイロットだった。彼の望みは、あと一機撃墜して東南アジアで最初のエースになること。だが、大統領命令で、事実上ミグと空中戦を禁じられてしまう。かわりに彼に与えられた任務は、夜戦専門の精鋭対地攻撃部隊を編成することだった。ところが折悪しく、北ヴェトナム軍がテト攻撃を開始。休暇中だったバニスターは借り物のファントムで出撃する。
敵の攻勢は熾烈を極めた。特殊部隊のローカート中佐は、孤立した民間人を救出するため、戦闘のただなかに赴く。一方バニスターは敵の補給路を叩くため、夜間の対地攻撃作戦を開始。経験豊富なパーカー大尉の協力で、敵の強力な100ミリ高射砲を発見する。作戦を成功させるにはこれを破壊しなければならない。かくてバニスターらは、堅固な高射砲陣地に大胆な攻撃を敢行する。戦闘機乗りだけが描きえた迫真の航空小説。
時は紀元前70年。ローマ警備隊を率いる若き貴族デキウスは、元剣闘士が殺された事件を捜査中、新たな任務を命ぜられた。今度はギリシャ人輸入商が殺され、犯人を至急逮捕せよというのだ。だが、二つの事件につながりを見出した矢先、元老院から謎の圧力が…ローマ時代のホームズが推理を武器に巨大な陰謀に挑む、謎あり恋あり活劇ありの冒険歴史ミステリ。
語れよ、あまたの世界の物語を。19世紀の詩人バイロンの娘にして、天才的な数学の才能を持つエイダ。彼女が世界初のプログラマーとして開発協力した階差機械は、幾多の世界を改変していく…。晩年の杉田玄白の許を訪れた間宮林蔵が語ったエトロフで出会った怪人とは誰なのか。ライヘンバッハの滝の上からモリアティ教授に落とされたシャーロック・ホームズに、殺人の冤罪を晴らして欲しいと依頼したフランケンシュタインの怪物の真意は。ロンドンの夜の路上で、メアリ・シェリーがチャールズ・ディケンズにひそやかに頼み込んだ重大事とは。…虚実ないまぜの人物たちが綾なす並行世界の物語。
大ドイツ帝国海軍潜水艦隊北米戦隊所属のUボート、U4982は、マイアミの根拠地から1950年最後の戦闘哨戒に出動した。「一体なんなのだ、こいつは」ブルーノ・ストランスキー大尉は海図を睨んだまま咳いた。隻数は5隻。うち4隻は駆逐艦。グアンタナモへの針路を15ノット前後に進んでいた。第2次大戦終結から8年-第3次大戦勃発からほぼ3年が過ぎた現在、駆逐艦のパッシヴ・ソナーで航走音を聞き取れる。「捜索用潜望鏡上げ。急速潜航に備えよ」相手は日本艦アキヅキ級…佐藤大輔の超人気作外伝登場。
さりげない会釈。思わせぶりな挨拶。畏れと媚びをふくんだ視線。六本木の街をゆく“J”に、そんなものがつきまとうようになった。たった一人でマシンガン片手に、コカイン密売組織を襲い、壊滅させた伝説のヒーローになってしまったのだ。誘惑も多い。その日の獲物は肉感的な唇をもった性悪猫のような魅力を放つ女だ。あえぎながら女は、シャワーを浴びるように懇願した。しかし、シャワーカーテンの隙間から突き出されたのはサイレンサー付きのワルサーP5だった。“J”を狙う執拗な視線。解き放たれた獣のゆくてには。
剣に将来を託し、武市半平太の命ずるままに暗殺剣を振るい続けた岡田以蔵の末路(「魔剣」)。世情騒然たる京都三条小橋のたもとにうずくまる老乞食と維新を焦る桂小五郎との奇妙な交流(「膿殺」)。西洋菓子の原型を日本で造り上げた紅屋留吉と維新後の永倉新八との不思議な因縁(「剣菓」)-幕末から維新の激流に翻弄されながらも、苛烈に生きた志士たちの命運を刻んだ九つの時代異譚。
果たし合いなど廃れていた江戸時代末期に、些細な口論から果たし状をつきつけられた武士の困惑(「蛍橋上流」)。藩主の意に背き、浪人の娘を嫁にとった親子の悲劇(「花散りて後」)。斬るなかれ、斬らるべしーという極意を得ていた剣の達人が、主君から放し討ちを命じられ、悩んだ末に思いついた秘策とは(「放し討ち柳の辻」)。武士道無残を峻烈に描き切った、緊張感みなぎる作品集。
足利将軍家の姫君香具耶を奪った者には南蛮銃三百挺をとらせようー。美女香具耶を憎む妖女玉藻の号令に信長・謙信・信玄らは色めき立った。姫を護るは剣聖塚原卜伝、上泉伊勢守。仕官先の大名の品定めに高見の見物決め込んだのは日吉丸。二匹の狐妖術対決。淀川では上杉軍と武田軍がぶつかって…。戦国オールスターキャストでお贈りする奇想天外・痛快無比の傑作長編伝奇小説。