1999年発売
画家になった元同僚の個展で、かつての部下で結婚退職した桜木映美に再会した大宮は、彼女が離婚したと聞いて、大胆にも「君を抱きたい」と耳元で囁いた。すると朝まで一緒ならと、いろよい返事の映美。さっそくホテルへ連れ込むと、これがとんでもない好き者で、朝まで大宮は…。熟れた身体を持て余す離婚妻から女子大生まで、欲望剥きだしの女たちの性態。
アリタは父を不名誉な死で失い伯父のラングストン公爵の邸で冷たい伯母の仕打ちに耐えていた。厩舎の世話に明け暮れる日々のなか馬だけが心のよりどころである。アメリカの大富豪クリント・ウィルバーが隣の館を買い上げることになった。その隣人に、公爵は馬を売りつけ夫人は娘を結婚させようと画策する。交渉は馬に詳しいアリタに一任されクリントは、厩舎の改造に協力するなら売買に応じると条件を出してきた。アリタはマースフィールド館へ通い始めクリントと共に、パドックの整備など新案を次々に実行していくが…。
八年という歳月を経て、二人の男が上京した。一人は刑務所から狂気を宿して。一人は山村から愛する一人娘を連れて。かつての仲間に裏切られ復讐に燃える和久井と野獣のようなパワーを持つ桜山は都会の片隅で劇的に出会う。桜山を復讐に利用すべく、娘のあかりを誘拐する和久井。親子は引き裂かれ、父は運命の奴隷となる。火花を散らす男と男。そして生と死。大都会を血に染めて、狂気と愛が激走する。気鋭が放つ衝撃のスーパー・ハードボイルド。
元警視庁の鬼・山城の組織した追跡抹殺部隊、暴力組織・旭道会、警察、自衛隊から成る重厚な包囲網が、マックたちに迫る。絶体絶命の危機のなか、マックたちの反撃と猛烈なる逃走が開始される。追われつつも巨大なる敵を殲滅すべく決意したマックたちに活路はあるのか。次々に倒れゆく犯人の死を乗り越え、雄大な大雪山を舞台に最後の死闘を繰り広げる犯罪小説のバイブル・狼シリーズ第三弾、完結。
パラダイン男爵家を脅かす怪現象の数々-ポルターガイスト、うろつく尼僧の亡霊、外から鍵をかけた部屋で夜ごとひとりでに曲を奏でるハープ。さらに悪いことに、客人が幽霊に襲われた!騒動を鎮めるため駆けつけた心霊探偵ヒーロー氏の活躍やいかに?『スノーグース』などで知られる心やさしきストーリーテラー、ギャリコ唯一の長編本格ミステリ、本邦初訳。
地方営業に呼ばれたフォークシンガー、七十四歳の女流詩人と結婚した七十六歳の文学者、新聞の勧誘に北欧までやってきた黒眼鏡のヨレヨレ男、開いてるのか閉まってるのか分からない中華屋の親父…。21篇の短篇小説がおりなす、人生模様カタログ。
戦国の世に豊後領主の子として生まれながら、父や既成の権威に反発していた青年・大友義鎮(宗麟)の心をとらえたのは宣教師ザビエルだった…。九州に覇を唱えた乱世の雄である一方、芸術家肌で、常に進取の精神を失わなかったキリシタン大名・宗麟の多面的な魅力と波瀾の生涯に迫る。
ピスケンが恋をした。お相手は、「血まみれのマリア」こと阿部まりあ。泣く子も黙る救急救命センターの看護婦長で、今まさに息絶えんとする重体患者を救うこと数知れず、の奇跡を呼ぶ女だ。あまりに意外な組み合わせに、驚きのあまり絶句する軍曹とヒデさん。一途で不器用なピスケンは、マリアのもとに通いつめるが…。悪漢小説の金字塔、佳境の第2幕。
「いろんなドラマがあるよ」人事部長を継ぐ田島は前任者からそのファイルを渡されるとき、こう言われた。住宅建材を扱う東亜建材産業株式会社。社史をさかのぼれば、じつにさまざまな事件があった。ファイルは、公式には記されていない事実に満ちていた…。人事マンは、あなたをどう評価しているのか?ユーモア、ミステリー、ホラーに彩られた傑作ビジネス小説。
嘉永六(1853)年六月、ペリー率いるアメリカ艦隊が伊豆下田沖に現れ、日本政府との面談を要求した。老中阿部正弘をはじめとする幕府側は親書を受け取ったが、水戸斉昭ら攘夷派の動きも活発になった。再び来日したペリー軍は上陸を敢行し、日米決戦の戦端が開かれた-。
表紙に惹かれて手にした『ななつのこ』にぞっこん惚れ込んだ駒子は、ファンレターを書こうと思い立つ。わが町のトピック「スイカジュース事件」をそこはかとなく綴ったところ、意外にも作家本人から返事が。しかも、例の事件に客観的な光を当て、ものの見事に実像を浮かび上がらせる内容だったー。こうして始まった手紙の往復が、駒子の賑わしい毎日に新たな彩りを添えていく。第3回鮎川哲也賞受賞作。
「俺だけを愛してくれる恋人が欲しい-」観光客とのゆきずりの恋愛に疲れ、誠実な愛を求めるトレイス。だが酒場で彼の心を奪ったブルーの瞳…ロジャーの正体はギャンブル界のキングだった!愛するには危険すぎる男。でも想いは燃え上がり!?フロリダを舞台に松岡なつきが贈る熱帯夜ロマンス、濃密なひとときをアナタに。
剣をもって修羅を生きよ!アヘン戦争前後の香港、ロンドン、幕末の日本を舞台に、大国の陰謀に独り立ち向う海賊“東海の青龍”。歴史の激流が渦巻く海で、命を賭して剽悍に生きた男を描く、壮大なロマン。
愛の欠如のなかに生きる孤独な人間の生と死、相つぐ奇想天外な事件、奇態な人々の神話的物語世界-マコンド村の創設から百年、はじめて愛によって生を授かった者が出現したとき、メルキアデスの羊皮紙の謎が解読され、ブエンディア一族の波瀾に満ちた歴史が終る。世界的ベストセラーとなった傑作長篇の改訳。ノーベル文学賞受賞。