2000年発売
迷いつつ歩み、新しい世界に巣立つ青春像。希望も恋も失って大学を中退、保育所で働きはじめた坂田菜青。人々のひたむきな心と愛に触れて、自分自身への確かな信頼をつかみとってゆく-。話題の長編。
愛なんて信じられない。こんな不確かでもろい感情はない。駿一はそう思っていた。突然隆士に告白された時も、大人のくせにあんまり真剣なのがおかしくて、援助なら、とOKした。どうせ、本気じゃないだろうから。でも彼は駿一に触れずに、まるで大切なもののように扱う。閉ざされていたはずの駿一の心は…?恋をしたくなる、表題作かきおろし。
学院寮の「氷の女王様」クールな美貌の忍。忍は、留学中にすれ違ってしまった工藤との恋をやり直したいけど、つい意地をはって素直になれない。工藤も、カッコいいのに鈍感なのだ。早く誤解に気づいて、忍のかたくなな想いを溶かして!かきおろしのXマス&お正月編も、忍の美貌が元で大変なことに!?心も体もあったかくなる学園ハッピーラブ。
読んでびっくりの表題作をはじめ、男が女に、女が男になる「パントの国で」、16世紀のプラハに迷いこんだアリスの物語、ハリウッドに題材をとった「幻影の商人」など、伝説や物語を大胆に作り替える手法で死後ますます名声の高い“イギリスの妖精女王”カーターの遺作。
十九世紀末、パリ。華やかなオペラ座の舞台裏では奇怪な事件が続発していた。首吊り死体、シャンデリアの落下。そして、その闇に跳梁する人影…“オペラ座の怪人”と噂されるこの妖しい男は一体何者なのか?オペラ座の歌姫クリスティーヌに恋をしたために、ラウルは、この怪異に巻き込まれる。そしてその運命の夜、歌姫とラウルは、まるで導かれるように、恐ろしい事件に飲み込まれてゆく。オペラ座の地下で、闇を支配する怪人と対峙したラウルが目にした、想像を絶する光景とは?そして怪人と歌姫の真実とは?不朽の名作『オペラ座の怪人』の新訳決定版、ついに刊行。
ジャズは、この男から始まった。少年サッチモを虜にした、ニューオリーンズの天才コルネット奏者、バディ・ボールデン。爆裂するコルネットを手に、狂気の淵へと疾走した苛烈な生涯を、妻や友人を語り手とする挿話、インタビュー、詩的断章等によって再現する。伝説と史実を巧みにコラージュした、『イギリス人の患者』(ブッカー賞)の作家によるドキュメント・ノヴェル。
1950年6月25日に勃発した朝鮮戦争が、作者と民族の運命を変えた。高校三年で人民軍に動員され、国軍の捕虜となって釈放後に越南した作者は、その切実な体験をもとに、戦争という極限状況下で出会った北と南の人びとのイデオロギーでは割り切れない人間本来の姿を活写する。統一への希求を結晶化した現代韓国文学の代表作。大韓民国芸術院賞・大山文学賞受賞。
南北戦争末期、負傷した南軍の兵士インマンは、故郷ノースカロライナに残してきた恋人エイダの許へ戻ろうと脱走した。危機と困難に満ちた旅の末、エイダとの再会を果たした主人公だったが…。アメリカの大自然を背景に、美しく詩的な言葉で描かれた、悲恋の物語。
究極の和菓子を目指し奈良、京都と辿るあすかの人生行路は、同時に一人の青年との愛を育む道程でもあった。幾多の障害を乗り越え、愛を成就させた時、あすかは求め続けていた和菓子を手にしていた。
人が脅されて怖がっている。苦しんで、悩んで、最後に自分を殺してしまう。それしか方法がない状態に追い込まれる。いじめは遊びじゃない、いじめは犯罪なんだ。「イントゥルーダー」「スピカ-原発占拠」に続く、衝撃の問題作。