2004年4月発売
“南条家の星”サッちゃんが通う名門小学校の修行旅行先は、なんとドイツ!母の麗子はもちろん、その双子の妹・美知をはじめ南条家一同も、なぜかうちそろって同行することにー。今回は、旅先ドイツで起こった怪事件とともに、「なぜ美知は14歳で家出をして、ギャング団のボスになるに至ったのか?!」という“衝撃の過去”が明かされます。
2007年、頻発する暴動により中国は建国以来、初めて国内的危機に直面していた。その影にはアメリカが仕掛けたオペレーションの存在があった。潜在的スーパーパワーの顕現を恐れるアメリカと、反米の狼煙を上げた中国。二大国の激突がカウントダウンに入り、さらにロシア、朝鮮半島が不穏な動きを見せはじめる。激変する世界情勢の中、日本が選択した道はー!驚愕のクライシス・ノヴェル。
御茶の水署・生活安全課保安二係の斉木係長とヒラ刑事の梢田は、飲食店視察の名目でタダ酒にありつくような、お調子者コンビ。そんな二人のもとに、堅物刑事・五本松小百合が配属される。女で、しかも階級が上の後輩に頭が上がらない梢田。一方、斉木は町で見かけた、派手な厚化粧の女に恋心を募らせていくがー。お茶の水界隈で繰り広げられる、恋と事件の大迷走。人気ミステリシリーズ第二弾。
曹操は長江の北岸に大軍を構えた。これに対し、劉備と孫権の連合軍は南岸に兵を配する。圧倒的な魏軍にも孔明は少しも騒がず、一夜に十万本の箭を作り、さらに季節外れの風を呼んだ。呉の名将周瑜はこれに奮起、曹操の軍に火攻めを敢行。火炎地獄となった赤壁を後に曹操は敗走、許都へと落ちる。激戦相次ぎ、魏、呉、蜀の三国が鼎立することとなった。
人間不信のサーカス団員、尖端恐怖症のやくざ、ノーコン病のプロ野球選手。困り果てた末に病院を訪ねてみれば…。ここはどこ?なんでこうなるの?怪作『イン・ザ・プール』から二年。トンデモ精神科医・伊良部が再び暴れ出す。
「おまえはヒップすぎるぜ、ベイビイ。そうだろ。ただのヒッピーなのさ」パリのジャズシーンで自由を謳歌する学生マレイと黒人ピアニストのバディとのクールにしてビターな出会いと別れを綴る青春/ジャズノヴェル「ヒップすぎるぜ」、「ハイになれば、ペテンやサギ、クソみたいな大ウソのすべてが透けて見える。その内側にある真実が見えるんだ!」-真夏のテキサスを舞台に、少年の“通過儀礼”をみずみずしい筆致でとらえた表題作「レッド・ダート・マリファナ」、JFK暗殺にまつわるグロテスクな妄想を鮮烈に描き、ウィリアム・バロウズをして「これまでに読んだ中で一番笑えた小説」と言わしめたアシッド・サイケ短篇「狂人の血」などの小説作品の他、トム・ウルフ、ハンター・S・トンプソンによる“ニュージャーナリズム”の先駆けとなった異色ルポルタージュ「オル・ミスでバトン・トワリング」、不条理作家と精神分析家が繰り広げるスラップスティック・コント「カフカVSフロイト」等も収録。“20世紀で最もヒップだった男”テリー・サザーンのヴァラエティあふれる唯一の短篇集がついに登場。
故郷への旅の途中で次々と現れる亡霊たち。彼らが呟くのは、半世紀前、朝鮮半島で起きた凄惨な戦争の生々しい姿である。それは南北米中の軍同士の戦いであっただけでなく、村人同士、隣人同士の血で血を洗う殺し合いでもあったーピョンヤン、ニューヨーク、ベルリンで実在の人物に取材し、ソウルの獄中で構想した、衝撃の小説作品。
東京で教師をしていた隆之は、視力を徐々に失っていく病におかされ、職を辞し、母が住む故郷の長崎に帰った。そこへ東京に残した恋人の陽子がやってくる。この先の人生を思い悩む隆之。彼を笑顔で支えようとする陽子。ある日、二人はお寺で出会った老人から「解夏」の話を聞くー。表題作他、人間の強さと優しさが胸をうつ、感動の小説集。
海外青年協力隊の医療チームへの赴任を目前に控えた若き医師・平井は、いかにもヤバそうな色男、真とその美しい弟の実に攫われ、孤島にある二人の住居に監禁されてしまう。ドクターが必要だと言う彼らは、実の体を使った危険で突拍子もない仕事に平井をいざなうのだが…。その夜、平井は兄弟のインモラルな現場を目撃することに…。スリリングな三つ巴愛が炸裂!デンジャラス・エロチカ書き下ろし。
特異な才能だけが突出した「天才」たちが社会生活に適応するため、船上セミナーに参加する。しかし、海上で彼らを待ち受けていたのは、トンデモナイ事態だった。ハリウッド顔負けのエンターテインメントを放ち続けるトカジの海洋エンターテンメント。
深川の老舗大店・桔梗屋のあるじ太兵衛と賭場の貸元・霊巌寺の猪之吉は偶然に出会う。ひとの目利きに厳しい太兵衛は、猪之吉の人柄を感じ取り、一献お付き合い願いたいと申し出た。大店のあるじと貸元の、肚をわった五分の付き合いが始まった。そんなある日、油問屋・鎌倉屋鉦左衛門による桔梗屋乗っ取りの企みが明らかになる。重い病を患う太兵衛は、桔梗屋の後見を猪之吉に託し、息を引き取る。やがて桔梗屋をめぐり、鎌倉屋の意を受けた乗っ取り屋一味と、猪之吉一党との知力と死力を尽くした闘いが始まるが…。直木賞作家の人情味あふれる時代長篇。
北イングランドに赴いたジャーナリストのアンドルーは、彼を呼び寄せた女性ケイトから思いがけない話を聞かされる。おたがいの祖先は、それぞれに“瞬間移動”を得意演目としていた、二十世紀初頭の天才奇術師。そして、生涯ライバル関係にあった二人の確執は子孫のアンドルーにまで影響を与えているというのだが…!?二人の奇術師がのこした手記によって、衝撃の事実が明らかとなる!世界幻想文学大賞受賞の幻想巨篇。
深夜の市を徘徊する不眠症の作家チャーリー・バクスターは犬を散歩中に友人ブラッドリーに出会う。離婚し落ちこんでいたブラッドリーに、周囲の人々の恋愛体験を基に小説を書くよう勧められたチャーリーは、よそに女をつくって家を出たブラッドリーの最初の妻、勝ち気な美人弁護士の次の妻、元ジャンキーに一目惚れした愛らしい娘、不良息子との折り合いに悩む哲学教授らに、それぞれの最もプライヴェートで、でも話さずにいられない愛の問題を語ってもらい、『愛の饗宴』という珠玉の物語にまとめてゆく-ありとあらゆる愛の形を織りこんだ、おかしくて哀しい究極の恋愛群像劇。全米図書賞最終候補作。
荒廃した地球を復興するため、彼は人間によって創られた。しかし、創造主がつけた傷は己れの生を彼に認識させる。それは世界観を懸けた闘い、そして、残酷な神へと至る道の始まりだった-存在の在り方、魂の所在-『あなたの魂に安らぎあれ』『帝王の殻』につづく三部作、十四年ぶりの完結篇。
大学生平口捷は、同級生で世界的な天才美術家烏山響一から招待を受けた。聖地・熊野の大自然の中に作られた巨大な“野外美術館”へとー。現代の語り部が贈る、めくるめく幻想ホラー超大作。