2008年発売
人生に行き詰まってしまった料理人・タカハシは、自殺の寸前、不思議なネズミたちに命を救われた。ネズミたちは世界で最も低い自殺率のメキシコには、人を死に誘う「憂鬱の砂嵐」を追い払う四つの宝があるという。宝探しの旅に出たタカハシがメキシコで知る驚愕の真実とは?色彩と味覚にあふれたスーパー・ファンタジー小説。
ホームズよりも、実はワトスンの方がヒーロー?! 犯罪の謎解き、ホームズとワトスンの友情物語、心理小説、などいくつもの醍醐味を楽しむことができ、19世紀末から20世紀初頭のイギリスの社会史・文化史も身につく教養小説としてのホームズ物語を精読する。 まえがき 第1章 偉大なる変人、シャーロック・ホームズ 1 ホームズとワトスンの幸運な出会い 2 ホームズの非凡な観察力と推理力 3 ホームズの知識 4 ホームズと化学実験 5 非情な真理探究者ホームズ 6 性格の二面性 7 演出家兼俳優ホームズ 8 ホームズの優越感 9 ホームズの誠実さ 10 ホームズの情熱 11 ホームズの腕力 12 そのほかの側面 第2章 ホームズを超えるヒーロー、ワトスン 1 ワトスンこそ真のヒーロー 2 ホームズの名パートナー 3 医師としてのワトスン 4 ワトスンの文学的才能 5 ワトスンの「空間/数的」能力 6 ワトスンと女性 7 ワトスンの性格・特徴 8 ワトスンの負傷 9 ワトスンの洗礼名 10 ワトスンの生い立ち 第3章 ホームズ物語に出てくる繊維製品とファッション 1 イギリスの繊維産業の推移と主な繊維製品 1・1 毛織物 1・2 絹織物 1・3 毛皮と革 1・4 植物性繊維の織物 2 ホームズ物語に出てくる男性のファッション 2・1 フロックコート 2・2 モーニングコート 2・3 正装・夜会服 2・4 略式礼服 2・5 スーツ 2・6 チョッキ 2・7 ズボン 2・8 シャツ、カラー、カフス 2・9 ネクタイ 2・10 靴下 2・11 ゲートル・スパッツ 2・12 靴、スリッパ 2・13 帽子 2・14 手袋 2・15 コート類 2・16 ガウン、部屋着 2・17 その他のファッション 3 ホームズ物語に出てくる女性のファッション 3・1 ドレス類 3・2 マント・コート類 3・3 襟巻き・肩掛け類 3・4 靴 3・5 帽子 3・6 ヴェール 3・7 手袋 第4章 ロンドン同時多発テロをホームズが推理する 1 事件の概要 2 ホームズの助言1 3 ホームズの助言2 4 ホームズの助言3 5 ホームズの助言4 6 些細なものの重要性ーーホームズの信条 7 ホームズの見解ーー事件の真相 8 エピローグ 第5章 パスティーシューー消えた軍艦 1 シャーロック・ホームズの助言 1・1 ヴィラール、ホームズを訪ねる 1・2 ヴィラール、事件の詳細を語る 1・3 ホームズ、ヴィラールに助言する 2 ヴィラールの報告 2・1 ヴィラール、シンガポールへ乗り込む 2・2 ヴィラール、積み荷の搬入ルートを調べる 2・3 ヴィラール、事件の核心をつかむ 3 ホームズの推理 4 事件の真相 【付録】 現在、書店で手に入るホームズ全集[二〇〇八年春現在] あとがき
「は、花火を盗めだぁ〜?」田舎町に住むヤンチャでムチャな男子高校生と、町の駐在さんが“あいかわらず”繰り広げるイタズラ合戦。待望の第2巻は、グレート井上くんが駐在さんの奥さんの妹に恋したり、ケンカ上等かつ、ドスケべかつ、なぜか子供に人気のある西条が、いまだかつてないハートフルなイタズラ(むしろ犯罪!?)を持ちかけて…。同名映画の感動メインストーリー「花火盗人」の顛末と、大人気携帯サイト「モバゲータウン」での書きおろしサイドストーリー「ポップコーン戦線」を収録した、超スペシャルバージョン。
4年もの間ホテルにひきこもる、他者との肉体的接触を極度に嫌う、相対する人間の“金に対する想い”が様々な幻覚となって現れる-これらはネット上で「金の声を聞く男」と呼ばれ、株式市場の値動きを予見し二百五十億円超の資産を築いた「ヒィ」の「症状」である。その彼のもとに、一枚の旧札が送られてきた。それこそが、捨て子だった「ヒィ」の本名が記された伊藤博文の千円札、失くしてしまった唯一の大事な宝物だった…。送り主は、投資ファンドの代表である沢谷という男。かつて「ヒィ」との仕手戦で屈辱的な大敗を喫していた。描いた絵図を台無しにした仇敵「ヒィ」に対して、巻き返しを図る沢谷は何を!?第39回メフィスト賞受賞作品。
第41回北海道新聞文学賞受賞作「散る咲く巡る」ほか、現代を生きる女性の目に見えず手に取れないものへの思いを巧みなストーリーで描いた傑作。-ヒロインに寄せる作者のおもいが全篇をつらぬいている。感受性に富む、ファンタジックな佳篇-選考委員・原田康子氏。
貴金属店窃盗犯が罪悪感から自殺した。疑う余地のない決着に得体の知れない違和感を覚えた刑事の高遠は、事件の洗い直しに乗り出した。薬屋探偵三人組が別方向に調査を進めるなか、鍵を握る気弱なサラリーマン・唐沢は、自分の正義を貫くため、ある行動に出る。時は移ろうも真実は変わらない、シリーズ第9弾。
江戸で屈指の材木問屋『加治屋』の娘が拐され、千両を用立てろとの投げ文があった。北町奉行・遠山金四郎から直々の指図を受け、吟味方与力の藤堂逸馬は、事件の背後にいると見られる“闇の顔役”を追いはじめる。だが、金の受け渡しに意外な人物が現れたことから、さらなる謎が広がってー。文庫書下ろし。
天明(てんめい)の飢饉(ききん)に苦しんだ津軽藩(つがるはん)からの石高上げ願いに、奥右筆組頭立花併右衛門(おくゆうひつくみがしらたちばなへいえもん)はロシアとの密貿易を疑う。国是である鎖国を破り、利権を握らんとするのは誰か。幕政の闇に触れる併右衛門を狙う者は数知れず。愛娘瑞紀(みずき)が伊賀者(いがもの)に攫(さら)われ、護衛役の柊衛悟(ひいらぎえいご)と救出に向かうが!? 緊迫の第二弾!-文庫書下ろしー 第一章 一刀一筆 第二章 新たな火種 第三章 闇の争闘 第四章 暗夜鳴動 第五章 神の遺物
京都にある老舗旅館の主人と再婚した麻子と、偶然三島で再会した大地。二人はひさしぶりに交わるが、大地は彼女の「ある秘密」を知る。修善寺駅で大地に声をかけてきた女性は、以前に体を重ねた看護婦・坂上久美子の姉だった。癌に冒されていた久美子は、一ヵ月前に亡くなっていた。人気シリーズ第18作。
始まりは、海外留学をかけた論文コンクール。幻の学生、『i』の登場だった。大学受験間近の高校3年生が行方不明になった。家出か事件か。世間が騒ぐ中、木村浅葱だけはその真相を知っていた。「『i』はとてもうまくやった。さあ、次は、俺の番ーー」。姿の見えない『i』に会うために、ゲームを始める浅葱。孤独の闇に支配された子どもたちが招く事件は、さらなる悲劇を呼んでいく。(講談社文庫) 大学受験間近の高校三年生が行方不明になった。家出か事件か。世間が騒ぐ中、木村浅葱(あさぎ)だけはその真相を知っていた。「『i』はとてもうまくやった。さあ、次は、俺の番ーー」。姿の見えない『i』に会うために、ゲームを始める浅葱。孤独の闇に支配された子どもたちが招く事件は、さらなる悲劇を呼んでいく。
交わることのない、人の想い。切ない終わりがやってくる。「浅葱、もう少しで会える」『i』は冷酷に2人のゲームを進めていく。浅葱は狐塚や月子を傷つけることに苦しみながら、兄との再会のためにまた、人を殺さなければならないーー。一方通行の片思いが目覚めさせた殺人鬼『i』の正体が明らかになる。大人になりきれない彼らを待つ、あまりに残酷な結末とは。(講談社文庫) 「浅葱(あさぎ)、もう少しで会える」『i』は冷酷に二人のゲームを進めていく。浅葱は狐塚(こづか)や月子(つきこ)を傷つけることに苦しみながら、兄との再会のためにまた、人を殺さなければならないーー。一方通行の片思いが目覚めさせた殺人鬼『i』の正体が明らかになる。大人になりきれない彼らを待つ、あまりに残酷な結末とは。
大西洋に突き出したポルトガルのロカ岬から、18年ものあいだ結核の療養生活を送っていた天野志穂子のもとに一枚の絵葉書が舞い込んだ。一世を風靡(ふうび)したコーラスグループ〈サモワール〉のリーダー梶井克哉の書いた言葉が、諦念に縛られていた志穂子に奇蹟をもたらす。人間の生きる力の源泉を描いた力作長編!
志穂子は、親身になってくれたダテコや尾辻玄市のおかげで梶井克哉と会えたものの、絵葉書の宛名が間違っていたことを知ってしまう。しかし、人と交わる暮らしを始めたばかりの志穂子に運命のいたずらが授けた力は、思い屈するすべての人に真っ直ぐ生きる勇気を与え、自らを「恋」の奔流へと導いていく。
西暦2032年、未曾有の地殻変動により南西諸島に沈没の危機が迫っていた。領海と海底資源の既得権確保を優先する政府に対し、植物生態学者・南方洋司ら6人の科学者は、地殻変動阻止のため極秘プロジェクトを開始。彼らと共に与那国島を訪れた共感覚を持つ青年・伊波岳志は、島の巫女的存在である後間柚と出会う。彼女は大地の怒りを鎮めるため“14番目の御嶽”を探していた…日本SF史上最高の科学小説、待望の文庫化。
岳志が発見した“14番目の御嶽”への祈りを通して、柚は「大地の炎が琉球を焼き尽くす」という神の予言を聞く。その頃、水深6000mの南西諸島海溝では深海調査艇“しんかいFD”の武田洋平が、巨大な人工構造物を発見していた。“14番目の御嶽”との類似を検証する科学者たちの目的は、地殻変動を食い止める唯一の鍵、南方が提唱する“ISEIC(圏間基層情報雲)理論”の実践にあった。だが、海底火山に噴火の瞬間が迫る。
もはや来ることのない列車を待ち続ける老人の狂気と悲しみを描く「北部行きの列車」。まだ見ぬ家族から初めて手紙をもらった孤児の落胆を綴る「郵便受け」。まるで著者自身の無関心を象徴するかのような表題作「どちらでもいい」ほかに加えて、『悪童日記』へのつながりを思わせる単行本未収録の初期短篇「マティアス、きみは何処にいるのか?」を収録。沈黙をつづける著者の絶望と喪失感が色濃く刻まれた、異色の掌篇集。
アイドル好きの童貞オタク大学生・乙島侑平は、研究者の従兄から新製品のモニターを頼まれた。ところが届いた新製品とは、美少女メイドロボット「キララ」。人間と見分けのつかない超美少女メイドにアレコレご奉仕されて、ドキドキしっぱなしの侑平。ご主人様のためなら、あんなコトもこんなコトも…!?ふだんは「どじっ娘」メイドのキララが、孤島で、謎の研究所で、怪しげな廃屋で、美少女アイドルたちと一緒に大活躍します。史上初!美少女メイド青春ミステリー第二弾。