2017年発売
新子はマイマイ(つむじ)をピンと立て、妹や友達と今日も元気に駆けまわる。大好きなおじいちゃんが作ってくれたハンモックは二人だけの秘密。昭和30年の山口県国衙を舞台に、戦争の傷を負いながらも懸命に生きる大人たち。変わりゆく時代の中で成長する日々を懐かしくも切なく描いた傑作。片渕須直監督アニメ映画『マイマイ新子と千年の魔法』原作小説。
お互いに結婚していながら、惹かれ合い愛し合うようになった紗和と北野。その関係はいつしか明るみになり、別れざるを得なくなってしまった。あれから3年ー。運命のいたずらか、再びめぐり会う二人。あの時に交わした愛を忘れられず、どちらからともなく逢瀬を重ねていく。そんな中、二人の前に現れたのは…。
小規模なテロが頻発するようになった日本。実行犯たちは実生活では接点がないものの、一様に、冷たい社会に抵抗する“レジスタント”と称していた。テロに関わらざるをえなくなった、それぞれの人物の心象と日常のドラマを精巧に描いたエンターテインメント大作。
「深山木薬店」を訪れた「潤」と名乗る依頼人は、七年ぶりに再会した従姉の音乎をめぐる奇妙な相談を薬屋探偵に持ちかける。二度と彼女に会えないと思っていた潤は喜びながらも戸惑いを隠せなかったという。音乎はもうこの世にいないはず。目の前の人物は誰なのか!?記憶がリセットされたように同じ思い出話を語る「一日を繰り返す死者」の謎に迫るたび、封じられた過去が明かされる。
ソーシャルワーカーのピートは問題のある家庭の面倒をみる仕事をしている。一方で彼自身もまた家族との関係がぎくしゃくしており、妻娘とは別居中だ。あるとき、彼が出会った栄養失調の少年は山中で世間から離れて生活をしていると語り…。ときは大統領選直前の一九八〇年。何かが変わりつつあるアメリカ社会で、どうしようもなくなってしまった様々な人々、少年少女、家庭、そして犯罪者たち。自分の妻子と向き合うこともできないダメ男は、彼らを救うことができるのか。英国推理作家協会賞最優秀新人賞受賞作。
NGZ425年12月、テラにおけるポルレイターの専横ぶりは度をこしていた。ポルレイターの代表ラフサテル=コロ=ソスはペリー・ローダンに、自由テラナー連盟、宇宙ハンザ、GAV¨OKに所属する宇宙船を数十万隻擁する艦隊を準備するよう迫る。大艦隊をひきいて、超越知性体セト=アポフィスの補助種族が住む諸惑星に出動し、懲罰をくわえるというのだ。一方、子供たちをふくむ“虎の一味”はいまだに行方不明だった!
遠い未来、融合世界との意思疎通を拒んでいた孤高世界に、未知のDNA基盤の生命が存在する可能性が浮上。融合世界のラケシュは友人パランザムと共に、それを探すべく銀河系中心部を目指す。一方、“白熱光”からの熱い風が吹きこむ世界“スプリンター”の農場で働くロイは、老人ザックから奇妙な地図を見せられる…二つの物語の果てにあるものとは!?世界の法則を自ら発見する魅力溢れるハードSF。
1972年秋。父親の死とともに新宿歌舞伎町の探偵事務所を受け継いだ浜崎順一郎は、女子大生・栄子から生き別れの母親でバンプ女優と言われた神納絵里香を捜してほしいと依頼される。だが、やっと見つけ出して栄子と会わせる約束を取り付けた矢先、絵里香は何者かに毒殺されてしまった。直後、栄子は姿を消し、第一発見者として容疑者扱いされた浜崎は事件を調べ始めるが…直木賞・吉川賞作家が放つ正統派ハードボイルド。
女優毒殺事件を追う浜崎は、友人の記者・古谷野や歌手の福森里美らの協力で、殺された絵里香が映画会社元社長の愛人だったことを知る。元社長は消えた依頼人・栄子とも関係が?さらに調査を進めるうちに、女優殺しと、探偵だった亡父が調べていた現金輸送車強奪事件との間に奇妙な繋がりを発見した。だがまもなく、浜崎は何者かに襲われ…ジャズや映画が全盛の70年代を舞台に贈る極上の私立探偵小説。
それはパーティーの夜に起きた。だが、わたしの記憶はそこだけ消えている。何が起き、誰が死んだのか?-学生時代の友人だったクレアの独身さよならパーティーへの招待。かつてクレアとの間には色々なことがあったのに、わたしは誘い込まれるように招待に応じてしまった。森の奥に孤立した別荘に集まった六人。ぎくしゃくした奇妙な雰囲気のパーティーが始まった…悪夢のような週末と惨劇を描く、気鋭のサスペンス!
さまざまな民族が暮らすアフリカのちいさな国、ブルンジ。仲間たちとマンゴーをくすねたり、家族でドライブしたり、少年ガブリエルは幸せな日々を送っていた。しかし、大統領の暗殺をきっかけに内戦が勃発。親戚や知り合いが次々と消息を絶ち、平穏な生活は音を立てて崩れていく…フランスで活躍するラッパーが、自らの生い立ちをもとに綴った感動作。高校生が選ぶゴンクール賞受賞!
稀代の陰陽師・晴明と心優しき笛の名手・博雅が活躍する六百万部超の人気時代小説第14弾。今回は、晴明のライバルにして、シリーズ登場人物で人気第三位でもあり、酒をこよなく愛する播磨の蘆屋道満が大活躍。彼を主人公にした三本の短編が登場。通常のシリーズとは、ちと違う平安の幽玄とあわれの世界に読者を誘います。
Kは小噺のK。Kは簡潔のK。Kは奇態のK。つまりKなる体の掌編。これ即ち、“K体掌説”なり。21世紀の稲垣足穂か、はたまた星新一か。ショートショートに驚異の新人現る…。単行本刊行当時、一体この著者は何者?と評判となった話題作がついに文庫化。その謎めいた著者の正体がいま明かされる。
エリート武官を目指す少年たちの熱き競争の日々。 厳しい訓練生活の果てに彼らを待ち受けていたのは…… 人間の代わりに八咫烏の一族が支配する世界=山内を舞台とする、八咫烏シリーズの第4弾。本作の舞台はこの世界を統治する宗家の近衛集団「山内衆」を養成するための訓練学校「頸草院」である。15歳から18歳の少年たちが集められ、全寮制で上級武官になることを目指し、厳しい生活が待ち受けている。 前作の『黄金の烏』で突如出現した人を喰う大猿へ立ち向かうため、次の日嗣の御子である若宮へ忠誠を誓った北家の御曹司・雪哉も新入生の一人。若宮の近習であった経歴や自らの経歴はあえて明かさず、勁草院での日々がはじまったものの、そこに待ち受けていたのは、若宮の母の実家である西家の御曹司・明留を中心とする若宮派のグループと、廃太子された若宮の兄・長柄を再び皇太子へと推す南家系統の公近グループの激しい対立、兄弟の父である金烏代の意向を重視する教授陣ーー間近と見られていた、若宮の即位が神官たちによって延期が決まるという不穏な空気の中で事件は次々に起こる。 さらに実力主義が前提の学内で、貴族階級出身の宮烏と庶民階級出身の山烏の身分格差が歴然となるにつけ、山烏出身で雪哉と同室となった重丸、あらゆる武術で天才的な腕をみせる千早らもこの争いに絡んでくる。果たして身体が誰より小柄な雪哉は、頸草院での争いを勝ち抜くことができるのか? そして若宮の即位はなるのか……。 前作までの陰謀うずまく世界とは趣をやや異にして、雪哉、明留、茂丸、千早という4人の少年たちのビルディングス・ストーリーとして友情あり、冒険ありの一冊! 序章 第一章 茂丸 第二章 明留 第三章 千早 第四章 雪哉
東京ー大阪間を9時間強で結ぶ寝台急行銀河。そのA寝台で女性の他殺体が見つかった。容疑をかけられたのは、乗り合わせたサラリーマン、井崎。十津川警部の旧友にして、被害者の愛人だったー。潔白を主張する井崎を、十津川は救えるか?今はなき寝台急行を舞台にした傑作が30年の時を経て新装版で登場!
バブル崩壊ですべてを失った彰洋。あれから10年、彼は敬愛する美千隆とともに再び動き出した。ターゲットはIT産業。関連企業を起こして株式公開し、株価をつり上げて売り抜けるー。だが夢を追うふたりの前に、かつて踏み台にした女たちが立ちはだかる。この狂ったゲームで最後に笑うのは、いったい誰か?
「トオリヌケ キンシ」の札をきっかけに小学生のおれとクラスメイトの女子に生まれた交流を描く表題作。ひきこもった部屋で俺が聞いた彼女の告白は「夢」なのだろうか?(「この出口の無い、閉ざされた部屋で」)。たとえ行き止まりの袋小路に見えたとしても、出口はある。かならず、どこかに。6つの奇跡の物語。