2018年3月23日発売
剣豪・高松孝道に自分の脆さを指摘された剛は、迷いを振り払うべく真剣の孝道に勝負を挑む。その頃、剛を巡る松任組と劉栄徳の対立は松原弘一と宋陵元の決闘に発展。経験の乏しい弘一の勝算は!?一方、孝道の元を辞し沖縄に向かった剛は、偶然出会った強靱な老空手家とのやりとりの中で、大事な何かを掴み取る。時は満ちた。横浜では劉栄徳との再戦が待つ!新装版、完結。
ベテランの捜査一課ヒラ刑事・真行寺は、介護施設で起きた死亡事件の捜査中、自称・ハッカーの黒木と親しくなる。続く元警察官僚の議員変死事件で、背後に蠢く巨大組織の臭いをかぎ取った真行寺は、黒木の力を借り真相に迫るがー。ゲノム編集など幅広くリアルな知見に裏打ちされた、圧倒的なスケールの痛快娯楽大作登場!文庫書き下ろし警察小説。
ジャスミンはジゴバの酒場での出逢いが初めてではないことを直接告げることなく逝った。ケリーは婚姻を承諾した本当の理由を彼女に伝える前に、一方的に別れを告げられた。ジャスミンは知らない。己の命がまだ尽きていないことを。ケリーは知らなかった。『命の恩人の形見』が大切にされていたことを。-スカーレット・ウィザードこれにて完結。
誰か、私を留めて。どこかへ跳び去ろうとする私をー世にも奇妙な「量子病」を発症して以来、自らの意志と関係なく世界中をワープし続ける稀。一瞬後の居場所さえ予測できず、目の前の人と再び会える保証もない。日々の出会いは儚く、未来はゆらぐ。人生を積み重ねられない彼女が、世界に爪痕を残すためにとった行動とは?『天盆』『青の数学』の著者が放つ、感動の青春長篇!
「老後は安泰」のはずだったのに!後藤篤子は悩んでいた。娘の派手婚、舅の葬式、姑の生活費…しっかり蓄えた老後資金はみるみる激減し、夫婦そろって失職。家族の金難に振り回されつつ、やりくりする篤子の奮闘は報われるのか?ふりかかる金難もなんのその、生活の不安に勇気とヒントをあたえる家計応援小説。
テレビやラジオで落語が親しまれ、大看板と呼ばれた一流の噺家たちが芸を競った昭和五十年代。その一人、八代目林家正蔵(のちの彦六)の住む稲荷町の長屋には、傷害事件から恋愛沙汰まで、さまざまな謎が持ち込まれー。なつかしいあの頃の落語界を舞台に、探偵・正蔵が快刀乱麻を断つ!洒脱な落語ミステリー。
岡場所から一斉に火の手があがった!家斉の死後、巻き返しを図る側近と、江戸の闇の支配を企む狂い犬の一太郎が最後の賭けに出たのだ。大惨事を阻止せんとする扇太郎と遂に最終決戦を迎える。幕府の走狗になりきれない貧乏御家人が義憤に燃えて奮闘する、大人気時代小説シリーズ新装版、堂々完結。
輝かしい戦績を挙げ、ガリア軍を率い首都を目指すユリアヌスに、コンスタンティウス帝崩御の報が届く。ついに皇帝に即位した彼は宮廷政治の改革に果敢に着手。そして、ペルシア軍討伐のため、自ら遠征に出るが…。歴史小説の金字塔、堂々完結!巻末付録・対談・北杜夫・辻邦生。
森に現れた少年は射撃の腕をかわれてパルチザン部隊と行動をともにする。やがて、遭遇した敵の兵士に対して少年の銃が狙いを定めたのは…緊張感漂う表題作をはじめ、カルヴィーノ自身のパルチザン体験を元に描いたレジスタンスの物語、少年期をすごした故郷の風景を反映した農民や子供たちの生活スケッチ、戦後の都会を舞台にしたコミカルなピカレスクロマン、軽妙な語り口の風刺的寓話など全23篇を収録。現代イタリア文学を代表する“文学の魔術師”が、その若き日々にあふれでる創作意欲を自由かつ繊細に結晶化した、瑞々しい傑作揃いの初期短篇コレクション。
地下墳墓のミイラに前世の無限連鎖を見出す「木乃伊」。応仁の乱の乱世に材をとった歴史小説「雪の宿り」。妖術により不老不死となった芸妓の綺譚「喜寿童女」。巧緻な文体で純なる魂の美をえがくキリシタン物「きりしとほろ上人伝」。怪談会を舞台にした「百物語」。他全63編。
ロンドンからニューヨークへやってきたイヴリンは、汚穢に満ちた街でともに暮らしたレイラを捨てクルマで砂漠へと向かう。みずからの心象風景にふさわしい世界に魅了されるイヴリンだったが、武装した何者かによって女だけの地下世界ベウラへと連行される。そこベウラでイヴリンは女性のイヴとなるー英国マジック・リアリズムの旗手による、新たな預言の書ともいうべき傑作、ついに邦訳!
『ガリバー旅行記』英語版テキストを飾る挿絵には、ヨーロッパ植民地帝国の拡大につれて、日本・中国・イスラムを中心としたオリエンタリズムの表象が前面に現れる。英仏の挿絵画家たちのジャポニズムや植民地幻想に初めて詳細に光をあてるとともに、原作を独自に翻訳・翻案した明治以降の日本の児童文学作家・挿画家による模倣/創造の軌跡をも丹念に跡づける独創的研究。図版多数!
婚活体験を描く表題作。谷崎潤一郎と夏目漱石の知られざる関係、図書館員と作家の淡い交流、歴史に埋もれた詩人の肖像…“いまの文学”に飽き足らない、あなたに贈る“ほんとうの文学”がここに!