2018年6月29日発売
40万部突破『代償』を超える戦慄のラスト!多摩川河川敷近くのレンタルコンテナから、女性の腐乱死体が見つかった。4人の関係者、3つの遺体、2人の刑事、そして1人の女。事件の裏に潜む、過去の因縁。その女と関わった人間は、すべてを失うー。著者渾身のクライム・サスペンス。
東京湾封鎖!63個の地雷が日本を壊滅に追い込む。日本に突きつけられた最悪のシナリオ。軍事、経済の両側面から日本を追い込む、恐るべき敵の正体とは?究極のリアリティで描く、書き下ろし長編小説。
ウェブデザイナーとして働く17歳の藍葉は、”混沌とした色彩の壁”の前に立つ夢をよく見る。それは当時6歳だった自分が誘拐されたときに見た、おぼろげな記憶。あの色彩の壁は、いったい何だったのだろうかーーその謎は、いつも藍葉の中にくすぶっていた。ある日、届け物を依頼されたという私立探偵・みどりが現れ、「以前は、大変なご迷惑をおかけしました」というメッセージと100万円を渡される。かつての誘拐事件しか心当たりのない藍葉は、みどりに誘拐事件の犯人・朱里の捜索を依頼する。当時、誘拐事件はわずか2時間で解決されていた。藍葉の思い詰めた様子と自身の好奇心からみどりは朱里を捜し始め、藍葉は”色彩に満ちた部屋”の再現を試みる。己の”個性”と向き合う藍葉と、朱里の数奇な人生を辿っていくみどりはやがて、誘拐事件の隠された真相に近づいていくがーー。
ゲーム『刀剣乱舞』の大ヒットを契機に若い人たちの間でブームとなり、「お刀女子」といった言葉が生まれるなど、現在も高い文化的関心を集める「刀剣」の世界。実は刀剣と怪談とは、『古事記』や『風土記』の昔から、切っても切れない妖しい関係にあります。 スサノオによる怪物ヤマタノオロチ退治と霊剣「天叢雲剣(草薙剣)」奪取の古代神話は、中世に至ると、ヤマタノオロチの怨霊による霊剣奪還の呪いへと変容を遂げ、『平家物語』の「剣ノ巻」などに語られるとおり、源氏累代の宝剣による妖怪退治の物語群に流入してゆきます。そして近世の読本、浄瑠璃、講談などにおける妖怪退治の武勇伝へと受け継がれてゆくのです。 こうした「破邪の霊剣」の系譜の一方では、所有者を血塗られた殺戮へと誘う「妖刀伝説」も、近世以降さまざまに形を変えて語られるようになります。 刀剣をめぐる妖異不可思議な伝承は、近現代の時代小説はもとより、伝奇アクションやモダンホラー、SFファンタジーなど、多様な文芸ジャンルの作家たちの想像力を掻きたて、多くの名作怪作を育んできました。 このたびの特集では、怪談専門誌ならではの観点から、霊剣妖刀の世界に、エイ! ヤア! トウ! と斬り込んで参ります。 『幽』編集顧問 東 雅夫 巻頭特集「刀剣怪談」 ・巻頭グラビア1 刀剣×怪異「遠野の赤」 描き下ろしイラスト:ホノジロトヲジ ・巻頭グラビア2 鍛刀アルケミー 〜刀剣誕生の神秘〜 ・日本怪談紀行 東雅夫 「蛇と刀の信州路 --千曲川の流れに沿って」 ・エッセイ漫画 かまたきみこ 「天地の刃文 〜長野刀剣あやかし巡り〜」 ・復刻 「アンソロジー 妖剣怪奇」/日夏耿之介「古刀譚」 ・特別寄稿 玉川奈々福×川崎晶平 ・インタビュー 東郷隆、小松和彦、渡邉妙子 ほか 小説新連載 ・京極夏彦 百鬼夜行シリーズ新作 小説連載 ・有栖川有栖/山白朝子/円城塔/織守きょうや 実話連載 ・藤野可織/中山市朗/福澤徹三/小池壮彦/松村進吉/安曇潤平 漫画連載 ・波津彬子/諸星大二郎/花輪和一/高橋葉介/押切蓮介/岸浩史 エッセイ&書評&企画 ・南條竹則 ほか
妹であるハルカの紹介で始めたVRMMOゲーム『Lost Legend Online(通称LLO)』でゲームの楽しさを知ったチトセ。ボスからのレアドロップ「デモンズスピア」を手に入れるなど、パーティの戦力を底上げしたチトセたちは、新たなフィールドの最速攻略を目指すことにーー!「お兄ちゃんが順調にゲーマーとして成長してくれてるようで、私は嬉しいよ」小説家になろう発、楽しいゲーム小説第2弾! 妹であるハルカの紹介で始めたVRMMOゲーム『Lost Legend Online(通称LLO)』でゲームの楽しさを知ったチトセ。 ボスからのレアドロップ「デモンズスピア」を手に入れるなど、パーティの戦力を底上げしたチトセたちは、新たなフィールドの最速攻略を目指すことに。 しかしそのためには、難関クエストをクリアする必要がありーー! 「お兄ちゃんが順調にゲーマーとして成長してくれてるようで、私は嬉しいよ」 ゲームの楽しさを追求するチトセのプレイスタイルに惹かれた新たな仲間も加わり、ゲームをやりこむ日々は続いていくのだったーー。
恋愛感情も性関係もないまま結婚をした、うみとアミ。高校時代の教室、広島への修学旅行、ともに歩く六本木、そこに重なる400年前の土地の記憶、たゆたう時間ー。ぎこちない「交配」を経てうみは妊娠、やがてアミは姿を消す。2035年、父を知らぬまま17歳になった息子のアオは、旅先の奈良で、桜を見ていた…。待望の芥川賞受賞第一作。
家の中で迷子になっていたー。見慣れた部屋が森に変貌し、水で溢れる。迷子の相棒は歌、偶然、そしてネズミ。海辺の老人に導かれ、言葉を話さない少女アゲハ、コンパス売りのハジと出会い、自身のなかに湧きあがる尽きせぬ記憶の果てに見た、この世界の姿とは。地上に宿るすべての生が時空を超えて響きあう深遠なる物語。
その男は決して屈しなかった。人が一生に一度出会えるかどうかの大傑作。徳川家に取り立てられるも、罪なくして徳川家を追われた沢瀬甚五郎は堺、薩摩、博多、呂宋の地を転々とする。海外交易の隆盛、秀吉の天下統一の激動の時代の波に飲まれ、やがて朝鮮出兵の暴挙が甚五郎の身にも襲いかかる。史料の中に埋もれていた実在の人物を掘り起こし、刊行までに九年の歳月を費やした著者最高傑作の誕生。
その男は決して屈しなかった。人が一生に一度出会えるかどうかの大傑作。徳川家に取り立てられるも、罪なくして徳川家を追われた沢瀬甚五郎は堺、薩摩、博多、呂宋の地を転々とする。海外交易の隆盛、秀吉の天下統一の激動の時代の波に飲まれ、やがて朝鮮出兵の暴挙が甚五郎の身にも襲いかかる。史料の中に埋もれていた実在の人物を掘り起こし、刊行までに九年の歳月を費やした著者最高傑作の誕生。
音楽と戦争、幻想と歴史が交錯し、響き合う、17の物語。名手による待望の初短篇集。往年の名ヴァイオリニスト。サーカスの象使い。大学教授になりすますシェフ。時代や運命の不条理に翻弄されつつも何かを生み出そうと苦闘する人々の物語は、作家自身の家族史をも織り込みながら、繫がり合うように広がっていく。ベスト・アメリカン・ショート・ストーリーズに4年連続選出された名手による、驚異に満ちた17篇。
『ライ麦』のホールデン少年登場の連作、そして“グラース家”をめぐる謎めいた「最後の作品」。もうひとつの“9つの物語”。入手困難な短篇を集成した、繊細な魅力溢れる作品集。
老人ホームにオレオレ詐欺。老人を食い物にする警察官OBグループのシノギを、二蝶会への復帰が叶った桑原と二宮の疫病神コンビはマトにかける。しかし二宮は拉致され桑原は銃撃を受け心肺停止に。予測不能なドンデン返しにつぐドンデン返し。絶体絶命の二人を待つ運命は?
「世界を代表する5人の自由人のための賞…?」胡散臭いものだが、パリへの旅費と一週間の滞在費を支給してくれるらしい。飛行機が嫌いで、外国人が怖い海馬五郎も、一週間は妻とのセックスを休めるというので、その誘いにのった。これが悪夢の旅になったのである。
ハリウッドの脚本家を目指すアダムのもとに、海外出張に出かけ、突然音信不通になった恋人サラのパスポートが郵送されてくる。それには「ごめんなさいーS」とサラの字で書かれた付箋が貼られていたが、封筒の文字は別人のものだった。アダムは恋人の足跡を追って、千以上の客室を持つ豪華客船に乗り込み真相を探るー。巧みな構成と謎解きの妙味を味わえる衝撃のサスペンス。
1920年代初頭の秋の夕方。ケント州の小さな村をドライブしていたジェリーは、美しい娘に出会った。彼女は住居の“白亜荘”まで送ったとき、メイドが駆け寄ってくる。「殺人よ!」ジェリーは、スコットランドヤードの敏腕警部である父親のW・Tと捜査をするが…。英国本格の巨匠の初長編ミステリにして、本邦初訳作、ユーモア・推理・結末の意外性ーそのすべてが第一級!
浅草にある老舗おもちゃ会社で働く富田宝子は、ガーリーなものが大好きで楚々として控えめな外見とは裏腹に、好きなものに対するパワーと想像力の豊かさを持ってして、敏腕プランナーとして活躍している。そんな彼女は、仕事のできない取引先のデザイナー西島に恋をしているが、五年も想いを伝えられずにいる。何の因果か次から次へと災難に見舞われる彼のため、持ち前の機転と自社のおもちゃを駆使し、SPのごとくトラブルを解決していく宝子。けれど西島はそんな宝子の奮闘にはまったく気がつかず?! 同僚や同居人も巻き込んで、宝子の恋が向かう先は。ひとりの女性が大切な気持ちと向き合うまでを描く、成長の物語。