小説むすび | 2019年10月25日発売

2019年10月25日発売

掌篇歳時記 秋冬掌篇歳時記 秋冬

綿柎開(わたのはなしべひらく)、水始涸(みずはじめてかるる)、朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)--。 季節を表す言葉を鍵に、物語は膨らんでゆく。 十二人の作家の想像力で、旧暦「二十四節気七十二候」が現代の物語に生まれ変わった。 六世紀ごろに大陸から伝わり、改暦を重ねながら明治の初めまで用いられてきた旧暦。そこには春夏秋冬の四季に留まらない、さらにこまやかな季節が織り込まれている。 大暑や立秋、大寒といった季節の節目を表す二十四節気と、「地始凍」「熊蟄穴」など、動植物や空模様がそのまま季節の呼び名に採り入れられている七十二候。 古来伝わる“季節の名前”が現代の作家たちを刺激し、味わい豊かな掌篇に結晶した。 ー旧暦の魅力を知る解説つきー 西村賢太「乃東枯」 重松清「鷹乃学習」 町田康「大雨時行」 筒井康隆「蒙霧升降」 長野まゆみ「綿柎開」 柴崎友香「玄鳥去」 山下澄人「水始涸」 川上弘美「蟋蟀在戸」 藤野千夜「霎時施」 松浦寿輝「地始凍」 柳 美里「朔風払葉」 堀江敏幸「熊蟄穴」 白井明大「輪のようにめぐる季節のさなかで 二十四節気七十二候について」 西村賢太「乃東枯」 重松清「鷹乃学習」 町田康「大雨時行」 筒井康隆「蒙霧升降」 長野まゆみ「綿柎開」 柴崎友香「玄鳥去」 山下澄人「水始涸」 川上弘美「蟋蟀在戸」 藤野千夜「霎時施」 松浦寿輝「地始凍」 柳 美里「朔風払葉」 堀江敏幸「熊蟄穴」 白井明大「輪のようにめぐる季節のさなかで 二十四節気七十二候について」

蝦夷太平記 十三の海鳴り蝦夷太平記 十三の海鳴り

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集英社

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2019年10月25日 発売

ときは南北朝時代。 蝦夷管領、安藤又太郎季長の三男として生を受けた新九郎は、出羽の叛乱を鎮圧せよと命じられた。出陣を前に、叛乱について調査をした新九郎は、ことの首謀者が叔父の安藤五郎季久であることを突き止める。 天皇方と手を組み討幕を目論む父・季長。あくまで幕府方を標榜する叔父・季久。二人の間で揺れる新九郎だったが、やがて大きな時代の流れは押し寄せ、北朝と南朝に分かれて争いを続ける都と連動する形で、東北にも大規模な戦の影が迫る。 アイヌとの行き来、交易などにも着目し、当時の東北のひとびとがどのように考え、動いていたのかを新たな目線で読み解く。 鎌倉時代から南北朝時代にかけて、日本列島全体でどのような騒乱が起きていたのか、これまでの歴史解釈に大きな一石を投じる本格歴史小説。 【著者略歴】 安部龍太郎(あべ・りゅうたろう) 一九五五年福岡県黒木町(現八女市)生まれ。久留米高専卒。東京都大田区役所で図書館司書を務めながら小説家を志し、九〇年『血の日本史』でデビュー。二〇〇五年『天馬、翔ける』で第十一回中山義秀文学賞、一三年『等伯』で第一四八回直木賞を、一六年第五回歴史時代作家クラブ賞実績功労賞を受賞。

房思キ(ファンスーチー)の初恋の楽園房思キ(ファンスーチー)の初恋の楽園

出版社

白水社

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2019年10月25日 発売

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台湾社会を震撼させた、実話にもとづく傑作  著者は1991年生まれの女性作家。デビュー作である本書に「実話を基にした小説である」と記したことから、著者の実体験なのではと大騒ぎとなった。刊行2か月後に著者が自殺。台湾社会を激震させた。  文学好きな房思キと劉怡婷は高雄の高級マンションに暮らす幼なじみ。美しい房思キは、13歳のとき、下の階に住む憧れの50代の国語教師に作文を見てあげると誘われ、部屋に行くと強姦される。そして異常な愛を強いられる関係が続くことになってしまう。房思キの心身はしだいに壊れていく。劉怡婷は、房思キが記した日記を見つけ、5年に及ぶ愛と苦しみの日々の全貌を知る……。  一方、同じマンションの最上階の裕福な家庭に嫁いだ20代の女性・伊紋の物語も同時に描かれる。伊紋は少女2人によく本を読んであげていた。だが実は夫からのDVに悩み、少女らに文学を語ることが救いとなっていたのだ。  人も羨む高級マンションの住民たちの実情を少女の純粋で繊細な感性によって捉えることで、社会全体の構造的な問題が浮かび上がってくる。過度な学歴社会、格差社会、権力主義の背後にある大人の偽善、隠蔽体質……。なぜ少女の心の声を大人が気づけなかったのか。文学の力とは何か。多くの問いを投げかける。

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