2019年12月発売
拉致した女性の体の一部を家族に送り付け楽しむ、醜悪な殺人者。突然、様子のおかしくなった高校生のひとり娘。全ては自らが過去に犯した罪の報いなのかー!?推理作家協会賞受賞作家が、人間の悪を描き切った驚愕のミステリー!
亡き夫との思い出の地、ニューヨークに降り立ったマーサ。白タクに乗った田舎者の老女に運転手は高値を吹っかけようとする/「ホワイト・キャブ」。古書店店主のアンソニーは、地上げで閉店するグリーンマーケットの店主のためにあることを計画。奇跡のような一夜が待っていた/「ピクルス」。拾ったカモを公園の池に戻すため、少年たちが知恵を絞って小さな冒険に出発する/「C・P・D」。著者が馴染み深いニューヨークの街を舞台にした、円熟の筆冴え渡る六編。
陸上200m走でオリンピックを狙う沙良を悲劇が襲った。交通事故に巻きこまれ、左足を切断、しかも加害者は幼馴染みの泰輔だった。アスリート生命を絶たれた沙良は恨みを募らせる。そんな泰輔が殺害され、高額な保険金が支払われた。犯人は誰なのか? また、絶望の底から再起を図る沙良の運命は? どんでん返しの先に感涙のラストが待つ傑作長編ミステリー!
夢見がちで泣き虫な成屋詩織はひと一倍“センチ”な女子高生。ある日、ボーイフレンドとのデート中に強盗事件に巻き込まれてしまう。身の上話を聞いているうちに、強盗に同情し放っておけなくなった詩織は、彼の妻・啓子と赤ん坊を引き取ることに。しかし啓子は暴力団の娘だったことが判明し、大騒動!長編ユーモア・ミステリー。
“アカツキ強盗団”として昭和の犯罪史を彩った五郎、幹雄、誠の3人も、今や後期高齢者に突入し、神保町で喫茶店を営む悠々自適の日々。だが、幹雄の大甥・飛露喜に泣き落とされて現役復帰を決意する。狙うは現金輸送車の強奪。3人は知恵と経験を武器にハイテク警備に挑む。一方、定年後の日々を持てあます元刑事の小栗忠正は、ふとしたことから神保町の喫茶アカツキに注目。3人組の監視を始める。かつてプロフェッショナルとして生きた矜持を胸に着々と計画を進めていく“爺”たち。そして、遂に決行の日がやってきたー。痛快ユーモア犯罪小説。
ホテル櫻葉に、女神が主催する「バザー」の招待状が届く。以前、ホテルで開かれたイベントに触発されて、女神や女妖怪も自分たちでなにかやってみたくなったのだという。ホテル櫻葉には、バザーに参加する女神や女妖怪が、大荷物を抱えて続々と泊まりにやってきて、時町見初たちは大忙し。そんな中、暗闇を少しでも照らす夜の太陽になりたくて、ランプ屋を営んでいるという女妖怪「火呉」がホテルにやってくる。
動物看護士の優生が病院から姿を消して、5日。メールも電話も繋がらなかった。そんなある日、手塚が、見知らぬ女性から預かったと、病院に鳥用のケージを持ってきた。中には、優生が可愛がっていたオカメインコのぴよ次がいた。10日後、亜希はついに、優生の家を訪ねてみるがーー大人気シリーズ第4弾!
65歳の葉加瀬一郎は、ある晩、悪魔メフィストから寿命を告げられる。しかし、自慢じゃないが一郎はこれまで亡き妻ひと筋。このまま他の女体を知らずには死ぬに死ねない。懇願する一郎にメフィストは、この世に未練を残して死んだ彷徨える魂たちのラストセックスを手助けすることを提案する。かくして、一郎は性の奥義を究めていくことに……。
神田相生町の万両分限、河内屋又兵衛の屋敷に何者かが忍び込み、金唐革の煙草入れを残していった。その三日後、又兵衛の孫の喜太郎が死体で見つかり、さらには又兵衛の末娘のお富も殺される。だが、浮上してきた下手人には鉄壁のアリバイがあり…。謎の遺書に密室殺人、アリバイ崩しまで、明神下の平次親分が江戸で起きる難事件の真相に挑む!昔も今も何度読んでも面白い、名作シリーズのテーマ別傑作集第3弾。
孫を背負って悪を斬る、大人気シリーズ復活第2弾! 火事で焼けだされ八丁堀の長屋に移った外孫の桃子を追って、桃太郎も引っ越しを決意する。今度の長屋は品行方正かと思いきや、いろいろと怪しいことが起きてきて……。可愛い孫を守るため、唸れ、枯れ葉の剣!
2018年、ノーベル文学賞の代替賞ニュー・アカデミー文学賞を受賞したカリブ海作家の自伝色の濃い代表的長篇小説を復刊。原著は1987年刊。 二十世紀カリブの〈悪辣な生(ラ・ヴィ・セレラト)〉を生きたルイ家四代の物語。 グアドループ島から、パナマ運河を越え、大西洋を渡る……惑星規模のピカレスク大作。
岩波文庫改版以後でも50刷以上を数える、ロマン主義文学、いやフランス文学に燦然と輝く金字塔の新訳決定版。全5冊で贈る新定番。 ジャン・ヴァルジャンの来歴、愛娘を残したまま逝くファンチーヌ、主人公を執拗に追うジャヴェール、金目的にコゼットを手放さずこき使うテナルディエ。物語前史、壮大な伏線。
ドローンが赤く光った。 殺意か警告かーー不気味な羽音とともに無数に湧きだす透明な〈幽体〉の軍団。 大戦敗北の屈辱に、ドイツ軍の精鋭が幻視した黙示録は、現代の恐怖となる。 2つの世界大戦を通して地獄を見たドイツ最高峰の知性「20世紀のゲーテ」が、およそ半世紀以上も前に《現代のディストピア》を幻視していた! ユンガーは第一次大戦に出征、死屍累々の惨状からナチス台頭を予見し、第三帝国では森に隠遁して昆虫採集に明け暮れ、戦時はヒトラー暗殺計画の国防軍幹部に宛て極秘回覧文書を起草した。見るべきほどのことは見つ。戦後に洞察したのは恐るべきオートマトン(自動機械)の未来だった。 本書は「ガラスの蜂」全訳に、詳細な訳注(全269項目90ページ)、物語の背景や現代的意義を説く解説「ドローンはSeyn(存在)の羽音を鳴らす」を付す。 ガラスの蜂 3 * 【訳注】 209 〈訳者解説〉ドローンはSeyn(存在)の羽音を鳴らす 299
顔よし、体よし、性格よし。そのうえ読書家。なんだか現実味のないイケメン、熊本くん。仲のよい大学生・みのりは、同級生から彼の噂を聞く。どうやら熊本くんが、ゲイ向けアダルトビデオに出ているというのだーー。
亡き夫の跡を継ぎ、浄見寺で寺子屋の師匠をしている桃。ある日、すでに大人でありながら、学問を学び直したいという春が訪ねてくる。最初は戸惑う桃だったが、春の隠れた才に次第に魅せられていく。一方、寺子屋で一番優秀な生意気娘の鈴は、春のことが面白くないようで。第11回小説現代長編新人賞受賞作。
表の顔は同心、その裏に隠された素顔は川衆頭領。川瀬若菜率いる川衆の反撃が始まる。山田正紀版ミッション・インポッシブル!
多くの別荘地を抱え、避暑地として名高いK町が記録的な大雪に見舞われた。町民や観光客、仕事のため車で訪れた人々も動きがとれない。除雪作業も追いつかず、災害救助法が適用され、自衛隊の派遣を要請する事態に。想定外の変化が引き起こした出会い、別れなどを描いた六つの物語。吉川英治文学賞受賞作。
関ヶ原の戦から十年後、三成の娘・辰姫が津軽家に嫁ぐ。藩主の信枚と睦まじい日々を送るも、その三年後に家康の養女・満天姫が正室として当主のもとへ。辰姫は上野国大舘へ移るが、のちの藩主となる長男を産むーふたりの姫による戦国時代の名残のような戦さを描く表題作ほか、乱世の終焉を描く短編も収録。