2019年3月8日発売
藤木賢人は浮かれていた。大手自動車メーカーの愛らしい受付嬢・沢井麻里奈との逢瀬に夢中になっていた。十五歳年下の初々しい肉体の反応にメロメロなのだ。そんななか、キャリアウーマンである藤木の妻・沙絵子に不倫の疑いが浮上する。相手は沙絵子の独身時代の上司で岡島という男だ。愛欲に溺れるダブル不倫の果てに賢人と沙絵子が見たものは…。書下し官能サスペンス長篇。
大恩人である亡き田嶋源太夫の妻子を助けた松平蒼二郎は、京に旅立とうとしていた。実の父である松平定信との因縁を断ち切り、己を見つめ直すための旅である。しかしそこへ、白河十一万石の跡継ぎである、弟の定永が姿を現した。定永は半月前に賊に襲われ、何とか追い払いはしたが、宿直が二名斬られたという。その黒幕は禁裏すなわち朝廷であると、定永は語る…。大好評の剣豪小説。
その暴れっぷりから“ごじゃもん”と恐れられた竹中武。実兄の四代目山口組・竹中正久組長がヒットマンの銃弾に倒れると、仇討ちのために一和会へ猛烈な報復戦を展開する。だが、敵将の首にこだわる武は、いつしか山一抗争の決着を急ぐ執行部と対立。ついには山口組を離脱する。巨大組織の猛攻を受けながらも、自身の信念を貫いたー。最後の極道と称された侠の生涯を描いた実録ノベル!
同性愛者だという夫の衝撃の告白。リリーは愛されなかった不幸な結婚生活に終止符を打ち、イタリアへ移り住んだ。花咲き香る美しい家で、大好きな絵を描く静かな日々はしかし、突如迫られた立ち退きを拒んだため乱されることに。説得に現れた家主のバスティアンーハンサムな黒髪の大富豪の魔力に、リリーはたちまち心奪われてしまったのだ。一度でいい、女として認められたい。切なる願いに身を焦がし、愚かにも身を捧げた。やがて妊娠を知った彼に義務感からプロポーズされ、傷つくことになるとも知らず。-夫と妻としてベッドは共にしても、そこに愛はない。魅惑の大富豪に持ちかけられた冷たい取り引きに苦悩するヒロイン。二度までも愛のない結婚生活に身を投じるのは屈辱的だったが、生まれてくる子供のため、孤独に耐えると決めて…。
亡き姉の幼子2人を引き取ったフレディ。大学を辞め、ホテルのバーでウェイトレスとして働いているが、まだ若く貧しいゆえに正式な養母にはなれずにいた。そんなとき、常連の滞在客から契約結婚を持ちかけられて驚く。ダイヤモンド鉱山を持つ大富豪ザック・ダ・ローシャは、莫大な遺産を継承させる後継ぎのみが必要で愛はいっさい不要、子供さえ産んでくれれば、幼子たちも養子に迎えるという。愛のない夫に純潔を捧げるの?でも、愛する家族は守りたい。悩んだ末にフレディは心を決めた。偽物のシンデレラになると。ハーレクイン・ロマンス3400記念号は、極上のシンデレラロマンス!いとしい姪と甥を守り抜くためならどんな苦しみも厭わないー無垢で芯のあるヒロインに共感せずにはいられない、心揺さぶる珠玉作。
ルイス!スペインにいるはずの彼が、なぜカリブ海に?休暇旅行中のクロエは目を疑い、そしておびえた。莫大な富を持つこの億万長者は、私の兄を破産寸前に追いこんだ。兄をだましたうえ、私までつかまえて、なにをする気なの?なんとルイスは、自分のプロポーズを断れないよう島を一つ買い、承諾するまでクロエをそこに閉じこめる計画を立てていた。昔のルイスはやさしくて勇敢で、私の憧れの人だったのに。今の彼は兄を苦しめ、私を利用する非情な悪魔でしかない。そんな人にバージンを捧げる?でも不実な胸は高鳴って…。『プロヴァンス富豪の脅迫』に登場したスペイン富豪ルイスが、ヒーローとして帰ってきた!有名なプレイボーイでもある初恋の男性に再会した、ヒロインのクロエ。二人きりで過ごすうち、彼の冷酷さは親から愛されなかったせいだと知り…。
ターシャはやむにやまれぬ事情で勤め先の病院を辞め、医師の兄を頼って故郷に帰ってきた。目下、兄から与えられた仕事は、退院する骨折患者の看護だ。その患者とはなんと、途方もなくセクシーで傍若無人な兄の友人、さる公国の皇太子アレッサンドロだった。17歳のころ、ターシャが憧れ、悲惨な失恋をした相手。アレッサンドロに誘われたあの夜、純潔を捧げる覚悟だったのに、彼はドレスを脱がせている途中で侮辱の言葉を浴びせ、去ったのだ。だが、10年ぶりに再会したアレッサンドロはさらに魅力を増していた。古傷の疼くターシャの胸に、恋の悪魔がふたたび忍び寄り…。2017年に3度目となるRITA賞を受賞したスター作家の、貴重な未邦訳作。遊び心と気品の共存する最高にすてきなヒーロー。
これまで、グレーシーは独りで子育てと仕事に励んできた。19歳のときに一人旅したローマで運命的な出会いをはたし、息子を授かったことは今も決して後悔していない。子供の父親のマリクが滞在していた豪華ホテルのスイートで、住む世界の違いに驚きながらも、初めての経験に我を忘れたのだった。ところが直後に、彼の祖父だという老人が部屋に押し入ってきて、みずからを一国の君主と名乗り、マリクは後継者だと告げた。グレーシーは蔑まれ、傷つけられたすえ…はかない恋は、終わった。だが10年後、あの日のままのマリクが、ふたたび目の前に現れるー彼女の唯一の宝物である息子を、自分の跡継ぎに据えるために。
えっ、私がボスの婚約者のふりをする?不動産会社を経営するノア・ロックの秘書になって2年のリリーは、会議の席で突然出てきた話に茫然とした。ノアが次々と女性を替えるという噂を相手先が聞きつけ、女性を大切にしない男とは取引しないと言い出したらしい。そこで誤解を解くため、秘書のリリーがノアの婚約者を演じ、彼とともに相手先の令嬢の結婚式に参列することになったのだ。ノアがくれた大きなダイヤの婚約指輪をはめたとき、リリーは自戒した。この婚約はただのお芝居。ボスに寄せる秘めた想いを悟られてはだめ。なのに、事前にキスの練習をしておこうと彼が提案してきて…。『愛と裏切りの婚約指輪』『残酷なクリスマス』に続く関連最終話。ロック家の3人きょうだいのうち、唯一の独身者となったノアがヒーロー。結婚など考えてもいない彼の婚約者を演じることになったリリーの運命は?
感謝祭目前のある日、ミリアムは元恋人と偶然再会した。チェース・ファーガソンー10年前、私を財産目当てと決めつけ、冷酷にも追い払ったダラスの石油王が、なぜここにいるの?驚いたことに、チェースはふたりが愛を交わした湖畔にある別荘を密かに買い取っていて、そこで一人で休暇を過ごすのだという。作りすぎた料理を届けるだけ…ミリアムは甦る想いをひた隠し、車で別荘へ向かうが、天候の急変で彼と共に閉じこめられてしまう。永いわだかまりはしだいにほぐれ、暖炉の炎が情熱を焚きつけた。チェースのキスにこたえながら、ミリアムは自分を戒めた。今だけよ。嵐が去れば、彼もまたいなくなるのだから…。ディザイアからのデビュー作『始まりは大富豪の嘘』の関連作。ドラマティックな再会の物語。
教師のレイナは休暇で訪れた南の島で、海賊を思わせる老人と出会った。聞けば、島の半分は老人の、もう半分は大富豪トールのもので、トールは再三、島をすべて売り渡すよう老人に迫ってくるという。大事な島を、虎の目を持つ“悪党富豪”にみすみす渡したくはないと、老人は自分の死後に所有権をレイナに移すよう手配りして逝った。後日、その事情を知ったレイナが戸惑っているところへ、さっそくトールから島を売るよう迫る手紙が送りつけられる。あのご老人の気持ちを考えれば、絶対に手放すわけにはいかないわ!だが島を再訪したとき、トールの豪華な別荘へ招かれ、レイナは震えた。美しき悪魔と二人きり。身も心も、無事で帰れる気がしなくて…。
ひと月ぶりに愛する我が家へ戻ってきたジュリアは愕然とした。留守中に父が破産し、屋敷を売り払うことになっていたのだ。買い手は悪名高いギリシア人富豪、アレックス・コンスタンティス。アレックスと顔を合わせた瞬間、ジュリアは驚きを隠せなかった。さっき私が不法侵入者と間違えた礼儀知らずな人だわ!アレックスはあろうことかジュリアを気に入り、誘惑したばかりか、ぼくのものになれば屋敷を手放さずにすむと言って求婚してきた。尊大な物言いと冷たい微笑に、不本意にも感じたかすかな胸のときめき。ジュリアはそれを無視して、彼の申し出を受けた。これはすべて家のためーそう自分に言い聞かせながら。
病室のベッドの上で、シンシアは奇跡的に意識を取り戻した。億万長者と婚約中の、誰もが羨む幸運な女性ーそれが私だと言われても、何も思い出せない。頭の中は真っ白だ。婚約者のウィルに優しく呼びかけられた瞬間、体はたちまち熱く反応した。でも…彼が私を見るたび眉をひそめるのは、なぜ?事故で記憶を失った婚約者シンシアを見舞うウィルの心は、千々に乱れた。彼女に浮気の証拠を突きつけ、婚約解消を宣言したのは、事故直前のこと。だが、シンシアの驚くべきこの突然の変化を…どう解釈すべきなのだ?類いまれなる美貌とプライドの高さから“氷の女王”の異名をとる彼女が、まさか別人のようにー快活で優しい女性に変わってしまうとは。
「わたしのおなかにあなたの赤ちゃんがいるんです」アンジーは見ず知らずの夫妻の受精卵を誤って移植されたと知って、相手の男性、ピレリ氏に電話をかけた。亡き妻の忘れ形見の誕生を待ちわびていたー彼の言葉に心揺さぶられ、アンジーは出産を決意する。無事に生まれたら赤ちゃんは返そう、と。だが、面会に現れたドミニク・ピレリは裕福な投資家で、みすぼらしい格好のアンジーを一瞥するなり、辛辣に言った。「いったいいくらほしいんだ?」うなだれるアンジーだったが、やせ細ったその姿に気づいたピレリ氏に促され、レストランへ。そして帰り道、彼の海辺の邸宅で過ごすよう提案されて…。
白い薔薇で飾られたその舞踏会場で結婚式後の祝宴が開かれ、ライラは花嫁である幸せそうな親友の姿を壁際から眺めていた。親友が嫁いだのは社交界でも有名なモアランド公爵家。その変わり者揃いの公爵家の面々と、ライラもすっかり仲良くなっていたーただ一人、コンスタンティンをのぞいて。末男の彼は調子がよく世慣れていて、堅物なライラと正反対。顔を合わせればついいがみ合ってしまうのだ。そのとき「踊ってもらえますか?」と声をかけられライラは振り向いた。そこにはコンスタンティンが目を煌めかせて立っていて…。
その日職場に現れた男性を見て、サリーナは茫然と立ちつくした。わたしの人生をめちゃくちゃにした、コルビー・レイン!富豪の娘として育った彼女は17歳のとき、父のSP役に抜擢されたコルビーと燃えるような恋に落ちた。鍛えぬかれた腕に奪われ、すべてを捧げた一夜の後、彼は非情にもサリーナを捨て去ったのだ。そして妊娠が発覚。サリーナは実家からも勘当され、以来7年間、貧困のなかで娘を育ててきた。震える心を押し隠しコルビーと向き合いながら、彼女は誓った。愛しい娘の存在だけは、けっして彼に知られてはならない…。
真っ青な空を背に15歳のジェーンは笑顔で泳ぎを楽しんでいた。絵葉書のように美しい海と眩い太陽。その時どこからともなくモーターボートが近づいてきた。ボートは明らかにジェーンを標的にして突進し、スクリューが彼女を切り裂き…そこで悲鳴とともにジェーンは目を覚ました。何度となくうなされるこの悪夢は、16年前に実際に彼女が経験した悲劇だ。その苦しみを乗り越えた今、ジェーンはハンサムな医師と結婚し、お腹には待望の赤ちゃんがいる。人生はまさに順調だったー“ボートの男”が再び現れてすべてを脅かすまでは。
小学校教師のレベッカは夏の2カ月間だけという約束で、海外赴任中の従兄ロリーの双子を世話することになったー8年前まで毎年夏を過ごした、あの懐かしいエイスガース邸で。当時、レベッカはロリーの兄フレーザーにひそかに恋していた。だがあるとき、新婚だったロリーに愛人のふりをさせられ、その結果フレーザーから軽蔑されて邸に行けなくなったのだ!今、フレーザーはアメリカに長期出張中で留守だという。彼に会わずにすむなら、としぶしぶ邸へ向かった彼女だったが、突然帰国したフレーザーが再び蔑みの視線を投げてきて…。