2023年10月27日発売
現役医師として命と向き合い続けた著者が到達した、「人の幸せ」とは。 累計340万部突破のベストセラーシリーズ『神様のカルテ』を凌駕する、新たな傑作の誕生! その医師は、最期に希望の灯りをともす。 【あらすじ】 雄町哲郎は京都の町中の地域病院で働く内科医である。三十代の後半に差し掛かった時、最愛の妹が若くしてこの世を去り、 一人残された甥の龍之介と暮らすためにその職を得たが、かつては大学病院で数々の難手術を成功させ、将来を嘱望された凄腕医師だった。 哲郎の医師としての力量に惚れ込んでいた大学准教授の花垣は、愛弟子の南茉莉を研修と称して哲郎のもとに送り込むが……。 ●著者より 読者の皆さまへメッセージ 医師になって二十年が過ぎました。 その間ずっと見つめてきた人の命の在り方を、私なりに改めて丁寧に描いたのが本作です。 医療が題材ですが「奇跡」は起きません。 腹黒い教授たちの権力闘争もないし、医者が「帰ってこい!」と絶叫しながら心臓マッサージをすることもない。 しかし、奇跡や陰謀や絶叫よりもはるかに大切なことを、書ける限り書き記しました。 今は、先の見えない苦しい時代です。 けれど苦しいからといって、怒声を上げ、拳を振り回せば道が開けるというものでもないでしょう。 少なくとも私の心に残る患者たちは、そして現場を支える心ある医師たちは、困難に対してそういう戦い方を選びませんでした。 彼らの選んだ方法はもっとシンプルなものです。 すなわち、勇気と誇りと優しさを持つこと、そして、どんな時にも希望を忘れないこと。 本書を通じて、そんな人々の姿が少しでも伝われば、これに勝る喜びはありません。 (夏川草介) ●著者プロフィール 夏川草介(なつかわ・そうすけ) 一九七八年大阪府生まれ。信州大学医学部卒業。⻑野県にて地域医療に従事。二〇〇九年『神様のカルテ』で第十回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。同書は二〇一〇年本屋大賞第二位となり、映画化された。他の著書に、世界数十カ国で翻訳された『本を守ろうとする猫の話』、『始まりの木』、コロナ禍の最前線に立つ現役医師である著者が自らの経験をもとに綴り大きな話題となったドキュメント小説『臨床の砦』など。
「あなたとならちょうどいい。なので、結婚していただけませんか?」付き合って6年。結婚も視野に入れていた恋人から手酷い裏切りをうけ、傷心中のジュリアは自暴自棄になりかけていた。そんな時に、見目が麗しく遊び人だという噂のある白騎士・レオナルドから結婚を申し込まれる。お互いに利点があり“ちょうどいい”からと契約結婚を提案され、前向きに検討することにしたジュリア。だが、本当に好かれているかのように、とろけるほど熱くアプローチされて…。
路地裏で少年のふりをして暮らす私が、 プリンセスの代役ですって……!? 路上で生きのびるため、情報屋のアルは少年のふりをしている。 女らしい体のラインをだぶだぶの服で隠して。 路上に放り出される前の記憶はなく、本当の名前もわからない。 ある日、古代ローマ時代の剣闘士を思わせる男性が訪ねてきた。 鋭い光を放つ瞳は金色で、そのオーラに誰もが道を空けた。 彼は大富豪リシアス。行方不明のカリヴァ王国プリンセス、 ザンドラの情報を集めるようアルに依頼してきた。 だが折しも暴漢に襲われ、アルは実は女だと気づかれてしまう! するとリシアスは大金と引き換えに途方もない仕事を依頼する。 「きみにプリンセスのふりをしてほしい」 気鋭の作家ロレイン・ホールの日本デビュー作は、大人気の男装ヒロインの物語。薄汚い少年の服の代わりに、生まれて初めて美しいドレスを着たヒロイン。過酷な境遇にもめげずひたむきに生きる彼女の初恋の行方は? そして、思いもよらぬ出生の秘密とは……?
この結婚に愛はない。花嫁のエデンは浮かない顔だった。亡き父の会社を守るため、想いを寄せる男性のことはあきらめた。だが花婿に隠し子がいるとわかり、式は一転、中止となってしまう。失意と屈辱の彼女を救ったのは、富豪のレミーだった。私を嫌っていた人がなぜ?私は彼に恋いこがれていたけれど。レミーの真意はすぐにわかった。「僕は君が欲しい」ただし、一度ベッドをともにしたら、あとは他人に戻りたいという。1時間でもそばにいたくて、エデンは彼に純潔を捧げた。他人に戻るどころか、妊娠によってさらに深く結びつくとも知らず。
ジュエルは楽園のようなリゾートのホテルで、幸運にもオーナーのアシスタントの職を得た。その夜、バーの前で見知らぬゴージャスな男性に誘惑され、心を奪われて、普段ならありえないことだが、彼と熱い夜を共にしてしまう。出勤初日、オーナーのギリシア富豪ピアズと顔を合わせた瞬間、ジュエルは凍りついた。なぜ彼がここにいるの?まさか一夜の夢の恋人が、ピアズ・アネタキスだったなんて。しかもなんの説明もなく、彼女は即刻解雇されてしまった。冷淡な仕打ちに傷つき、逃げるように去ったジュエルの身に、さらなる試練が振りかかるーピアズの子を妊娠していたのだ!
赤ん坊を乳母車にのせて、深夜のロンドンの街をさまようホリー。子供の父親に捨てられ、行くあてもない。このままでは…。物思いにふけるあまり、交差点に近づいていると気づかなかった。次の瞬間、車道との段差に足をとられ、ホリーは転倒した。イタリア人の富豪リオ・ロンバルディはリムジンから飛びだし、頭を打って意識を失った、うら若い女性の姿を目にした。婚約を破棄したばかりの彼は、どうしても妻を必要としていた。この子連れの女性を屋敷に連れ帰り、妻にするのはどうだろうか?
エリザは家を飛び出し、土砂降りの中、あてどなく彷徨っていた。借金のかたに年寄り貴族に嫁がされそうになっていた彼女を救い、結婚してくれた幼なじみの夫から、同性の想い人がいると告白されたのだ。私は一生夫婦の喜びを経験できないし、子供も持てないんだわ…。すると、そこを通りかかった馬上のたくましき青年ネイトに拾われ、ずぶ濡れのエリザは雨宿りをするうち、彼に身の上を吐露していた。そして、せめてこの瞬間だけはと夢のような一夜を過ごし、互いに名前しか知らぬまま、翌朝、それぞれ元の人生へ戻っていった。7年後、事故で夫を失ったエリザは、ロンドンで思わぬ再会を果たすーあの雨夜に授かった愛娘の父親、今や侯爵となったネイトと!
漆黒の髪、黒の上着とスカートに、黒いブーツ。煙突掃除人の娘ジェマイマは伝統的な盛装で、貴族の結婚式の余興に出た。上流階級の人々に気後れしていたところ、一人の男性が声をかけてきた。見目麗しきその男性は、第15代セルボーン伯爵ロブ。結婚式に煙突掃除人とキスをすると幸せになれるーそんな言い伝えに則って彼に口づけされ、ジェマイマの胸はときめいた。一方ロブは、亡き父と祖母の奇妙な遺言に頭を痛めていた。伯爵領と莫大な資産を継ぐ条件として、父からは4週間以内の結婚を、祖母からは100日間の禁欲を命じられたが、適した相手がいないのだ。いや、待てよ。この煙突掃除人の娘を、名ばかりの妻にしたら…?
知らなかった、彼に婚約者がいたなんて…。ずっと憧れていたベンと結ばれ、幸せいっぱいで迎えた朝、リリーは彼が別の女性と婚約したという記事を読んで愕然とした。由緒ある領主館の跡取りベンと、使用人の娘のわたし。もともと叶わぬ恋だったのに…。リリーは彼がまだ眠っている間に、部屋から逃げだした。そして3年後。国外にいたリリーの前に、突然ベンが現れた。「ぼくたちの娘をほったらかしてバカンスか?」なぜ娘の存在を?父親の名前を誰にも告げずに産み育ててきたのに!まさか、わたしの最愛の娘を奪いに?リリーは恐怖に凍りついた。
地味ながら穏やかに暮らすアンナの家にある日突然、見知らぬ大富豪ウォードが現れ、一方的に言いがかりをつけてきた。彼の弟から大金をだまし取ったと責められても、まるで身に覚えがない。だが、百獣の王のような圧倒的存在感を放つウォードは、彼女に反論の余地も与えぬまま、憤然と立ち去った。ばかね、私。彼に怒るべきなのに、魅力を感じてしまうなんて…。その後、アンナは庭仕事中に頭を怪我して気を失うが、たまたま戻ってきたウォードに発見され、病院へ運ばれた。目覚めると彼女は、記憶を失っていたーそして、ウォードに言った。「あなたとは特別なものを感じる。私たちは、恋人同士なんでしょう?」
レナはさるパーティで、忘れもしない男性と思いがけず再会した。マックスー今はロンドンで大成功した34歳の大富豪だけれど、かつては無責任に私の体を利用してポイ捨てした少年だった…。誘惑されるまま純潔を捧げた自分も愚かだったかもしれない。でも、彼が翌日にはまるで何事もなかったかのように忽然と姿を消し、以来、ずっと連絡が途絶えたままになるとは思わなかった。あれから16年が過ぎ、マックスはついに故郷に帰ってきたのだ。もう傷つきたくない…。彼には二度と身も心も渡さないわ!そう誓うレナだったが、マックスの屋敷の玄関前に赤ちゃんが置き去りにされているのを二人で一緒に見つけてー
生まれたての赤ん坊が、なぜ白一色の吹雪のなかに!?その夜、病院の当直をしていた看護師メグは、筋肉質の魅力的な男性ゼインが必死に運んできた小さな命に驚いた。懸命な看病の甲斐あって、赤ん坊は一命を取りとめた。メグはもともと人一倍子供好きだったが、数年前に病のため手術を受け、子を望めない体になったこともあり、目の前の小さな患者にこの上ない愛着を抱くようになる。ゼインもまた、幼い頃に死に別れた双子の弟の面影を重ね、赤ん坊に弟の名をつけて、自ら里親になる決心を密かにしていたーそのために偽装結婚を持ちかけられるとは、メグはまだ知らなかった…。
龍神・波琉からミトへの愛は増すばかり。そんな中、天界から別の龍神・煌理が二人に会いに来る。煌理から明かされた、百年前にミトの一族が起こした事件の真相。そしてその事件の因縁から、天界を追放された元龍神・堕ち神がミトに襲い迫る。危険の最中、ミトは死後も波琉と天界に行ける“花の契り”の存在を知る。しかし、それは同時に輪廻の輪から外れ、家族との縁が完全に切れる契りだという…。最初は驚き、躊躇うミトだったが、波琉の優しく真っすぐな愛に心を決めー。「ミト、永遠を一緒に生きよう」
侯爵令嬢アナスタシアは事故で命を落としたはずが、目覚めると国の英雄であるイーサンと結婚する前に戻っていた。突然の王命による結婚にもかかわらず健気に愛し尽くしてくれた彼に、最期まで素直になれなかったことを後悔するアナスタシア。今度はちゃんと愛を伝えようと決心するが、なぜか結婚の王命は下らず、イーサンには素っ気ない態度を取られてしまい!? 何が起きているか分からないけれど、今度こそ彼と両思いになりたいアナスタシアは猛アタック。めげずに続けるうちに、イーサンが切ない眼差しを向けてきて……?「どうしてあなたは、俺の決意を簡単に揺るがせるんでしょうね」コミカライズも決定、琴子渾身の完全書き下ろし新作!
叔父たちに公爵家を奪われるも前向きに生きるリゼットは、ある日、謎の青年エクトルと出会う。顔色の悪いエクトルを放っておけず、人嫌いだという彼に戸惑いつつも献身的に支えていた。最初はそっけなかったエクトルだが徐々に心を開き始め互いに惹かれていく。しかし、エクトルの正体が皇太子だと判明し!?「俺は、君を愛している。離れることなど考えられない」公爵家を取り戻すか、皇太子妃になるか、リゼットが出した答えは…?
オレと契約結婚しないか?-婚約破棄されてしまったエリザにそう持ちかけてきたのは、第二王子のエミリオ。白い結婚で自由を謳歌できるという言葉につられて彼との結婚を決めてしまう。実はエリザは読書が大好きで、某作家の大ファン。推し活に人生を捧げているのだ。推しへの愛を熱く語っても、彼は引くどころか笑顔で受け入れてくれる。なんていい人と思っていたけど、なんだか甘い態度で情熱的に見つめられているのは気のせいよね!?