2023年10月発売
異世界の知識で、人々を流行病から救う!! 「ウィンダリアの雪月花」として生まれた侯爵家次女のセレスティーナは念願のスローライフを悠々自適に送っていた。 薬師ギルドの一員として働くセレスは、旅先で手に入れた幻月の花で香水を作成。 その香水を花街の人へ渡そうと訪れると、十年前に起こった大騒動の発端である薬と、同じ匂いがすると言われ……? 偶然がきっかけで十年前の事件が少しずつ明らかになっていく! 後日、セレスがいつものように花街を訪れると、そこには北方の風土病である「赤水病」に感染した患者と遭遇。 セレスは感染力の強い病を抑え込み花街を救うため行動を開始! その中で異世界の知識に、有効な療法があることを思い出しーー。 さらにセレスをサポートするため、ジークフリードも協力するべく駆け付けるが、実は他にも目的があるようで……? 家族から忘れられた少女の、のんびり薬師ライフ第二弾!!
追放された太っちょな貴族の三男であるミトロフは、“食費”のために冒険者となった。エルフ族の少女グラシエと、遺物に呪われた少女カヌレと共に迷宮に潜る中で、異常個体である赤目のトロルの討伐に成功し、ギルドで一躍時の人となる。そんな中で、グラシエが一時的にパーティを離脱し、ミトロフはカヌレと2人きりで迷宮に行くことに。探索中に出会ったのは、怪我をした獣人の少女アペリ・ティフだった。彼女を治療したことで妙に信頼を得たミトロフは、“裏”に棲む魔物の討伐を依頼される。しかし、裏の魔物は“表”に棲息するより強力な上位種でー!?さらに、依頼に臨もうとするミトロフたちに、カヌレの兄を名乗る白銀の騎士が訪ねてくる。「カヌレを連れ戻しにきた」と。パーティ崩壊の危機に、ミトロフは“貴族”としての矜持すら捨て、決闘に挑むー!追放された“太っちょ”な貴族による“優雅”な迷宮攻略譚、第2幕!
アインズヘイルの領主・オリゴールからの依頼に応えたイツキたちは、収穫祭を大成功で終えた。転生者である吸血鬼・赤城七菜とも和解し、錬金術に精を出す平和な日常が戻ってくる。そんなイツキは、とある事情によって王都立エルサス学園の『錬金科』の臨時教師を引き受けることに。受け持つことになったのは、双子の姉妹であるラズとクランをはじめとした、落ちこぼれな貴族の子女たちが集うクラスだったー。「せんせーごめんねー、全然できなくてー…」「せんせ、私たちダメダメでごめんね〜…」ずっと一緒にいたいと話す彼女たちだったが、そのためには、学園の卒業要項を満たした上で、自立できるほどの成果を出す必要があるという。卒業すら危ぶまれる中で、健気な姉妹のお願いを叶えるため、イツキが考え出した錬金術と『流れ人』の知識を活かした秘策とはー?スキルを駆使して美少女たちと送る賑やかな異世界スローライフ、第11幕!(願望)
地下世界ドゴログマで、巨大化した厄災魔獣と争っていた水龍族の少女・リヴァーナを助けたフリオたちは、彼女を新たな居候に加えた。そんなフリオ一家に、顔馴染みとなった神界の使徒・ゾフィナが訪ねてくる。先日の厄災魔獣の一件が原因で、クライロード球状世界を覆う魔法防壁が破損してしまったとのこと。魔法防壁を修復するための神界魔法は、本来、人種族が扱うことはできない。そこで、神界魔法を習得しているフリオと娘のエリナーザに依頼が舞い込んできたのだった。その最中、ゾフィナは記憶を失った元神界の使徒・タニアと再会を果たしー!?さらには、今後クライロード球状世界の魔法防壁を管理するため、地下世界ドゴログマにあるといわれている、世界を管理する神々が住まう城である『神界城』の模倣品を探すことになりー?WEB発、チートだけどまったりな異世界ライフ、第16巻!
虐げられていた少女の隠れた才能が人々を救う!? 契約結婚として公爵家当主のローガンへと嫁ぐことになったアメリア。 婚約者として過ごしていたある夕飯の食卓で、ローガンから自身の調合スキルを薬学の進展に活かさないかと提案される。 最初は迷ったものの、アメリアは自分の能力が誰かの役に立つならと、その知識を伸ばすことを決意する! その後、先生としてウィリアム教授が公爵家を訪れる。 ウィリアムはアメリアの知識を測るためテストを受けさせるが、予想以上の高得点で!? そんな中、領内に蔓延していた『紅死病』という流行病に巻き込まれることになったアメリア。 必死に特効薬を探す中で、アメリアの眠っていた才能が、目覚める! ローガンはそんなアメリアを全力でサポートし、その優しさを見たアメリアもさらに魅了されていきーー。 家族から愛されなかった少女が、誰よりも幸せになる物語、第二幕。
身を削って、人を励まそうとする作家、咲セリと学校への講演活動などで、懸命に語りかけるマニィ大橋、二人の実話を元にしたギリギリに優しいフィクション。NHK「ハートネットTV」でつながった生きづらい作家二人が綴る、往復書簡小説。
シット・ジョブ。店員、作業員、配達員にケアワーカーなどの「当事者」が自分たちの仕事を自虐的に指す言葉だ。他者のケアを担う者ほど低く扱われる現代社会。自分自身が人間として低い者になっていく感覚があると、人は自分を愛せなくなってしまう。人はパンだけで生きるものではない。だが、薔薇よりもパンなのだ。数多のシット・ジョブを経験してきた著者が、ソウルを時に燃やし、時に傷つけ、時に再生させた「私労働」の日々、魂の階級闘争を稀代の筆力で綴った連作短編集。
義理姉の悪行を全て押し付けられ、「悪女」と評判が立ってしまっている公爵令嬢のエスメラルダ。 体の弱い母とまだ歳若い弟のため、不名誉な噂を甘んじて受け入れていた。 そんなエスメラルダは、義理姉の代わりに「血染めの獅子王」と恐れられている近隣国の王・グレゴリオに嫁ぐことに! 三年間、子を成さなければ離縁できると知った彼女は、離縁目指して白い結婚でやり過ごそうとするけれど!? 「俺の子を孕んでもらおう」「嫌です!」 素直になれない悪女(冤罪)な公爵令嬢と冷酷無慈悲な国王のエロ度120%! 離縁をかけた濃厚えっちなーでの攻防戦開幕!
「しゅっ」「ぱーつ!」5歳の息子コースケと僕たち夫婦は、今日も小さな冒険の旅に出る。Rグランハイツー郊外にある巨大なマンション群。ずらりと並んだドアを一つ選んであけるとそこには、「どこにでもある日常」の、「かけがえのない今日」が詰まっていた。楽しいことばかりじゃない。けれどいつか、泣きたくなるほど大切だったことに気づく「今日」がここにある。
念願だった映画の宣伝会社に転職した弥生。そんななか、夫から切り出された「ある提案」を受け入れられず、忙しさにかまけ、決断を先延ばしにしていた。だが、その日は確実に迫っていて…。(「あなたのママじゃない」)。優良メーカーに内定が決まった健生。サークルで知り合った友達以上恋人未満の彼女から同棲を仄めかされるが、うやむやにしていた。そんなある日、アパートに帰宅すると、かつて池袋で共に暮らした美空が現れ…。(「BE MY BABY」)。初対面なのに物怖じせず、屈託のない転校生の美月を前に、副担任の杏子の心はざわめいた。懸念されることの一つは、クラスの中心的人物で問題児でもある莉愛が虐めの標的にすることだったが…。(「まだあの場所にいる」)。ほか予想外の展開と結末に感嘆必至の全5話。
1938年に一冊の本でパリの文壇の話題をさらい、剽窃のかどで消えてしまったセネガル人作家T・C・エリマン。彼は一体何者だったのか?現代のくすぶる若手小説家ジェガーヌがその軌跡を追い求めるうちに、エリマンを巡る物語は語り手を変え、時を超え、パリ、アムステルダム、ブエノスアイレス、ダカール、セネガルの名もなき村へと舞台を変貌させていく…。文学へのあくなき欲望の迷宮を恐ろしいほどの気迫で綴る、衝撃の傑作小説。
落ちるのなら、ひとりでなくふたりがよかった。中学生の頃からずっとふたりでひとつだった安奈が、恋をしていると知った私はー。芥川賞候補『あくてえ』で注目を集める異才の文藝賞作家が放つ、破壊的青春譚。
小説を書くことに翻弄される二人の女。 どうしようもなく背負ってしまう因果。 無傷ではいられないのに、 それでも私は書き続けるのだ、 という覚悟。 そのすべてを封じ込めた物語を チレンさんは書いてしまった。 ーーーー窪美澄(作家) 彼女は己の何もかもを削ぎ落しながら、 美しく繊細な物語を紡ぐ。 そうして生まれた作品は眩いばかりの光を放ち、 同時に深い闇を孕む。 この作品は、まさしく木爾チレンそのものだ。 ーーーー町田そのこ(作家) 窪美澄さん、町田そのこさんも激賞!! 一気読み必至!! 2023年の大本命!! 最旬にして俊豪・木爾チレンの真骨頂、 深き心の闇に愛憎蠢くヒューマンミステリー!! 女にだけわかる、狂気。 過剰な嫉妬は、やがて強大な殺意へ…。 若くして小説家デビューを果たし、その美貌と才能で一躍人気作家となった東山冴理。 しかし冴理は人気絶頂のさなか、突然、筆を断ったーー。 やがて三十年の時が経ち、冴理のもとに、ひとりの女性編集者が執筆依頼に訪れる。 「私には書く権利がないの」そう断る冴理に、 「それは三十年前ーー白川天音先生が亡くなったことに関係があるのでしょうか」編集者は問う。 「あなたは、誰かを殺したいと思うほどの絶望を味わったことってあるかしら」 ーーそして、この時を待っていたというように、冴理は語り始める。 高校文芸部の後輩、白川天音が「天才小説家」として目の前に現れてから、 全ての運命の歯車が狂ってしまった過去と、その真実を……。 希望と絶望、 羨望と嫉妬…… これは、ふたりの女性作家が、才能を強く信じて生きた物語。 すべてを読み終えたあと、 あなたはタイトルに託された“切ない意味”を知り、 ぎゅっと、胸を締め付けられる。 ヒット作『みんな蛍を殺したかった』の俊英女性作家による、 1年ぶりの書き下ろし長編小説。 満を持して、待望の最高傑作、降臨!!
戦乙女…それは巨大生命体「ヒュージ」に対抗できる最後で最強の存在。彼女たちは決戦兵器CHARMを駆りヒュージを討滅する特別な存在。人類の希望であり、時にあこがれの存在。リリィを目指す多くの少女たちが口にする後に名を馳せたリリィの多くが参戦した歴史的な戦いがある“御台場迎撃戦”戦技会に集められた1年生のみ、5つの部隊に編成されたリリィたちはどのように戦ったのか?どのようにして「巣なしのアルトラ」を討滅できたのか?リリィの戦死者ゼロ、一般人の死亡者ゼロという「奇跡〜Wunder〜」はどのようにして達成されたのか?
どんぐりの落下と発芽から「ここに在る」ことを自問するリスの青年。衰弱した弟との「間柄」のためにニワトリを狙うキツネのお姉さん。暗闇から光の世界へ飛び出し、「存在の本質」を探すコウモリの男の子。日本・南米の動物たちが見た「世界」とは?哲学の入門書よりやさしく学べて、明日を「生きる」意味が見える物語。
ポンコツ女神の手違いで前世を終え、異世界の山の中に転生したレン。お詫びに授けられた【錬金術】と【鑑定】のスキルを試しに使ってみると、想像したとおりに物を作り出せることが発覚! 山の中で出会った不思議なでかもふたちと力を合わせて温泉づくりや魔石の採取、山の素材を使った異世界グルメなど悠々自適な山暮らしを満喫する。 そんなある日、女神から追加で山と街を行き来できる【転移ポイント】を授かったレンは、早速街へ行ってみることに。そこで出会った獣人の少女と魔導具屋を営むことになったり、街を襲う犯罪組織をサクッと倒したり、激レア素材をゲットしたり…と、気が付けばチート級錬金術で大活躍してしまうレン。 さらに、錬金術ははるか昔に失われたはずの技術だということが発覚して…!? 唯一無二のスキルではじめる不思議なもふもふたちとの異世界スローライフ、いざ開幕!
前世の記憶を持ち、錬金術師が統治する国に生まれたルービット。自身も錬金術師としてずば抜けた才能がありながらも、しがらみに囚われず気楽に生きたかったルービットは、人類圏の最端にアトリエを構えることに。レア素材を採取したり、ポーションやアイテムを作ったり、その傍らに釣りを楽しんだり…と気ままな辺境生活を満喫する。そんなある日、恩師からの紹介である少女が「錬金術師として生きていく術を教えてほしい」と訪ねてくる。一方、ルービットがこっそりと研究を重ね、大切に育ててきたホムンクルス・ヴィールが順調に成長し、とうとう外に出られるように。一人だったアトリエ生活は一気に賑やかになり…!?時には街の平和を守ったり、領主の目にとまってしまったり…異世界の片隅でひっそり暮らすはずが、優秀すぎて意図せず大活躍!?規格外の錬金術師と相棒のホムンクルスが送る悠々自適な辺境ライフ、スタート!
森鷗外『舞姫』を彷彿させる、ドイツ留学したエリート医学生の西欧との出逢い、東欧との疎隔とその葛藤を描く自叙伝的作品『ドイツの歌姫』。古き良き民衆を大らかな共感と深い洞察で活写し、19世紀セルビアのリアリズム文学を確立したラザーレヴィチの中短編六篇を収録。本邦初訳。
13世紀のフランスー異端狩りが苛烈さを極める最中、異端カタリ派との交友が深かった吟遊詩人カンブレーのギローは、密告におびえる日々。ある日、サンティアゴへの巡礼を思い出ち出立したものの…。思慕と追想…長編大ロマン!
現役医師として命と向き合い続けた著者が到達した、「人の幸せ」とは。 累計340万部突破のベストセラーシリーズ『神様のカルテ』を凌駕する、新たな傑作の誕生! その医師は、最期に希望の灯りをともす。 【あらすじ】 雄町哲郎は京都の町中の地域病院で働く内科医である。三十代の後半に差し掛かった時、最愛の妹が若くしてこの世を去り、 一人残された甥の龍之介と暮らすためにその職を得たが、かつては大学病院で数々の難手術を成功させ、将来を嘱望された凄腕医師だった。 哲郎の医師としての力量に惚れ込んでいた大学准教授の花垣は、愛弟子の南茉莉を研修と称して哲郎のもとに送り込むが……。 ●著者より 読者の皆さまへメッセージ 医師になって二十年が過ぎました。 その間ずっと見つめてきた人の命の在り方を、私なりに改めて丁寧に描いたのが本作です。 医療が題材ですが「奇跡」は起きません。 腹黒い教授たちの権力闘争もないし、医者が「帰ってこい!」と絶叫しながら心臓マッサージをすることもない。 しかし、奇跡や陰謀や絶叫よりもはるかに大切なことを、書ける限り書き記しました。 今は、先の見えない苦しい時代です。 けれど苦しいからといって、怒声を上げ、拳を振り回せば道が開けるというものでもないでしょう。 少なくとも私の心に残る患者たちは、そして現場を支える心ある医師たちは、困難に対してそういう戦い方を選びませんでした。 彼らの選んだ方法はもっとシンプルなものです。 すなわち、勇気と誇りと優しさを持つこと、そして、どんな時にも希望を忘れないこと。 本書を通じて、そんな人々の姿が少しでも伝われば、これに勝る喜びはありません。 (夏川草介) ●著者プロフィール 夏川草介(なつかわ・そうすけ) 一九七八年大阪府生まれ。信州大学医学部卒業。⻑野県にて地域医療に従事。二〇〇九年『神様のカルテ』で第十回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。同書は二〇一〇年本屋大賞第二位となり、映画化された。他の著書に、世界数十カ国で翻訳された『本を守ろうとする猫の話』、『始まりの木』、コロナ禍の最前線に立つ現役医師である著者が自らの経験をもとに綴り大きな話題となったドキュメント小説『臨床の砦』など。