制作・出演 : ロッシーニ
スル・ポンティチェッロが用いられた序曲ですでに期待度は大。各所にちりばめられたアジリタやフィオリトゥーラ(早口や装飾的な歌唱)の巧みさや、ハイ・トーン、声色などに興奮しているうちに一気に聴き通してしまう。第1幕最後の合唱や、有名な最後のアリアもとにかく最高。★
イギリス出身のバリトン、キーンリサイドがモーツァルトからヴェルディやワーグナーに至るバラエティに富んだアリアを歌っている。しっかりと自分のある知的な歌手のようだ。特に「プロヴァンスの海と大地」や「夕星の歌」での柔和な歌声が印象的。
1曲を5分でまとめるという番組の制約を、見事にクリアしている名アレンジで楽しむ、NHK『名曲アルバム』のCD版。スペインを舞台にした作品から民族音楽を反映したものまで、スペインの情熱と哀愁が楽しめる。
洗練された音色と精緻なアンサンブルで一世を風靡したシャルル・デュトワ&モントリオール交響楽団は、ロッシーニのような軽快な音楽も得意としていた。1990年10月、モントリオールでの録音。
制作・出演
カレーラス / ジャンフランコ・パスティーネ / ジョン・マッカーシー / フィルハーモニア管弦楽団 / フォン・シュターデ / フランチェスコ・マリア・ベリオ / ヘスス・ロペス=コボス / ロッシーニ / ロペス・コボス発売元
ユニバーサルミュージック現代最高のロッシーニ歌いとして押しも押されもせぬ人気と実力を兼ね備えたカサロヴァ。絶妙な間の取り方で自在な歌唱を繰り広げるデュエットでも遺憾なく力量を発揮する。ヴァルガスとの丁々発止の切り結びが耳を奪う「タンクレーディ」など聴きどころ満載のCDである。
古楽器を使用することで作品のオリジナルな味わいが蘇った好企画の完結編。12歳のロッシーニが作曲したソナタを中心に、その少年時代を回顧するような晩年の作「ひとつぶの涙」で締め括る心憎い選曲。爽やかにして奥行きのある演奏は名手揃いの賜物。★
2004年4月4日大阪・ザ・シンフォニーホールでのソプラニスタ岡本知高のリサイタルのライヴ録音。女声のような高音と女声以上の豊潤さ。女声、男声、クラシック、ポップスの垣根を越えて、さまざまなレパートリーを、類希なる声で歌い上げている。
《ユニバーサル・クラシック文庫》ジュリーニ編10点からの1枚。ジュリーニにとって初めてのロッシーニ声楽作品の録音だったもので、古典的な気品のある表現が素晴らしい。
アメリカの人気歌手ハンプソンのベスト・アルバム。ロッシーニからミュージカルまで、向かうところ敵なしの勢いだ。歌詞が仏語でヴェルディの書法もいくぶんよそ行きの趣きがある「シチリア島の晩祷」に、知的奥行きを持つハンプソンの真骨頂が発揮されている。