発売元 : 株式会社アブソードミュージックジャパン
これはリーダーのパーキンスより、ペッパー・アダムスのバリトン・サックスとアレンジを提供したゴードン・グッドウィンの才能に注目させられる、なかなかの好アルバムだ。70年代後半の西海岸らしいサウンドで当時のメインストリーマーたちの真摯な演奏が印象深い。
貴重なシリーズからヘイグとベイカーの共演がアルバム化された。ジャム・セッションの模様を収録しているので内容は散漫だが、マニアなら目が離せない一枚だろう。音質もよくないし、顔合わせ以外に興味はないが、それでもこうした発売は嬉しい。
ウディ・ハーマンやテッド・カーソンで名を挙げた米国屈指のバリトン・サックス奏者が、相方にトロンボーンのビル・ワトラスを起用し、79年にロサンゼルスで録音したカルテット・アルバム。ホレス・シルヴァーなどのジャズの名曲を、男気あふれるマナーで好演。
チェット・ベイカーがチャーリー・パーカーと共演した同名アルバムとは別内容の作品で、1952年8月に西海岸で行なわれたジャム・セッションの模様を収録。短いながらもペッパーの瑞々しいソロも聴かれる。研究家やコレクターには嬉しい初CD化だ。
制作・出演
キャノンボール・アダレイ / サム・ジョーンズ / スタン・リーヴィー / ソニー・クラーク / チャールズ“スペック"ライト / ハワード・ラムジー / フランク・ロソリーノ / ボブ・クーパー1957年東海岸進出前のライトハウスでのセッションを収録。ジューン・クリスティが2曲(「イズント・ジス・ア・ライブリー・ウェイ・トゥ・スペンド・ジ・イブニング?」「ラウンド・ミッドナイト」)歌っている。クラークの魅力は親しみやすさにあると思うがここでもそれは十分。一方、音質にやや難はあるもの未発表のラストは全編凄まじい迫力で非常に興味深い。
チャーリー・パーカーとの共演で知られるマーマローサは60年代の初頭、トリオの代表作を残した伝説のピアニスト。これは1947年と1952年、彼が参加した貴重なジャム・セッション音源のCD化。前半の2曲で名歌手ペギー・リーの伴奏も聴かれる。
おもに1950年代西海岸で活躍、90年代には日本も二度訪れたことのあるウィリアムソンが、77年に残したソロ・ピアノに未発表曲を追加した完全版。敬愛するハンプトン・ホーズにも迫る繊細で華麗なプレイで、随所に70年代らしい雰囲気も漂わせる。追加曲はすべて彼のオリジナル。
通好みのピアニスト、レッドによる唯一のソロ・パフォーマンスを収録。レコーディングの数が極端に少ない彼だけに、こうした音源の発掘はファンにとって嬉しい限り。派手なところはないが、ひとつひとつの音を丁寧に奏でるタッチが心を和ませる。
ジャズの歴史とともにキャリアを積んできた名匠ビショップJr.の全曲未発表ソロ・ピアノ集。70年代という時代を反映して、エレピによる演奏が収録されている点が大変珍しい。しかし彼自身のクリアに響く深く美しいメロディの奏で方は変わっていない。
これは貴重な演奏の発掘である。シムズが西海岸の人気ジャズ・クラブ“ライトハウス”でハウス・バンドと共演した時のライヴが音源だ。この時期の彼は売り出し中で、それゆえ強力なブローを中心にしたスリリングなソロで周囲を圧倒する。
白人テナーの巨人、ゲッツが客演した際のライヴ・レコーディング、初のCD化。ゲッツのピーク時をライヴで捉えた貴重な録音と言える。最近の若いファンからゲッツの評価を聴くことは少ないけれど、ぜひ耳を傾けてほしい。ビッグ・ネームの一人なのだから。
日本で根強い人気を誇るヘイグが1953年、西海岸を訪れた際、現地ミュージシャンたちと繰り広げたジャム・セッション。私家録音のため、音質は最高ではないが、ピアノの音は比較的明瞭に捉えられている。演奏時間はどれも10分以上、歴史的にも貴重なドキュメントだ。
1952年2月、LAのサーフクラブにおけるライヴ録音といえば、ザナドゥ盤『アーリー・ショー』『レイト・ショー』を思い浮かべるが、まさにそれと同じ時の録音。ペッパー抜き、ハンプトン・ホーズ・トリオの演奏も2曲。ペッパー初期の演奏が聴ける貴重な録音だ。
77年にはパウエルのオリジナルに挑んだアルバムを発表しているが、これは翌年に英国マンチェスターで行なわれたライヴ盤。ライヴらしい熱気を感じる中で、特に「ウン・ポコ・ロコ」や「テンパス・フィージット」のアップ・テンポの曲、またドラムスのトニー・マンの歯切れの良いプレイが印象的だった。
89年のパリでのライヴを収録したアルバムで全曲未発表。ピアノのタッチも含めて、そのピアノの印象は粗削りだが、スピリットの弾け方は奔放で、独特のエネルギーが音楽に熱く息づいている。スウィンギィなナンバーでも決して軽くないところもビショップらしい。
94年に初来日した際に残されたライヴが日の目を見た。この時点でウィリアムソンは最盛期をすぎていたが、ビ・バップの香り漂うタッチは健在だし、演奏によっては張り切ったところを示す。音もそれほど良くないが、好きな人なら見逃せない。