1995年10月25日発売
サミー・ヘイガー加入後の現在のヴァン・ヘイレンの最新作を除くすべてのアルバムをひとまとめにした、日本独自企画のボックス・セット。例の2枚組のライヴ盤には日本のみの初回特典だった2曲入りのCDシングルもちゃんとついている。しかし、あとはちょっとした年表を含むブックレットとピン・バッヂとロゴ・ステッカーが封入されているだけで、初心者とマニア向けでしかない。
数あるサンボーンの作品の中でも、ベストと言えるのが79年のこのアルバム。ここまでニューヨークのソフィスティケーションを見事に出し切ったサウンドも珍しい、はっきし言ってフュージョン界屈指の名盤です。ところでこの甘いムード、女殺しだぜ!。
フュージョン・サックス人気随一のサンボーン。サイド・メンとしての活躍は驚異的で、しかもどこにいても直ぐにそれと分る独特の“泣きのサックス”。今度のは全曲ライヴ。エキサイティングなサックス・プレイにマーカスらの強力なリズム隊が盛上げる。
息の長いフュージョン・アーティストのボブ・ジェームスの'86年版。今回は自らはプロデュースせず、アル・ジャロウのヴォーカルも一曲加わっており、試みの中にもホッとさせる落ちつきがある。サンボーン(sax)との二人の心と世界の共振がやさしい。
ワーナーにデスモンドが残した傑作アルバム。このメンバーはRCAにも優れた作品を残しているが、こちらも選曲の良さといい、演奏の素晴らしさといい甲乙つけ難い内容だ。いかにも白人らしいデスモンドとホールの共演が何とスリリングに響くことか。
発想と技術とが完璧に近いバランスで音楽に体現した、鬼才ジャコ・パストリアスの一大傑作。バッハからビートルズを経てビ・バップまで。これらの音楽成分はジャコの一部分に過ぎないのだが、噴出する勢いが桁はずれだった。(2)の優しさと(7)の狂気に心服。
ロシア出身の2人の俊英による初共演。充実した響きを持つ2人が多少の荒れをもろともせず、グイグイと激しく弾き込む大熱演を見せる。その強烈なぶつかり合いこそ、この演奏にみなぎる緊迫感の根源。特に速いパッセージのたたみ掛けるような表現が見事。
全民放103局で放映された『ゆく年くる年』のテーマ・ソングにもなった「ONE HEART」やクリスマス・ソング「Holy Night」「赤鼻のトナカイ」を含む6曲入リミニ・ディスク。パワフルなビート感は相変わらずだが、ハスキーな声に艶が増した。
ひと世代にだけ向けた刃のように聴こえる。それが良くも悪くも彼女の持ち味だろう。マニュアルに従うことにクソくらえすることがパワーの元になっているような彼女なのに、自身がいちばん変わることをしないように思えて止まない。歌詞の改善を頼む。
ポップなアプローチを連想させるタイトルだが、内容はいつもと変わらぬあゆみ節をストレートな8ビートで聴かせる。(2)(4)など運動部の選手を主人公にした“応援団長”そのものの曲、彼女の健康イメージから背伸びした“大人の”ラヴ・ソングが同居。
なんかひとつ振っ切れた感じがするのは私だけでしょうか。中村あゆみ本人はもちろん、気合い入ってますけど、バックのミッドナイトキッズのオールドウェイビーぶりは筋金入りだ。だから、ダンスミックスになった(12)が違和感あるある。
似た芸風の人も出て来て大変だ、と思ったのも取り越し苦労。タイトル通り、1994年で丸10年のキャリアを総決算した初のライヴ・アルバム。バックのミッドナイトキッズの演奏も含め、安定感あり。特に前半部。本家は強靱だな。