1997年6月発売
ヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂で鳴り響いたであろう、16世紀後半から18世紀後半に活躍した作曲家たちの作品が収められている。華麗なブラスの響きやバロック・コンチェルトが楽しめる。ただし、60年代の録音で、演奏はモダン楽器によっている。
北イタリアのボローニャで活躍した17,18世紀の作曲家の器楽から声楽まで多彩な作品が収められている。モダン楽器による演奏で、古楽器全盛の現在では、少し古臭く聴こえる。ただし、若き日のフレーニの歌唱やアンドレの演奏が聴けるのは貴重だ。
17世紀頃ウィーンの宮廷で皇帝の臨席に侍り、お抱え作曲家たちの供する音楽に身を預けてひとときを過ごす。そんな光景を空想して、詠み人知らずよろしくどこかの誰かが作った艶やかなバロックの響きにぼんやりと快楽するというのも、なるほど悪くない。
ザルツブルグと言えばモーツァルトの故郷。そこの有名なミラベル宮殿では、毎夜のように音楽会が催されたとか。このCDは、そうした当時にタイム・スリップして、いわばヴァーチャル・コンサートを体験しようというもの。ハイソな気分になれます。
1727年にウエストミンスター寺院で行なわれたジョージ2世の戴冠式のために書かれた作品で、ヘンデル自身の指揮で演奏された。この種の音楽にふさわしい壮麗な音楽で、中でも「祭司ザドク」は、以来、英国王の戴冠式で必ず演奏されるようになったという。
ストラータスのヴァイルは“お奇麗”すぎていつも物足りなかったが、全体としてクオリティが高く聴かせる作りになっているのは、さすがケント・ナガノ。しかしこの盤で聴くべきは交響曲の方。妖しい金管、ボレロの高揚。ヴァイルの魅力がまた一つ増えた。★
レコード会社を移籍し、前作より約2年ぶりとなった97年のアルバム。アコースティック音楽がウリだった彼が、ここではロンドンのミュージシャンとざらざらした手触りの音楽を創る。でもポップなメロディと伸びやかなヴォーカルの魅力は失われていない。
ローズ・アンリミテッドやTechie、岡田徹らによる渚十吾プロデュースのラウンジ感覚のポップ・ミュージックだ。ちょいと尖った感性による近未来型の“軽音楽”といったタイプのもので、妙に薄っぺらな感じの懐かしくさえある音作りが気持ちいい。