2002年11月発売
燦々と太陽の輝く夏の浜辺で、リゾート気分を満喫しながら屈託なく過ごす。このルービンシュタインの健康的でネアカなベートーヴェンを聴くと、ついそんな気分になってしまう。しかも指揮者とオケが、そんなピアニストの解脱の境地に達していないのも楽しい。
ブラームスは何と、1954年のステレオ録音。いささか響きは浅いが、年代を考慮すれば破格の高音質。見通しが良く、精悍なライナーと若々しく風格のあるルービンシュタイン、正統派の名演。ベートーヴェンは全体の音質、ピアノの瑞々しさがいっそう際立つ。
制作・出演
アイリーン・ファーレル / アーサー・フィードラー / オグデン・ナッシュ / サムエル・リップマン / サン=サーンス / ヒュー・ダウンズ / ボストン・ポップス管弦楽団 / マーティン・ホーアーマン / レオ・リトウィンフィードラーは半世紀にわたってボストン・ポップスoを率いてきたが、これは彼らの代表盤ともいえるアルバムのひとつ。オーケストラ入門のバイブルともいえるサン=サーンスとブリテンの名曲を実に活き活きと描く。エミー賞を受賞した名アナウンサーの語りも聴きもの。
かつて世界に轟いた“フィードラー/ボストン・ポップス”という伝説的コンビならではの魅力を再現する作品。流麗で沸き立つようなメロディと晴れやかに気持ちを高揚させるリズム、オッフェンバックとロッシーニ〜レスピーギ作品に、新鮮な生命を吹き込む見事な録音だ。
「カルメン」には名曲が目白押しだ。その声楽部分までも別な楽器に置き換えた版がこれ。オペラの曲順通りに全20曲が並ぶ。アメリカでは著名な作曲家でアレンジャーのM.グールドが、原曲のオーケストレーションを損なうことなしに編曲した。演奏もすこぶる良い。★
大林宣彦映画のイメージがこびりついてる頭には、この人のアルバムの出来の良さ、ロックっぽさは目からウロコ。自宅のCD棚に趣味の良い洋楽が並んでるのが容易に想像できる。今作はアコースティックな音触りとイケてるヴォーカル、作詞がよくマッチ。
デビュー時から時代に噛みついてきた泉谷がエレック時代に残した名作を1枚に収録。70年代からレゲエ、パンクなどを取り入れた彼の音楽センスや、存在感のある詩は今こそ再評価されるべき。