2007年8月22日発売
リパッティの遺した名盤のひとつ。録音は古くなったが、数あるショパンの『ワルツ集』の中でもひときわ光芒を放っている逸品だ。フランスで身に付けた華麗さや洗練さと、ラテン的な情熱が絶妙なバランスを保っている。
リスト弾きとして一時代を築き上げたシフラの代表的な録音。超絶なテクニック、そしてそのテクニックを嫌味なく披露するエンタテインメント性など、19世紀の雰囲気と現代性を兼ね備えた稀有な演奏だ。
独特のヴァイオリン・スタイルで他の追随を許さない個性を発揮しているギトリスの、面目躍如とした小品集。絶妙な緩急や強弱や自由自在の節回しなど、ギトリスでしか表わし得ない音楽の世界が繰り広げられている。
23歳でベルリン・フィルの首席奏者に抜擢され、退団後もソリストとして人気を博しているパユが、ジャズ・ピアニストのテラソンらとコラボレートした異色の小品集。痺れるような緊張感が心地良い。
発売元
ユニバーサルミュージックルネサンス、バロック音楽の分野で名を馳せているザ・スコラーズによるイギリス民謡集。日本独自の編集盤で、ザ・スコラーズの緻密さと軽妙さが一体となった演奏を聴かせてくれる。
ブラームスの代表作で、カトリックの典礼とは無縁の独自のスタイルを持った作品。クレンペラーは虚飾を廃し、悠然としたテンポでこの大作を描いている。歌手合唱ともに緊密なアンサンブルが楽しめる。
マレーシア生まれ、オーストラリア育ち、NY拠点、myspaceから発掘されたシンガーのデビュー作。思い切りのいいパワフルな歌いっぷりが魅力で、 そのぶん、アップ・テンポがいい。特にダンスホール・スタイルはファーギー並みの大胆さと奔放さが爽快。
皆さんには悪いけどハッキリ言おう。ハイドンの交響曲は、このへんまでが抜群に面白いのだ。もしラトルが引き続きハイドンを録音するなら、これ以降ではなく、これ以前のものをやってほしい。その面白さを見抜き、才気たっぷりに表現したラトルに拍手。
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドの4作目。華麗なムードがあって、ヴォーカルもサウンドも重すぎず軽すぎずバランスが取れている点がいい。前作は5年ぶり、今回は1年という順調なリリース。再出発を誓うかのような気合も感じさせる演奏だ。
ヴィーナスからの第2弾となる本作、ユニークなのはすべての曲がテナー・サックスとクラリネット、それぞれのヴァージョンで収録されている点。しかもバラード中心のしっとりとした構成。同じ素材でも、シェフの腕と料理法によってはこうも違うってことか。
スタンダードや映画の名曲、ブルースなどを収録。小技を利かせ、洒落た雰囲気で、という演奏ではない。奇をてらうことなく、弾きたいことをストレートに音に込めて弾いている感じ。一本筋の通ったメイバーンの美学で弾いていて、重厚な響きに彼の感情が凝縮されている。
エンヤ時代の代表作『エクリプソ』(77年2月録音)と、ピアノ&ベースのデュオの名盤『バラード&ブルース』(78年11月録音)のセッションから、オリジナル・アルバム未収録の残り曲&別テイクで構成した一枚。フラナガンのセンスと品のよさがよく出た秀作。
日独の俊英と在欧の米国の二人が出会った、優れて先進的な作品。モデュレイターの使用は佐藤の先鋭的な活動を象徴する。しかし、全員がひとつになり“集団即興”という、アルバム・タイトルを具現化した瞬間こそが魅力。ここには精神の瞬発力の中に込められた感性の純化が存在する。