2008年10月22日発売
美しい高声もモーツァルトをはじめ随所で聴かれるが、それよりも、感情を剥き出しにするかのような劇的表現や、キャラクターに深く入り込んだ各曲の演じ分けこそが彼女の独擅場。コミカルさは当録音ではほとんどない。オケも彼女の激情に見事に対応している。a=430。
佐賀出身の4ピース・バンドによるベスト盤。メロコア系の疾走感と切なくもポジティヴな歌がひとつになった「BREAK UP」、井上富雄(ex.ルースターズ)をプロデューサーに迎え、鋭いエッジの利きまくったビートを描き出した「祈るように遠く」など13曲を収録。
グリミネッリの音は生地イタリアの空を思わせるように明るく暖かく、かつ非常にふくよかである。モーツァルトにこれほどふさわしいフルートも珍しいだろう。共演しているケラーらの音はすっきりと冴えたアンサンブルで、フルートとの相性は抜群。
ヤンセンは若くて表現欲いっぱいのソリスト。硬軟自在に歌いまくり、大人っぽい色気もたっぷりである。伴奏のハーディングも単なる伴奏の域を超えて立体的で切り込みの鋭い表現を連発。独奏ともども非常に聴きごたえがある。新定番の登場である。
2005年に開始した全集も第7弾を迎えるが、3曲ともに繊細かつ知的なクリアさが際立っている。アダージョ楽章の陰影豊かな瞑想的な味わいも絶品。巨匠風の重厚壮大な「ハンマークラヴィーア」とは趣を異にするが、シフならではの独自の境地を確立した点は高く評価したい。
連続リリースの第1弾は、4ビートやボサ・ノヴァといった旧来のジャズをベースに敷いたアコースティックなバンド・サウンド。もともとはジャズ畑なだけに、自分の庭で花に水を撒くようにリラックスしてスウィングしている。“ジャズ愛”に満ちた「ホワッツ・ジャズ?」や「ジャズ?イントロデューシング?ハウ・ハイ・ザ・ムーン」の歌詞にも注目。
人気コミック『課長島耕作』の主人公・島耕作の社長就任を記念したコンピレーション・アルバム。“恋”をテーマに島自身が選曲を手がけた、ジャズのスタンダード集となっている。
2008年春、編者より上梓されて好評を博した『拍手のルール』(中央公論新社)との関連企画コンピ。ライナーの面白さがさすがで、このCDを先に買ったなら、間違いなく本のほうも買いに走ることになるはず。“特別編”のシャレは、もっとキツくても良いなぁ。
オーストリア辺境伯レオポルト3世が1135年に創設したハイリゲンクロイツ修道院。ウィーン近郊に佇む古跡の修道士が英国UCJの募集に応じて録音し、世界的に大ヒットしたグレゴリオ聖歌集である。単旋律の素朴で真摯な祈りの歌が癒しの時を与えてくれる。
『アイ・ラヴR&B』シリーズの10周年記念盤。Ne-Yo、リアーナ、ファーギーら、人気アーティストによるナンバーを大ヴォリュームで収録。R&B入門にも使えそうな充実盤だ。
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ユニバーサルミュージックジャズ・メッセンジャーズのリズム・セクションをバックに、2本のテナーがうなりをあげる豪快なセッション。古き良き1957年、場所はシカゴ、これをジャズといわずして何という。クリフとジョンの音色の違いに注目だ。
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ユニバーサルミュージックベニー・グリーンのトロンボーンとチャーリー・ラウズのテナーの溶け込み具合が絶妙の味を醸し出すブルーノート作。比較的スタンダード中心のセレクションで、プレスティッジ期のようなレイドバック感が魅力だ。
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ユニバーサルミュージックソウル寄りのアルト・サックスに定評のあったルー・ドナルドソンとスリー・サウンズによるストレートなセッション。精力的に活動していたルーの勢いがダイレクトに伝わってくる好盤だ。
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ユニバーサルミュージックジャマイカ産のトランペッター、ディジー・リースの代表作。ヨーロッパで研鑽を積み、満を持してブルーノートに吹き込んだ2枚目で、どことなくエキゾティックな雰囲気はカリブの風が成せる業か。
右手に負ったハンデをものともせず、自らのサウンドを確立したジャズ・ピアニスト、ホレス・パーラン。充実作の揃った60年代前半のブルーノート作品の口火を切った一作は、スタンダードが目白押しの万人向けトリオだ。
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ユニバーサルミュージック過少評価されがちなケニー・ドーハムの過小評価されている1961年のアルバム。メロディメイカーとしての資質が存分に発揮されたオリジナル曲の数々を、ハンク・モブレーを含む2ホーンで綴った名盤だ。
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ユニバーサルミュージックバップからモーダル、アヴァンギャルドへ、時代の流れに乗りながらも自身のサウンドを磨き続けたアルト奏者、ジャッキー・マクリーン。トミー・タレンタイン、ソニー・クラークら玄人好みのプレーヤーが名を連ねた好盤だ。
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ユニバーサルミュージック60年代、フランシー・ボーランとともにオールスター・ビッグバンドを率いた名ドラマー、ケニー・クラーク。ダスコ・ゴイコヴィッチの枯れたトランペットなど各人の聴きどころも満載だが、ケニー・クラーク自身のステディなドラミングこそ肝だ。