2008年1月発売
強靭な演奏で圧倒するというものではなく、堅固な構築力を持ちながら、神秘的な美しさでドイツ精神の一面を表出した録音。緊張感の高い、巨匠2人のコラボレーションが感動的だ。
このチェロ協奏曲は、協奏曲の最後のスタジオ録音となったもの。ライヴのようにスリリングで情熱的な演奏が素晴らしく、感興のおもむくままの体裁ながら、確かな造形をかたどっている。そこが天才のなせる技か。
アルバン・ベルクSQの名演2曲をカップリングしたアルバム。緊密なアンサンブルと即興的な掛け合いが豊かな“歌”を生み出し、それぞれの民族性を踏まえた上で普遍性を獲得している。特にスメタナが秀逸だ。
いまだにこの2作品の規範的演奏のひとつに挙げられる名演。粒立ちのいい美しい音、精妙なリズム、微妙に変化しながら生成される豊かな音楽。明快にして淡い幻想性も表出する不朽の録音と言える。
当時の演奏家としては非常にレパートリーが広かったギーゼキングの、現代もなお名演とされるドビュッシーの「ベルガマスク組曲」や「子供の領分」を含む作品集。情緒を排し、明快な響きとリズムで組み立てている。
米4人組ロック・バンド、ザ・スターティング・ラインのアルバム(3枚目)。ぐっと大人びたメロディを聴かせ、またキーボードを全面にフィーチャーしサウンドも充実した。これまでのポップかつキャッチーな面を残しながらも、ぐっと深みのある演奏だ。
ケニー・バレルやボビー・ティモンズなどのカヴァーに加え、オリジナルも多数披露された、2008年1月発表のアルバム。バップやボサ・ノヴァ、ジャズ・ロックなど幅広いアレンジで、実力派揃いの豪華メンバーによる演奏が楽しめる。
2007年のジルヴェスターコンサート。「展覧会の絵」は、ソロ楽器の見事さはいうまでもないが、全体としては手作りの温かさが感じられる。絵の中のキャラクターが動き出すような生命感に満ちている。ボロディンの第2番も躍動的で引き締まった演奏。
バンド史上初のカヴァー・アルバム。スキャットマン・ジョン、ワム!、松任谷由実、ZOOなど、意表をついた選曲で思わずニヤリとせずにはいられない。誰もが知っている名曲が、ゴリゴリのロック・サウンドにアレンジされていて、そのアンマッチ感も面白い。
今やジャーマン・パワー・メタルの老舗的なポジションを確立させた彼らの7作目。重厚でスケール感を伴ったインストと、文字どおりパワーで押し切るダイナミックさを効果的にブレンドさせた定番のスタイルは、普遍性を強調すると同時にメタリウムたる説得力を放つ。
4枚目のアルバムは、メンバーが初めてロックに接した頃、だいたい14歳ぐらいに戻った気持ちでレコーディングしたという。その新鮮な衝動が、三人を突き動かし爆発炎上。あくまでも人間臭くまっすぐ突っ走る。踊れ叫べ狂え、この勢いは誰にも止められない。
TVドラマ『のだめカンタービレ』でピアノを担当して話題となったピアノ・デュオ、プリムローズ・マジックのアルバム。ドラマで使用された人気楽曲を収録していて、のだめファンにはもちろん、そうでなくても十分楽しめる一枚だ。
映画『ちーちゃんは悠久の向こう』のテーマ・ソングも収めた奥華子の6枚目のマキシ・シングル。女性らしい視点で描かれた思いが、優しく温かい歌声とともに心に染み入る。ピアノの弾き語りを中心にしたアレンジもまた、切ない思いを拡大化させていく。
一時期と違って、ゲストはゴスペル界に限るもののランス・アレンから白人トビーマックまで多彩。ヒップホップやファンクにロック、ポップス、ジャズなどをゴスペルの下に統合した十八番の音楽性は今なお意欲的に広がる。「ア・ホール・ネイション」の11歳の無垢なソリストも聴きもの。
サウスカロライナ出身のトリオのデビュー・アルバム。活きのいい連中だ。ポップで躍動感があり、とにかく底抜けに明るい。ここまで能天気でハッピーだと、手放しで認めたくなっちゃう。パンクも変わったもんだ。2008年4月には来日公演が決定。今から楽しみだ。
ジェファーソン・スターシップなど、さまざまな遍歴を経て、80年代に1、5、7曲目の3曲の米No.1ヒットを放った彼ら。これは80年代の全盛期を網羅したベスト。男女のデュオ・スタイルのヴォーカルが織り成す、リッチで洗練されたモダン・ポップ・ロックが時代を象徴する一作。
制作・出演
CeciliaBernardini / JohannaGamerith / MarcelloGatti / RobertoSensi / StefanoRossi / アルフレード・ベルナルディーニ / ゼフィロ / モーツァルト / 松永綾子DHM創立50周年を祝う国内盤リリースの第1弾。ゼフィロは、すでに注目すべきCDが発売されている、イタリアの新鋭古楽グループ。管楽器の扱いに優れ、独特の生命力あふれる躍動感を旋律の中に織り込む巧みな技は、ここでも遺憾なく発揮されている。