2008年7月23日発売
ショパンの前奏曲、24曲の間隙を縫って須藤千晴の研ぎ澄まされた感性が垣間見られる。「雨だれ」においても澄んだ詩情が醸され、甘美な感傷に陥ることはない。特筆すべきはスクリャービン。テクニックをあらわにせず、粒立ちの良い音の雫で聴く者を魅了する。
フツウにクラシックの作品を聴いているぶんにはあまり出くわすことはないが、どうしてどうして、一皮剥けばヴァイオリンは、人間の生々しい感情を赤裸々に表わすことにも長けている。スラヴ風・オリエント風の編曲による川井の演奏、そこを突いて濃厚である。
佐藤美枝子が実力を遺憾なく発揮するアリア集。高音の輝きはそのままに、声の力強さを増してきた彼女にとって、まさに打って付けのプログラムである。コロラトゥーラの諸役は言うに及ばず、パミーナやミカエラなどのリリカルな役における感情表現も見事だ。
フィンランドの重鎮メタル・バンド、ストラトヴァリウスのベーシストとして有名なポラーのセカンド・ソロ作。ストラトヴァリウスとはひと味違う穏やかでクラシカルな音像はピンク・フロイドを連想させるスケール観が魅力で、プログレ・ファンも楽しめるはず。
モントリオール出身のデス・メタルの雄の6作目。阿鼻叫喚と評したくなるマット・マギャキャー(vo)、マギー・デュランド(key)を新たに迎えたことで残虐さはさらにアップ。目まぐるしく展開されるサウンドは、地獄絵図を彷彿させ、妖しい悦楽の園へと誘っていく。
フィンランドの天才ティモ・トルキが日本の武士道をヒントに作り上げたクラシック・ロック・オペラ。「サーナ・マウンテン」などは確かに尺八のようでもありケルトのようでもある。クラシック寄りでロックっぽい曲は「ウォリアー・オブ・ライト」くらい。CDエクストラでインタビューとクリップ3曲も観られる。
発売元
キングレコード株式会社ジャズ・ベースの第一人者、藤原清登がオーディションで集めた8人編成のニュー・バンドでの録音。藤原が講師を務める洗足音大の元生徒を含む、20代中心の若手からなる。ホレス・シルヴァー、チャールス・ミンガスなどのファンキーな曲を新鮮感覚で聴かせる。
結成20周年を記念したベスト・アルバムのキング時代編。孤高の存在感を確立して以降の飽くなき進&深化を表した全13曲を収録。持ち前の叙情性と変幻自在なリズム・セクションを武器に、エモなどのジャンルを突き抜けての根源的なロックが刻み付けられている。
解散したフィンランドのバンド、ストラトヴァリウスのティモ・トルキのニュー・バンドのデビュー作。初心に戻ったかのようなフレッシュかつパワフルなピュア・メタルで、元ハロウィンのマイケル・キスクなど、豪華ヴォーカリストの参加も話題だ。
エレキ・ブームを巻き起こしたベンチャーズのリード・ギタリスト、ノーキー・エドワーズのベスト・アルバム。彼のソロ・アルバム音源をまとめたもので、おなじみの楽曲が次から次へと繰り出されていく。
制作・出演
アラン・マレット / ウェイン・バージェロン / クィン・ジョンソン / ナタニエル・モートン / バーニー・ドレッセル / マイク・ヴェラリオ / レジー・マクブライド / ロビン・マッケル発売元
キングレコード株式会社ビッグバンドとともにレコーディングした2008年作。スティーヴ・ミラー・バンドのヒット曲をノスタルジックなジャズに編曲し、豪快なスキャットを聴かせる「アブラカダブラ」が秀逸。フェイクを交えて確かな技巧を披露する「バードランドの子守唄」、失恋をテーマに切々と歌う現代的な感覚の自作曲「メイク・サムワン・ハッピー」などでも個性を発揮。