2009年発売
演奏のみならず、文筆活動でも多忙を極める二人が、真正面から対峙した、たおやかで繊細なデュオ演奏。7つの即興とマイルス、ショーター、ストレイホーン、ミンガス、ルグランのオリジナルを収録。曲によってストリングス・カルテットの伴奏が加わる。
滋賀県出身のシンガー・ソングライター(サゴイマリコと読む)の3枚目のミニ・アルバム。ピアノをメイン楽器としている人で、王道のポップスを聴かせる。しかし声にはメッセージ性が含まれており、何かを伝えようとしていることも伝わってくる。
富樫春夫が南米で活動するDJとコラボレート。約1年ぶりとなるアルバムが完成した。ヒップホップを基盤としつつも、ジャズやファンクなど多彩な音楽要素をミックス。前作よりもメロディを意識したことで、親しみやすさも湧く仕上がりを見せた。
ブラジルのリオデジャネイロで活動するギタリスト、臼田道成のデビュー作。「ビリンバウ」や「祈り」など、ボッサのクラシック名曲をギターとピアノ、フルートなどでシンプルにカヴァーしている。しなやかなヴォーカルも素朴な味がある。
日本のアーティストによるピストルズのトリビュート・アルバム。完コピの「さらばベルリンの陽」に始まり、インストの「ライヤー」、テクノな「分かってたまるか」……と、さまざまな意匠のカヴァー曲が、UKオリジナル盤の曲順どおりに進んでいくのがなんとも楽しい。ニューオーリンズ・パンクの「Anarchy in the Bayou」には心底脱帽!★
メンバーの一人で、2009年1月に亡くなった青山孝史の追悼盤。「ずっと君を愛してた」「Never Ending」の松井五郎の詩が心に染みる。永六輔・いずみたくの作品「見上げてごらん夜の星を」に、そして故人が作曲した「it's more 愛(いつも愛)」の温もりのあるメロディに、過ぎし日を思い出す。ボーナス・トラック「会いたい」「愛燦燦」「愛乃讃歌」「Far away」は青山孝史のライヴを収録。
2001年に復活したことも記憶に新しい清水國明、原田伸郎によるコミカルなテイストを打ち出したフォーク・デュオ、あのねのね。本作はライヴ音源を集めた企画ベストとなっている。
“究極の”といった形容が頭を過ぎる、がそれを超すものが登場するのもこの世界の常。そうしたことを実感させられる演奏であり、録音も同レベルの秀逸さだ。外面と内面、両性のカップリングの妙が気負いなく描き分けられて、まさに二度おいしいディスクだ。★