2010年10月20日発売
1958年録音のオイストラフ・トリオによるピアノ三重奏曲をHQCD化。いずれの演奏も、この曲においての屈指の名演として支持されてきた録音だ。室内楽としての緻密さや親密さの中でも、個性をぶつけ合い、大きなスケール感を生み出している。
スヴャトスラフ・リヒテルと旧ソ連の名門ボロディンSQとが組んだ、「ます」の名演のひとつ。リヒテルによる透明度が高く躍動感に富んだピアノに、ボロディンSQが絶妙に絡み、ほど良い緊張感を作り上げている。
メニューインが、ジャンドロンら豪華メンバーと共演したブラームスの弦楽六重奏曲をHQCD化。名手たちによる阿吽の呼吸の演奏は、おおらかなで美しいブラームスを聴かせる。
世界最高峰のアルバン・ベルク四重奏団によるブラームスの弦楽四重奏曲全集をHQCD化。ウィーンの伝統にモダンな機能美を加えたその演奏スタイルは、ウィーン古典派と新ウィーン楽派をつなぐ結節点となっている。
サティのスペシャリストとして知られるナポリ出身のピアニスト、チッコリーニがナポリ派作曲家スカルラッティの作品に挑んだアルバムをHQCD化。彼の体に染み付いた風土的なニュアンスを楽しめる一枚だ。
巨匠リヒテルがアメリカ・デビューの翌年に録音したベートヴェン、シューマンの名作をHQCD化。緊密な構築力と、劇的なダイナミズムを駆使して描ききった幻想的な作品だ。
20世紀後半を代表するピアニスト、ミケランジェリの代表作をHQCD化。シューマンの豊かな幻想と詩情漂う名作を、洗練された感覚と磨きぬかれた音で個性豊かに演奏している。
EMIからリリースした最初の2枚のアルバムから抜粋したリストのピアノ作品集。“リスト弾き=ワッツ”の本領を発揮した一枚。技巧的な曲から晩年の前衛的な曲まで、彼のテクニックと幅広い音楽性が味わえる。
グリーグが長年にわたって書き綴った多彩な情感を湛えた全10集、66曲からなる「抒情小曲集」から4集を、北欧ピアノの第一人者、舘野泉が演奏する。スカンジナアヴィアの爽やかで清らかな風を思わせるフレッシュな演奏が楽しめる。
天才ピアニストと言われたフランソワが、得意とするドビュッシーの名曲を演奏した1961年の録音をHQCD化。緩急自在なテンポ設定、洒落たフレーズのまとめ方など、きわめて個性的なフランソワならではの名演。
北欧ピアノ音楽の第一人者、舘野泉による貴重な収録曲を含んだシベリウスのピアノ小品集。作品への深い愛情が感じられると共に、それぞれの小品はどれも標題性に忠実に、しかも詩情豊かにまとめられている。
フランソワが得意としたラヴェルの作品集第2弾。晩年の録音にあたる本作だが、フランソワの核となるテクニックは健在だ。ラヴェルが得意としたオーケストレーションを思い起こさせるような色彩感を与える、フランソワの絶妙なピアノ・タッチが味わえる。
20世紀女声楽界の女王として君臨したシュワルツコップが絶頂期に残した名盤をHQCD化。モーツアルトの傑作オペラでの役柄を完璧に掌握した歌唱は、初々しく清らかだ。
2004年8月に惜しくも他界したフランス声楽界の至宝、スゼーによるフォーレの歌曲集。エスプリに満ちた珠玉のメロディを、磨き上げられた円熟した歌唱で楽しめる。1976年度のレコード・アカデミー賞受賞作品から21曲を抜粋収録する。
牧師の家に生まれたヘンドリックスの、黒人霊歌を含む宗教歌を集めたアルバムをHQCD化。清澄な声が作品によく合い、いやがうえにも敬虔な雰囲気を創り上げる。合唱指揮者として高名なエリクソンの指揮による合唱が、それを一層盛り上げている。
発売元
ユニバーサルミュージックイタリアから世界に飛び出した人気ジャズ・クインテットによる、ブルーノート・レーベルからの2作目のスタジオ録音。演奏曲は、ホレス・シルヴァーやリー・モーガンのペンによる往年の名曲や秀逸なオリジナル曲。卓越したソロ、躍動する、生気に満ちたリズム。現代にハード・バップの真髄を蘇生させた快心作。★
バロック時代にも“3大テノール”がいた。ビアード、ボロジーニ、そしてファブリはカストラートに対抗しえるスターだった。彼らのそれぞれの持ち味を類推し選曲し歌い分けを行なったのがボストリッジ。特にヘンデルのアリアは古楽オケの妙なる響きと相まって素晴らしく魅了される。★
制作・出演
オッコ・カム / ショパン / ジミー竹内 / ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団 / マリア・ホロパイネン / ヨルマ・パヌラ / リュドベルイ / 日本フィルハーモニー交響楽団 / 柴田恒夫 / 舘野泉発売元
ユニバーサルミュージック舘野泉のデビュー50周年を期して編まれたBOX。2004年以降は「左手のピアニスト」として活躍する彼が、70年代にいかに傑出したレコーディング活動を行なっていたかを如実に示すもの。24枚中17枚分が初CD化で、スペシャルCDには舘野と親交のあった石田一郎(1909〜1990)の作品(堅固な構成に込められた郷愁と憧憬が聴きもの)と未発表音源も収録。各アルバムのジャケットはLPリリース時のデザインを復刻、当時のライナーノーツも再録しており、中でも『フィンランド・ピアノ名曲選』のブックレット(132ページ!)には知られざる作曲家たちの作品が譜例入りで解説されており、資料としてもきわめて貴重。演奏は正攻法にして真摯、作品に寄せる温かな共感が素晴らしい。パルムグレンとエングルンドの清冽&重厚な協奏曲、フィンランドの人々にシベリウスの小品の魅力を再認識させたピアノ名曲集と歌曲集など聴きごたえ十分。グリーグとラフマニノフの録音は分裂直前の日本フィルの充実を伝えるドキュメントでもある。録音が希少な作品の収録に情熱を傾けた70年代の関係者たちのひたむきさ、それを今に蘇らせた制作サイドの姿勢に大拍手。★