2010年5月26日発売
栗コーダーカルテットと渋さ知らズの共演盤『渋栗』のためのセッションのアウト・テイク集。『渋栗』に較べてユーモアに富んでいたり、ハードで攻撃的だったりと、演奏の振れ幅が広くて素直に楽しめる。あえて収録されたミス・テイクもとぼけた味わいが朴訥とした魅力を放つ。★
愉快な顔合わせで話題を呼んだアルバム『渋栗』(2009年)の発売記念ライヴの模様を収録。渋さ知らズオーケストラと栗コーダーカルテットが同じ曲を交互に演奏したり、それぞれのレパートリーを取り替えたりしながらテンポよく楽しませてくれる。両バンドの優れたアレンジ能力を満喫した。
コンセプトによるカヴァー・アルバムが多いが、これは男性アーティストが歌った名曲カヴァーの第2弾。前作はニューミュージックだったが、今回はなんと演歌! 元アイドルとは思えぬ艶っぽさで歌う。男性が女心を歌った歌を、女性である柏原芳恵が歌うという逆パラドックスが面白い!
ミュージカル・スター、俳優としてファンを広げるかつての劇団四季トップスターが、デビュー20周年に発表する2枚組の初ソロ・レコーディング作。築き上げてきた幅広い音楽性の中から丹念に選びこまれた楽曲とミュージカル・ナンバーだけに、さわやかで優しいその人柄がしっかりと現れる。
今やもっともあぶらの乗っているメゾ、キルヒシュラーガーのシューマン。すみずみまできっちりと細やかに歌い上げ、なめらかに的確に変化する歌唱。瑞々しい声質と艶やかさも魅力であり、万人にお勧め。ドイチュの伴奏も抑制された叙情性が歌手の声とピタリ。
シューマンは、シュトゥッツマンが録音最初期から選んでいた作曲家。当セットは、90年代にRCAに残したその集成である。音程の確かさ、高低間の声のムラのなさなどテクニカルな美点は言わずもがな。温かく深い美声で歌い紡がれるシューマンへの共感が素晴らしい。寄り添うピアノも繊細の極み。必携。★
UKのオーディション番組を勝ち抜いた21歳のシンガーのデビュー作。ハスキーな声の伸びやかな歌声は雑にならないギリギリまで思い切りがよく、早くも大器の片鱗を見せる。アメリカ進出を見据えた制作陣だが、UK基盤が功を奏して画一的なトレンド仕様にならなかったのも吉。★
キーシンのシューマンは実に味わい深い。90年から2001年の間に世に出たアルバムから選定した珠玉の演奏ばかりだ。ピアノ独奏曲はいうまでもないが、ジュリーニ&ウィーン・フィルと共演したシューマンの協奏曲は絶品(92年ライヴ)。現代的ロマンティシズムの極致とも言うべき熱演に引き込まれる。
新進気鋭のヒップホップ・アーティストの楽曲を集めた、HOOD SOUND RECORDSによるトリビュート・アルバム。地に足がついたリリックと過去にリスペクトを忘れないサウンドは、この業界の成熟を感じさせてくれる。自然とここまでブラック・ミュージックをにじみ出させることができるんだと驚きさえ覚える。
サウンド・クリエイター、伊藤克己がおくる“本当に使えるフリー音源素材集”シリーズ『サウン道』の、“時代劇、昭和、第二次世界大戦”編と“アニメ、恐竜、SF”編をセットにしたもの。懐かしい音、迫力ある音が満載。
等身大の自分を描くことをテーマにしたという5枚目のアルバム。“原点に帰ろう”という切実な思いを綴ったポップ・チューン「WHITE」、好きな人を強く求める、その純粋な感情に胸を打たれるオーガニック・バラード・ナンバー「春の夢」など、24歳のリアリティがたっぷり含まれた楽曲が並ぶ。