2010年8月発売
山下洋輔、中牟礼貞則を含むクインテットによる竹内の意欲作。全曲バスクラによる演奏は不思議な哀愁味を醸し出し、強い印象を聴くものに与える。とくにオリジナルの「オブリヴィオン」と山下の作品「クルディッシュ・ダンス」でこの楽器の魅力が発揮される。心に残る魅力的な一枚だ。
ニューヨークで長く活動していた女性ピアニストによる“愛”をテーマにしたリーダー第3作。安ヵ川大樹の表情豊かな力強いベースに支えられ、落ち着いたなかにキラリと光るセンスのあるピアノを披露している。全体の半分以上をオリジナルで占める作曲力の高さにも注目。
バップ、ブルースを愛する正統派ピアニスト、八木隆幸のピアノ・トリオ作。通算7枚目。ウォルター・デイヴィスの「Scorpio Rising」、バド・パウエルの「Illumination」などジャズ・ファンをうならせる渋い選曲で、スウィンギィで軽妙なピアノ・トリオ・ジャズを展開。ジャズ通はまずチェック。
シュトラウス父子のホルン作品を収める。息子のホルン協奏曲第1番は、作曲者自身によるピアノ伴奏版。バボラークは協奏曲の冒頭から言葉を失うほど素晴らしい。小菅優のピアノも充実。ホルンの名手だった父の作品ともども、ホルンの魅力を満喫する。
はっとするような美しい音色に思わず聴きほれる。近代フランスのピアノ連弾曲でこれほど見事な演奏は今までなかったのではないだろうか。夫婦は一心同体と言うが、まるで4本の手を持った一人のピアニストが弾いているようだ。たゆまぬ研鑽の賜物だろう。★
イギリス人ヴォーカリスト、ネイサン・ジェイ・ビッグスを迎えて初となるアルバム(通算4作目)は、アメリカ人プロデューサー、トビー・ライト(アリス・イン・チェインズ、KORN)と組むことで、メロディック・デスの文脈を超越した、より大きな世界観でメタルを捉えることに成功している。
ドイツ産メロディアス・ハード・ロック・バンドが、2009年のラウドパークと2010年1月に東京で行なったライヴをCD3枚に収録。甘酸っぱく泣けるメロディが全編にわたって炸裂。安定感のある脂の乗った演奏と、それに応える日本のオーディエンスがライヴをクライマックスに導く。