出版社 : 鳥影社
日本を襲う、巨大災害…… 大西洋のカナリア諸島で海底火山が噴火した。東アジア各地でも地殻変動が連鎖する。 地球規模の不気味な鳴動は、ついに日本を恐怖の渦へと陥れていく…… 最新の地球科学と防災政策の知見を基に描くセミフィクション小説。 迫りくる、破壊の日 カナリア諸島 東アジア 関東地方 先ぶれ はじまり 発 災
……お前の苦しみを苦しみ、お前の悲しみを悲しみ、共に心交じりあってこそ浄められると信じている。…… 老いてなお創作に励む夫と、心病んで幼女のようになった妻の日常を描く表題作他、生への祈りと共感に満ちた短篇集。 ラビリンス 竹酔記 朱き繭より 銀の夜 秘 婚 繖物語 余 滴
谷戸、切通し、やぐら、古刹と地蔵。 喧噪の都市の奥深く透視される悠久の中世の時間。 魔術たる作家の筆が、もののふの声を呼びおこす。 観光地カマクラの白日の下に、屍の蔵たる鎌倉の、幽玄なる景色がここに現われる。 (富岡幸一郎) 扇ガ谷、十王岩、袖塚、唐糸、飢渇畠、太刀洗、腹切やぐら、化粧坂……鎌倉の地に現存する「八景」は古の戦いと悲哀の歴史を今日まで伝えている。 付録 文学における土地の力 対談 藤沢 周×佐藤洋二郎 「季刊文科」連載作が待望の単行本化! 扇ガ谷 十王岩 袖 塚 唐 糸 飢渇畠 太刀洗 腹切やぐら 化粧坂 付録 文学における土地の力 対談 藤沢 周×佐藤洋二郎
リオ五輪女子体操ヘッドコーチ初の小説登場!「この作品は、私が体操コーチとして経験した事を基にフィクションとして書きました。倉本コーチが私で、神代茜は体操の寺本明日香さんです。」
フィレンツェで初めてフラ・アンジェリコの『受胎告知』を見た南実子はその美しさの前に立ちつくした。想像していたより遥かに大きなそのフレスコ画は隅々まで丁ねいに描かれている。そしてその画の前で始まった出会いと別れ。南実子は自分が真実の愛を掴むのはいつのことか、と胸の奥に微かな震えを覚えるのであった。
七代目小川治兵衛ー屋号「植治」(1860-1933)。平安神宮神苑、無鄰菴、円山公園を手がけるなど、近代日本庭園を先駆し、自然の景観と躍動的な水の流れを組みこんだ作庭で名高い植治。いまにつづく、その時代と生涯を丹念に描く、長編小説1700枚。
失われた足跡を求めてー。90年代後半の東京。築20年の庭つき古アパート。そこには内と外を行き来する猫たちがいたー。町から猫が消えた時代に、かつて3匹の猫と暮らした日々がよみがえる。失われた足跡をたどりつつ、猫と芸術をめぐる「ボイオティアの山猫」ほか「光の猫」「ベンガルの飛び猫」全三篇。著者初の小説エッセイ・エッセイ小説。「まれにやってくる」猫たちへの愛惜にみちた物語。
脳卒中で倒れた洋服仕立職人の父と、その父の喜びを一番の喜びとする息子との、十四年間にわたる濃やかな情愛に満ちた生活と死別の慟きとを、簡潔にして清楚な筆で描いた、表題作を含む心に沁みる二十九の連作短篇に併せ、市井の悲惨な一事件に取材し、生の哀しさを浮き上がらせた「夕雲」等、前著『冬晴』以後の作九篇を収める。著者文章修業二十五年の精華を示す作品集。
東京豊洲の高層マンションで見つかったミイラ化死体。不可解な点がある…三日もしない間にミイラになったのだ。これを機に次々に発見されていくミイラ化死体…。日常生活に忍び寄るとてつもない恐怖を描くボタニカルサスペンスの傑作誕生!!