2021年1月25日発売
ペットショップで購入した可愛らしい文鳥は、異世界から転生した高名な賢者様だった。 世界を超える機会と強力な魔法の力を与えられ、佐々木は異世界へと現代の物品を持ち込み商売を開始する。 世界間を行き来しつつーーお金を稼ぎ、魔法の訓練をして、美味しい物を食べるーー悠々自適なスローライフを目指すが、ある日の会社からの帰り道で異能力者と遭遇してしまう。 賢者印の魔法で異能バトルを切り抜けるも、実力を見込まれて内閣府超常現象対策局にスカウトされ、晴れて国家公務員に転職が決まり……? 異世界ファンタジー×異能バトル×年の差ラブコメ(?)。 さらには魔法少女、ご近所JC、同僚JK、貴族、ロリババア、王子etc... 属性ジャンル全部乗せでお贈りする、異世界と現代日本行ったり来たり物語。 MF文庫Jが放つ新文芸単行本として、遂に登場!
ユキノ・レイは有栖川芸能事務所に所属する15歳の女の子。歌手と女優を目指し、日々努力している彼女のもとに舞い込んでくる仕事はいつも何かがおかしい。彼女のためにマネージャーの因幡が取ってきた初めての仕事は、小さな町の広場にある特設ステージで歌う仕事だった。レイは精一杯に歌い、町の人々もとても楽しんでくれた。しかし、観客達の興奮と歓声がその日最高潮に達した瞬間ー。(「初仕事の思い出ーMemories Lost-」)他、全6話を収録。
赤鬼は指のない右手の平で、桃太郎を弾き飛ばした。背中から地面に激突し、そのまま勢いよく後ろ向きに転がり、やがて仰向けになった。いっしょになって飛ばされたらしく、切断した片方の角が、近くで固い音を立てた。痛みすら感じなかった。肉体はもはや、感覚を失いつつあった。「桃太郎」の凄惨なまでに苛烈な戦いを描いた傑作『パーフェクト太郎』の他、1編を収録。
てめえらは、何度俺から奪えばそれで気が済むんだ。軽井沢の有名旅籠の次男として育った理吉。裕福な環境で恵まれた生活を送っていたものの、なぜか家族との距離を感じ、心はいつも満たされずにいた。そうした心の飢えを埋めるかのように兄・新吉のものをくすねては、新吉と喧嘩になる毎日。やがて新吉は侠の世界に飛び出すが、理吉は家業の手伝いをするのみ。旅籠の下働きの定丸に誘われるままに、博打を覚えたがために家を追われ、西海屋に流れ着く。番頭の慶蔵のもとで頭角を現すが…業と欲に呑まれ、因縁に絡み取られていくー因果と侠の中で揺れる、流転と転落の男の物語。
どうでもいい嘘ばかりついて、へらへら笑う『かまってちゃん』の綾瀬水月。誰とも喋らず親切も拒絶して、透明人間扱いされている“変人”、羽澄想。ふたりは、誰にも知られていない悩みがあった。居場所がなくて毎日が息苦しくてー“死”に憧れていた。そんなふたりは、あるきっかけで一緒に過ごすようになる。互いに聞かれたくないことには触れず、そっと寄り添うように、おだやかに過ごす日々、しかし現実は残酷で…。「ふたりなら、きっと、怖くない」潤んだ瞳が海を見ている。「せえの…」息を合わせて、手を繋いだまま、ふたり同時に地面を蹴った。
母が決して語ることのなかった、「拷問」の記憶ー臨床心理士である月子は、母・琴が、戦時下における逮捕・拷問のフラッシュバックに苦しんでいることに気が付いていた。しかし琴は、当時の記憶について語ることなく逝ってしまう。良家の子女であった琴が、なぜ思想犯として逮捕されたのか。文学を愛した両親が遺した作品に導かれるように、月子は家族の歴史を辿り始めるー治安維持法の時代を生き延びた、家族の物語。
ある日、公園でフルートの練習をしていた高校生の双葉は、端正な顔立ちの海斗と出会う。まだ未熟な自分の音色を笑われ、彼の第一印象は最悪。しかし、高校の入学式で再会し、双葉は海斗が持病を抱えていることを知る。しかも、それは実の母親を亡くした病と同じで…。不安や喪失感を抱えながらも、ふたりは惹かれあい互いを必要としていく。「だから俺は、誰も好きにならないって決めてたのに」-。海斗の本当の想いを知ったとき、大切な人といる“今”を、もっと大事にしたくなる。光のある感動物語。
足尾銅山鉱毒事件の被害を受けた渡良瀬に生まれ、38歳で満州の地に没した逸見猶吉。“日本のランボー”と称された夭逝の詩人の生涯を描く、書き下ろし長編小説。
消費する欲望に安住していた瑠璃はある日、内奥にわく渇望に目覚める。その欲望の成就であるはずの日、元同僚の謀略によってそれは阻まれる。苦悩の日々の後、辿り着いたのは、謀った相手を赦す、という場所と時間であった。再生してゆく中で、恋人と訪れたフィレンツエでの心揺さぶる絵画との出会い。瑠璃の中に新たなる息吹が吹き込まれる。
帝国の巨人部隊を駆逐した宮廷魔術師・レオン。だが、国境地帯は兵力を増強した帝国軍に再び脅かされ、陥落寸前にまで迫っていた。さらに、王位継承戦では第一王子・マキシスが権力を手中に収めるべく遂に動き出す。王国最強の部隊“黒の精鋭”を率いる彼は反逆者を容赦なく処刑し、勢力を急拡大。国内外が危機的状況の中、レオンは双方を鎮めるとともに、悲願であったシスレイア即位のため、とある道筋を見出すのだが…?最強軍師による暗躍戦記ファンタジー、渾沌と決戦の第3幕!
フリオの息子・ガリルは、剣闘部の教師に勧められ、日出国で開催される剣闘大会に参加することに。ガリルの応援も兼ねて、一緒に日出国へ旅行することになったフリオ一行。日出国で各々は、名物であるお団子を食べたり、着物を着たりと、初めての国を楽しんでいた。その最中、封印されていたはずの神獣が復活しー!?さらに、強者との戦いを求める剣豪の思念体・ベンネエが挑んできてー!?
レンディア王国のとある夜会。商家の娘ライラは、婚約予定だった相手を友人に奪われてしまう。最初から愛情などなかったが、このままでは家族に迷惑を掛けてしまう…そう悲嘆に暮れる中ー「君に三度目惚れしたんだ」-ライラは「亡霊魔道士」と呼ばれる青年ユリウスに突然プロポーズされて!?亡霊のような見た目のせいで、凄腕だけど周囲から怖がられるユリウス。その原因でもあり、日常生活に支障を来すレベルの魔力過多を、ライラならば癒やせるらしくて…?更には様々な好条件も持ち出され、ライラはあれよあれよとユリウスの婚約者として彼の屋敷で暮らすことに。マイペースで不思議な人。だけどライラには無自覚でグイグイ来る。そんなユリウスに翻弄されながら始まったライラの新たな生活はお菓子を作ったり、衣服のデザインに挑戦したりと穏やかで。一度捨てられた娘は、凄腕の魔道士と共に再び幸せへの道を歩み始めますー
“おかし”なスキルを手に入れた令嬢の恋愛ファンタジー、第2弾! 誕生日にもらった聖花菓子によって『ブロックスキル』を手に入れ、未来の夢まで見れるようになった令嬢・リネア。 だけどリネアが見る夢は破滅の未来で……? そんなリネアに救いの手を差し伸べたのが聖花菓子の研究をしている『お菓子公爵』ラース。 ラースのおかげで破滅を回避する第一歩を踏み出したリネアは、家柄のせいで疎まれてきた学院の中でも友人もでき、望んだものをシャットアウトできるスキルのおかげで生活も快適。 更には、リネアとラースの関係もじれじれと変化を見せ始め……? その一方、そんなリネアの様子を面白く思わない令嬢・エレナは変わらず私怨をぶつけてきて…… 彼女の想い人だったらしいアルベルトとは縁を切ったのに、一体どうして? やり過ごすリネアに対し、エレナの悪意は段々膨れ上がっていきーー穏やかな人生はいつになったら訪れるの!? お菓子を食べて平穏な暮らしを目指します!
“悪役令嬢”の母を持つ平民アシュリーは、晴れて特権階級の魔術師に認定された。そんな彼女のクラスに自分と同じ“アシュリー”を名乗る平民の少女が転校してくる。はじめはもうひとりの“アシュリー”-アシュを怪訝に思ったアシュリー。しかしアシュの不思議な魅力に惹かれて瞬く間に友達となる。その矢先、二人の前に魔術を操る獰猛な獣が出現。獣の狙いはアシュであったが、王太子の活躍で無事捕獲される。すると獣は美しい男に姿を変えて!?獣の正体は賢者に並ぶ魔術師・隠者。彼によるとアシュは『ゲーム』と呼ばれる世界に関係がある要注意人物で…!?一方、学園ではエイミーの邪力に魅了された生徒や教師への対処が問題となっていた。そこでアシュリーは邪力を浄化する黄金の魔力の使い方を隠者に教えてもらうことになりー!?血統、美貌、魔力ー実は全てがすごい平民少女の人生逆転サクセスファンタジー、第2巻!
江戸の片隅。捨て子のゲンさんは生きる意味すら知らない物乞い。御家人だったソウさんは視力を失ったことで妻娘と離別、過去を捨てた按摩。二人は掌に画を描き合うことで心を通わせていく暮らしの中、赤ん坊を拾う。一心にその娘を育てる日々の中で見出した希望の光とその行方…。第一回京都文学賞受賞後書下し第一作!
<b>韓国小説のつむぎ手たちによる 濃密な文学談義と彼らの素朴な日常の話。</b> 作家が作家に聞く、ロングインタビュー集第2弾。 作家本人の声を通して知るもっと深い韓国文学の魅力ーー。 「(セウォル号事故の起きた)2014年になると、部屋を出てもう一度社会的責任というものについて考えをめぐらさざるを得なくなりました。 もうこれまでどおり斜に構えてはいられなくなった」(キム・グミ) 「私の小説の目的が見えるはずだ。ほかでもない、人間だ。それも、運命の暴力性に踊らされる人間」(チョン・ユジョン) 「時に真実は我々の心に突き刺さり、正直に伝えることが相手に痛みを与えるため、隠しておいた方がいい、と思えたりもする。でも、やはりそうじゃない。それでも真実だけが心の痛みを和らげてくれるんです」(コン・ジヨン) 「フェミニズムも同じで、私が20年前に書いた小説の中の問題意識をいまも人々は同じように感じている。だからこそ胸が痛みました」(ウン・ヒギョン) 「文学は宗教ではない。崇高な信念ではなく、技術を必要とする仕事だ」(チョン・ミョングァン) <b>インタビュー掲載作家</b> キム・グミ『あまりにも真昼の恋愛』 チョン・ユジョン『七年の夜』『種の起源』 コン・ジヨン『トガニ』『私たちの幸せな時間』『サイの角のようにひとりで行け』 ウン・ヒギョン『美しさが僕をさげすむ』『鳥のおくりもの』 チョン・ミョングァン『鯨』 ................................................................................. 「クオン インタビューシリーズ」は、さまざまな芸術の表現者とその作品について、広く深く聞き出した密度の高い対話録です。 あまりにも小説の未来、キム・グミの心 キム・グミ/ペク・カフム/すんみ訳 ストーリーテラーの起源 チョン・ユジョン/チョン・ヨンジュン/カン・バンファ訳 それでも真実だけが心の痛みを和らげてくれる コン・ジヨン/ペク・カフム/蓮池薫訳 それでも書き続ける ウン・ヒギョン/チョン・ヨンジュン/呉永雅訳 肉体小説家の9 ラウンド チョン・ミョングァン/チョン・ヨンジュン/斎藤真理子訳