2021年5月発売
あなたは子どもの何を知っていますか、 何を信じていますか。 「悪魔」の子と噂される少年、良世。事故で娘を失った過去を持つ翔子は、亡くなった姉の形見である息子を預かり育てることになるが、良世は掴みどころがなく何を考えているかもわからない。不気味な行動も多いなか翔子は子供を育てることに自信が持てず不安は募るが……。 『ジャッジメント』で衝撃デビューの著者による感動ミステリ。 読後全てが逆転するーー。
同名韓国ドラマの原作小説全5冊を毎月刊行!! 温室の花の君様の正体を知った主人公ホン・ラオンだが!? 男装ヒロインが宮中で繰り広げる胸キュン・ラブコメディ時代劇、第二巻!!
跳梁する悪魔ーーロシア・デカダン派の傑作 地方小都市の教師ペレドーノフは、町の独身女性から花婿候補ともてはやされていたが、実は出世主義の俗物で、怠惰にして傲岸不遜、生徒の親を唆して子供を笞打たせるのを楽しみにしている最低の男。視学官のポストを求めて画策するが、町の人々が自分を妬み、陰謀を企んでいるという疑心暗鬼に陥り、やがて奇怪な妄想に取り憑かれていく。一方、ギムナジウムの生徒で少女と見紛う美少年サーシャに惚れこんだリュドミラは、無邪気な恋愛遊戯に耽っていたが……。作者が「この小説は巧みに作られた鏡である」と述べているように、ここに描かれた地位に執着し噂に踊らされる人々の姿は、我々自身の似姿でもある。主人公ペレドーノフの名は、ロシア文学において悪徳の代名詞にもなった。20世紀初頭のロシア・デカダン派、象徴主義を代表する作家ソログープが、毒のあるユーモアをまじえて描く頽廃と倒錯の世界。
超人気官能作家・睦月影郎による、奇想と妄想に満ちた書き下ろし登場! 美しき母娘が棲む旧い洋館、外部のみならず内部まで精巧に作られたアンティーク・ドール、そしてそれらは「魂入れ」によって動くといわれ…… 妖しく彩られた大人のための妖艶な官能ファンタジー 青年が滞在することになった、美しき母娘が棲む館。 そこは、肉体の内部まで精巧に作られたアンティーク・ドールたちであふれ、その中には母娘そっくりのものまであった。 人形に惹かれ、母娘だけでなく、人形とも一つになろうとする彼。 しかし、そこには大きな秘密があった。 〈「魂入れ」によって動くからくり人形〉とは何なのか……夢と現をさまよう彼に衝撃の事実が告げられる──
ジャンル
作家ローレンス・ブロックは頭を悩ませていたーエドワード・ホッパーの絵から紡いだアンソロジー『短編画廊』の第2弾を計画しているのだが、いったい今度は誰の絵をモチーフにすべきか。思い悩んだ末、ブロックはある考えにたどり着く。何もひとりの画家でなくていい。今度は作家たちに、好きに名画を選んでもらおう。かくして、ジェフリー・ディーヴァーはラスコー洞窟壁画を。S.J.ローザンは葛飾北斎を。リー・チャイルドはルノワール、ジョイス・キャロル・オーツはバルテュス…といった具合に、今回も個性豊かなアートから物語が生まれ、新たなる“芸術×文学”の短編集が完成する。名だたる作家17人による文豪ギャラリー第2弾。
退屈な生のいつ終わるともない寂寞のなか、空想が光輝の花を振り撤いた。夢みるような気分が胸内にただよい、生気あふれる芳香で心を誘い、蝕んだ。香りには、生気に渇えた胸さわぎの甘やかな毒が潜んでいた。生の豊穣と頽落、夢想の萌芽、成熟から破綻までを絢爛なアラベスクとして描きだした、世紀末デカダンスに先駆ける“幻滅小説”。リルケ、トーマス・マン、ヘッセ、ツヴァイク、ホーフマンスタール、ムージル、ジョイス、ルルフォを魅了した19世紀デンマーク文学の傑作長編。
聴衆の前で話しているとき、シュティリングは水を得た魚であった。話しているうちに彼の頭の中で概念がどんどん発展していき、しばしばすべてを言い表すための十分な言葉を見つけることができないほどだった。話しているとき、シュティリングという存在そのものが明るく晴れわたり、混じりけのない生命とその表出そのものになった。貧困に負けず学問を続けて大成する、独学者の数奇な人生行路を描いた18世紀ドイツの自伝文学。「疾風怒涛」運動の中心人物ゲーテ、観相学者ラヴァーター、思想家ヘルダーらとの親交から生まれた、“ヴィルヘルム・マイスター”よりも大衆に読まれた教養小説。本邦初訳。
サン=テグジュペリは、作家であり、飛行士だった。ナチスドイツによってパリが占領され、アメリカへ亡命した彼は、ドゥ・ゴール派にもヴィシー派にも与しなかったため、亡命フランス人たちの間で批判を浴びる。そんな葛藤の時期に描かれたのが、「小さな王子」(邦題「星の王子さま」)だった。そして、念願の戦線復帰が叶い、再び飛行機に乗ることに。武器は積まず、自分が傷つけられる危険だけ背負いながら戦う偵察飛行を繰り返すがー空への憧憬、友情、愛、時代に翻弄される苦悩。サン=テグジュペリの半生を鮮烈に描く傑作長編小説。
時を超え待ち続けた、運命の再会。 かつて「悪の道に堕ちた」と人々から恐れられた魏無羨(ウェイ・ウーシエン)は、 すべてを失い非業の死を遂げた。 しかし、それは自らの信念を貫いた証だった。 それから13年後ーー別人の体に召喚され、思いがけず現世に蘇る。 正体を隠し過去と決別しようとするが、 よりによって少年の頃から文武を競い合った宿命の相手、 藍忘機(ラン・ワンジー)と再会してしまう。 自由奔放で快活な魏無羨(ウェイ・ウーシエン)と、 品行方正で寡黙な藍忘機(ラン・ワンジー)。 前世の記憶の中では衝突してばかりいたはずなのに、 なぜか彼はそばを離れようとせずーー。 あの日の旋律が再び二人を巡りあわせる。
孤独な心が、恋しい人の名を呼んでいたーー。 凶悪な「左腕」の謎を解くため、旅に出る魏無羨と藍忘機。 まだ正体を隠そうとする魏無羨だったが、 藍忘機にはとっくに彼だと見抜かれていた。 昔と違い、今の藍忘機はいたずらにも動じず、 お喋りな魏無羨の話に耳を傾け、 時には酒に付き合おうとまでしてくれる。 その変貌ぶりに驚きながらも、 魏無羨は彼といるのが楽しくて心地よく感じていた。 やがて辿り着いた義城で、 ある男に襲われ「砕けた魂の復元」を頼まれる。 傷ついた魂は、一人の男を巡る愛憎の結末だった。 悲劇に幕を引こうとする魏無羨を守る藍忘機だがーー。
平凡な顔、運動神経は鈍く、勉強も得意ではないーー何の取り柄もないことに強いコンプレックスを抱いて生きてきた八目晃は、非正規雇用で給与も安く、ゲームしか夢中になれない無為な生活を送っていた。唯一の誇りは、高校の同級生で、カリスマ性を持つ野々宮空知と、美貌の姉妹と親しく付き合ったこと。だがその空知が、カンボジアで消息を絶ったという。空知の行方を追い、東南アジアの混沌の中に飛び込んだ晃。そこで待っていたのは、美貌の三きょうだいの凄絶な過去だった……
無事、ロス・マオラ城を出ることができた修太郎。しかし、魔王達の力を持ってしても侵入不可能なエリアにある《精霊の祈り》を突破することはできず、このままではプレイヤー達との交流もままならないーー6人の魔王たちと《eternity》の世界を攻略するため、修太郎は召喚士へとクラスチェンジの決意をする。召喚士のいるパーティにいれてもらいクエストをこなしたりしながら、どうにか魔王たちを召喚モンスターとしてパーティ登録できることを発見する。けれど最初に連れていけるのはひとりだけ!? そして無事に召喚士にクラスチェンジした修太郎は、新たなパーティーとクエストに挑むことにするのだけれどーー。修太郎と魔王たちの邂逅は、デスゲーム世界の希望となるのか!? ひとりの少年と仲間たちの成長冒険譚、出会いと別れの第2弾!
母を亡くし、居場所を失った17歳の創。新しい家族を築いて創を過去にしてしまった父にも、母の恋人だったひとにも頼れない。だから、ひとりで生きていくために自分が売れるものは何でも売ると決めた。いくつも掛け持ちしているアルバイトでは不器用でも丁寧な労働を、ときには、大して価値があるとも思えない自分の体を。そうして眠るときには薄っぺらな寝袋の小舟に乗って、夜ごと星空の航海に出かけるのだ。明日はもっといいところまでたどり着けますようにーー。 あるきっかけから、母が入院していた病院に麻酔科医として勤める高野と、その後輩にあたる外科医の瀬越の世話になることに。けれど、絶対に知られたくない秘密と想いを抱えている創は、二人に嘘を重ね続け……?
1946年、島根県益田市。異国の海風に誘われるように日本に降り立った元兵士の韓国人・郭昌宇。見知らぬ土地で出会ったのは、言葉を知らぬあどけない少年だった。そんな彼を見かねた郭は、生きるための知恵を授け、母国へと去っていく。それから月日が経ち、少年はあの日、自分を助けてくれた男を求め、故郷を、そして日本を飛び出していく。国を出た少年が見つけたものとはー。
ある暑い夏の午後、突然気を失った私がふと目を覚ますと、そこには丁度待っていたように「地獄・極楽列車」が停まっていました。初めて見るあの世の世界は果たしてどんなところなのでしょうか?ようこそ、死後の世界へ。車掌の青鬼が地獄から極楽までご案内。降りる駅は罪の重さで決まります。悪行は必ず跳ね返ってくる?子どもも大人も「今の生き方」を考えさせられる一冊。
職場で起こった、人から見ればささいな出来事をきっかけに、正義の心は壊れ、引きこもるようになってしまう。妻は何も言わずかわりに働きに出た。情けなさに耐え切れず眠剤に頼る日々。そんな正義の閉ざされた心を揺り動かしたのは、青春時代に聴いていた音楽だった。音楽との再会をきっかけに、人との絆、社会とのつながり、自分の生きる意味を取り戻していくー。一歩を踏み出す勇気をくれる再生の物語。
20XX年、世界に衝撃を与えたインド映画『マルト神群』その主演を務めた謎の日本人俳優、婆須槃頭。渾沌を極める世界情勢下、彼が提起したのは死者たちが証言台に立ち、一神教の罪業を論ずる空前絶後の国際宗教裁判だったー。