小説むすび | 2022年10月発売

2022年10月発売

愛し子の秘密の父愛し子の秘密の父

8年間、泣き暮らした日々を、 なかったことになんかできない……。 アナベルはロンドンの病院で働く救急救命士。 日夜患者の救助にあたりながら、女手一つで7歳の息子を育てている。 同僚や友人に恵まれ、今でこそ暮らしは落ち着いたが、8年前は違った。 当時、恋人のハリーとともに救命士を目指していた。 先に彼の就職が決まり、勤務地のドバイへ一緒に旅立つことにしたのに、 彼は空港で突然アナベルに別れを告げ、一人で行ってしまったのだ。 その後、妊娠に気づいた彼女が連絡をしても、返事さえよこさなかった。 音信不通のまま時が過ぎ、半年前に息子が大けがで死線を彷徨ったとき、 最後に一度だけ留守電にメッセージを残した。「帰ってきて」と。 そして今、アナベルは乗客救助に向かった空港で、ハリーと再会するーー 映画のようにドラマティックな“シークレットベビー物語”です。ハリーに捨てられたと同情されるのも、彼が必要以上に非難を受けるのも避けたくて、アナベルは周囲に息子の父親が誰かを明かさずに育ててきました。再会後、息子の存在を知ったハリーの反応は?

手紙手紙

たかが少女の恋。されど愛。 変わらぬ想いが、そこにあったーー 太陽のような笑顔と艶やかな黒髪をした、楽しく魅力的なフランコ。 18歳のジョアンは留学先のイタリアで出会った瞬間、恋に落ちた。 フランコが妹のようにしか見てくれなくても幸せだったーー ジョアンとよく似た年上のいとこ、ローズマリーが訪ねてくるまでは。 いとこの優雅で繊細な大人の女性の魅力に惹かれたフランコは、 ジョアンの目の前で、ローズマリーと結婚してしまったのだ。 あれから8年。久しぶりに再会したフランコは病で妻を失い、 あの頃とはまるで別人のように暗く沈んでいた。 いまだ彼への愛を秘めたジョアンは、張り裂けそうな心で思った。 いとこの身代わりでもいい。それで彼を癒やせるのなら……。 ヴァージンロードを歩く幸せなフランコとローズマリーの後ろで、切ない失恋の痛みに人知れず耐えたジョアン。もしも彼への恋心が十代の少女にありがちな一時的な熱狂であったなら、どれほど楽だったことか……。もどかしい恋を、故人の手紙が後押しする感動作。

略奪された純白の花嫁略奪された純白の花嫁

神の名を持つギリシア富豪にさらわれて、 愛なき結婚を迫られてーー 「結婚式だけでなく、きみをめちゃくちゃにしに来たんだ」 見知らぬ男性がリムジンの後部座席で邪悪な笑みを浮かべた。 この世のものとは思えないほど美しい男性の正体は、 いま祭壇の前でプリヤを待つ花婿の異母弟、エロースだった。 エロースは父親の遺産を総取りしようともくろむ異母兄に対抗し、 相続の条件である結婚を壊しに来たのだという。 一方、愛する父が遺した会社と従業員を守るために 泣く泣く契約結婚をしようとしていたプリヤは、 エーゲ海の別荘へと連れ去られてもなお、心のどこかで安堵していた。 罪深いほど魅惑的なエロースに、愛なき結婚を迫られるまでは。 プリヤは悩んだ末にエロースの要求を受け入れ、美しい屋敷でぎこちない共同生活が始まります。やがて夫の抗いがたい魅力に屈したプリヤはなすすべもなく純潔を捧げますが、めくるめく日々は突然、終わりを告げて……。全米絶賛のドラマチック・ラブストーリー!

黒鷲の大富豪黒鷲の大富豪

あなたが無理やり私と結婚したのは、 亡き婚約者の面影を私の中に見たから? ロクサーヌは生まれてすぐに母親を亡くし、 父親と乳母から厳格なしつけを受けて育った。 ある日、ロクサーヌは親友のバースデーパーティで、 スペインの血を引く大富豪フアン・アルマンド・ラミレスと出会う。 漆黒の髪と鋭い瞳を持つ彼は、鷲を思わせる威圧感を漂わせている。 射抜くような視線を向けられ、ロクサーヌはおののきながらも、 経験のない胸のときめきを感じ、気づけば彼とダンスを踊っていた。 これが運命の出会い? だが、うぶな彼女は想像もしていなかった。 まさかフアンが意図的に彼女の名誉を傷つけ、 彼の妻にならざるを得ない状況を作り出すとは! ハーレクイン・ロマンス黎明期を支えた人気作家アン・ハンプソンの旧作『悪魔に娶られて』を改題してお届けします。純真な令嬢と陰りのある大富豪の詩情あふれる王道ロマンスをこの機会にぜひご堪能ください。鮮やかな場面転換の秀逸な筆致もお見逃しなく!

シェリ=ビビの最初の冒険シェリ=ビビの最初の冒険

シェリ=ビビよ! やさしかった肉屋見習いのおまえが、 なぜ、殺人鬼になってしまったのかーー すべてはファタリタス!(運命!) シェリ=ビビはある偶然に殺人を犯し、 以来殺人が殺人を呼び前代未聞の極悪人として 流刑地カイエンヌへと向かう監獄船バイヤール号の途上にあった。 ……囚人たちは待っていた、シェリ=ビビからの蜂起の合図を! 阿鼻叫喚! 看守を襲う800人の反乱!  船を支配下に置いたシェリ=ビビたちのもとへ遭難者が流れつく。 そこには憎きデュ・トゥシェ侯爵がいた。 シェリ=ビビは侯爵の父を殺害した濡れ衣を着せられ、その妻は初恋の相手セシリー。 因縁の下劣漢に恐ろしい復讐を考えつく…… 外科医ル・カナックによる言語を絶する方法で侯爵と入れ替わったのだ! シェリ=ビビは夫としてセシリーと夫婦生活をはじめる? すべては〈ファタリタス(運命)〉に導かれ、フィナーレの大スペクタクルは圧巻! フランス華やかなりしベル・エポック期に人気を博し、〈最後の連載小説家〉と称されるガストン・ルルー。 『黄色い部屋の謎』と『オペラ座の怪人』で売れっ子作家となったルルーが、1913年に満を持して《ル・マタン》紙に連載した怪人シリーズ。 極悪非道のファントマやジゴマとはちがった、人間味併せもつ怪人を描きだすガストン・ルルーの手腕。 本邦初紹介の人気怪人シリーズ〈シェリ=ビビ〉! 〈ベル・エポック怪人叢書〉 エッフェル塔が建ち、地下鉄が走る黄金期フランスーー ベルエポックの世に、怪人たちが跋扈する! 強盗、殺人お手のものの悪のアイコンを集成。 ベストセラー、ダークヒーロー犯罪小説! 「美しい時代」の怪しいヒーローたちーーーー小倉孝誠 ベル・エポックとは「美しい時代」という意味で、1900年の万博に象徴されるように、フランスの19世紀末から20世紀初頭を指す。当時のフランスには、世界でも破格の100万部前後の発行部数を誇る新聞が四紙もあり、その紙面を飾ったのがしばしば犯罪をテーマとする連載小説である。美しい時代は、犯罪者や悪党がうごめく不安な時代でもあった。〈ベル・エポック怪人叢書〉は、この時代を代表する作品を収めた魅力的なシリーズ。同時期のルブランが創造した怪盗ルパン以上に裏社会で暗躍する恐るべき、時として悲劇的な、そしてつねにカッコいいダークヒーローが登場して、息もつかせぬ物語が展開する。大衆文学とあなどるなかれ! 作者は当時最新の科学、医学、テクノロジーの知を駆使して、社会の闇と民衆の秘めた欲望をあぶりだす。現代人でもあっと驚くような技術や、状況の反転が利用される(詳細は読んでのお楽しみ!)。そしてこれらの作品は、誕生してまもない映画の題材にもなった。時代の感性と鋭敏に共鳴し、その後の大衆小説の流れに大きく影響した作品群の邦訳は、まさしく快挙である。

外れスキル「世界図書館」による異世界の知識と始める『産業革命』 〜ファイアーアロー?うるせえ、こっちはライフルだ!!〜(1)外れスキル「世界図書館」による異世界の知識と始める『産業革命』 〜ファイアーアロー?うるせえ、こっちはライフルだ!!〜(1)

いやいや、何この知識、すごすぎない!? 「力が全て」を掲げる王国にて、戦闘に使えない知識を持った第三王子、グレイスは『口先だけの知識バカ』と罵られ、辺境の不毛の地へと追放されてしまう。 グレイスの数少ない理解者である近衛騎士の少女ヴィグナと鍛冶屋のボーマンとともに辺境の地、アスガルドへと赴くが、そこはかつて「狂王ソウズィ」と呼ばれる人物が治めていた土地だった。 触れたものの知識を得ることができるグレイスの能力「世界図書館」を駆使して廃墟となったソウズィの屋敷にたどり着くと、そこには人間にしか見えないほど精巧に作られた少女型のゴーレムが鎮座していた。 グレイスがそのゴーレムに触れると、脳内にとんでもない知識が流れ込んでくる。 なんと、そのゴーレムは異世界の知識で作られた「ロボット」という存在だったのだ。 そして、「狂王ソウズィ」とは別の世界から来た人間で、彼の遺産は別の世界の知識で作られたものだということを知る。 「世界図書館」で得た知識により起動に成功したロボット「ガラテア」を仲間に加え、今まで蓄えたこの世界の知識と異世界の知識を組み合わせることで不毛の地を少しずつ発展させていくのであった。 「知識」を武器に、できそこない王子の快進撃が今始まる!

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