小説むすび | 2022年3月発売

2022年3月発売

そこに私が行ってもいいですか?そこに私が行ってもいいですか?

出版社

里山社

発売日

2022年3月25日 発売

ジャンル

女とは、階級とは、国とは、人種とはー。海を越え、運命を切り拓く少女たちの物語。構想10年。国際アンデルセン賞韓国候補作家が、日本軍慰安婦、対日協力者、アメリカ日系人収容所など、複雑な日韓の近現代史を、女の視点から描く傑作エンタテインメント。人間は複雑で多面的な存在で、完全な善人も悪人もいない。誰もが自らの欲望や利益を前に、揺れながら生きている。人間を日帝強占期という歴史の枠組みに閉じ込めて、二分法的に描きたくなかった」--イ・グミ(本書より) 2018年度国際児童図書評議会オナーリスト選定図書。 「貧しく低い身分で、女として生まれたのは、自ら選んだことではない。植民地の民となったのも、国に力がなかったからだ。なのに、苦しみは個人や民が負わなければならない。」植民地期の朝鮮半島。貧しい生まれながら、韓国、日本、中国、ロシア、アメリカと、世界を渡り歩くごとに視野を広げ、勇気を蓄えていく少女、スナム。片や対日協力者の子爵の娘として生まれ、同じように世界を渡り歩くことで現実の厳しさを知っていく少女、チェリョン。蔦のように絡み合う2人の少女の人生を通して、日韓近現代史の複雑さ、そして歴史や国から自由になれない個人の、そして女性の人生を克明に描き出す。

都市残酷都市残酷

山で生きてきた。国家など不要だった。都市の残酷に呑みこまれても、猟人の魂は生き延びる。記憶はいつも創造と壊滅の間でつなわたり。だから物語は書かれなくてはならない。 ワリス・ノカンの文章が、全球化社会に対する抵抗の線を引く。-- 管啓次郎 台湾原住民文学の旗手が描く、都市化された台湾の悲しみ。原住民の誇らしい魂が、都市化の波に呑まれ悲鳴を上げる台湾の現実。真の台湾を知るには避けて通ることのできない作品集。 目次 序 日本の読者の皆さんに ワリス・ノカン 作品舞台地図/凡例 第一部──記憶柔和   弔い   最初の狩猟   長い年月のあとのある夕暮れ   タロコ風雲録   悲しい一日   独裁者の涙   野ゆりの秘密   女王の蔑視   失われたジグソーパズル   死神がいつも影のごとく寄りそう 第二部──都市残酷   奥の手   中秋の前   夜の行動   タクシー   小さなバス停の冬   この、もの悲しい雨   希洛の一日   銅像が引きおこした災い   私の小説「先生の休日」   ムハイス   コウモリと厚唇の愉快な時間 第三部──山野漂泊   虹を見たか   タイワンマス   人と離れてひとり暮らす叛逆者、ビハオ・グラス   父   初出一覧  訳者あとがき 下村作次郎

夜の都夜の都

出版社

KADOKAWA

発売日

2022年3月29日 発売

異国から来た少女は、眠りの世界で魔女修行をする。「夜の都」を望む異界を訪れて。 魔女の「クダン」から教わるのは、妖精の鱗粉を触媒とした、月の姫から授かりし魔術。 亡者どもを追い払う任務を、世界を守る役目を、図らずも背負わされた少女の運命は。 圧倒的な想像力が世界を創造する、あまりにも美しく苛烈な、ヒストリカル・ネオファンタジー×魔法少女物語。 === 1920年代前半(大正時代)、父と義母とともに、『ガリヴァー旅行記』に登場する東洋の島国を訪れた14歳の少女・ライラ。 7日間を保養地のホテルで過ごすことになったライラだが、古い祠として祀られていた岩井戸で、底から湧き出た星のような小さな光の粉が眼に入ってしまう。 部屋に帰り猛烈な睡魔に襲われた彼女がベッドに倒れ込むと、なぜかそのまま真っ暗闇の空間を落下し、気が付くと見知らぬ場所にいた。 月のように巨大なシャンデリア、大理石の環状列柱が支える絢爛の大広間。 夢だと思ったライラが不思議な空間をさまようと、何処かで電話機のベルが鳴っている。 応答したライラに語り掛けてきた相手は、「月の姫より直々に眠りの魔術を授かりし禍の魔女」で「クダン」と自らを呼ぶようにと言った。 クダンはここが「星の界の異界」であり、空の彼方に屹立する摩天楼群を「夜の都」だと語るのだが……。 日本ホラー小説大賞出身作家、待望の第2作。 === 装画=朱華 「眠る島」 2021 夜の都 もくじ 古代東洋魔術の萌芽 西洋による再発見 魔道概論 各論、及び魔術過剰使用による危険性 決闘礼法 魔道再興計画要綱

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